興行収入60億円(9月20日時点)を突破した映画『竜とそばかすの姫』を手掛けた細田守監督(54)がnews every.の取材に応じ、今のネット社会における、誹謗中傷について語ってくれました。現在、公開中の映画『竜とそばかすの姫』は“現実”と“インターネット”の2つの世界で奮闘する女子高校生・すずの成長を描いています。
■細田守監督が語る ネットの誹謗中傷
コロナ禍の中で皆気持ちが抑圧されている、自由を抑圧されていることに寄り添う映画っていうのは必ずリアルタイムで必要。それに「竜とそばかすの姫」って映画がそうなれている事が映画として光栄だと思う。コロナ禍で非常にリモートワークが増え、インターネットの世界が身近な事になってるとさらにリアリティーが増して今の感覚を表現した映画になっていると思うんですけどね。
僕ら実際ね 仕事や日常生活をしてインターネットに触れない瞬間ってほぼない。それくらい無くてはならない世界になっている。とはいえ社会的には、オリンピックの件でもインターネットって言えば誹謗中傷みたないね。アスリートの皆さんに対しての厳しい言葉が飛び交ってたりとか「インターネットの世界は危険だから規制するすべきだ」ってなっていると思うんですけど、僕はインターネットが危険なのではなく、そもそもそういう事を言っているのは人間の方なので人間側の問題。現実の人間がそういう風に書き込んでいるワケですから、それも一つの人間の姿だと思う。
■人間は表裏一体 誹謗中傷は匿名性を利用した発散
“人間っていうのは表裏一体”非常にすさんだヒドイ言葉を吐き出すこともあれば、人を思いやる瞬間も同時にあるのもまた人間。誹謗中傷ってね言っている人が現実にはどんな人か想像すると、ものすごい現実世界で何も言えない人なんじゃないかって気がする。
そこでたまっている人が、匿名性を利用して発散させ「一種の瞬間的な自由」を得てるんだと思う。それはそれで一つの「人間の生きる形」の一つだと思うんです。それで人を傷つけるのはいけないってことになるんだけど、人が生きるってことは、人を何らか傷つけたり傷つけられたりしながら生きてくものだから。優しくしたり優しくしなかったりとかも含めて。インターネット世界の中でもルール化・常識化っていうのが、これからどんどん僕らの世界と限りなくどんどん近づいて来る。段々常識化されていって沈静化すると思いますけどね。
■すさんだ世の中で“優しさの意味”を考える
このぐらい世の中すさんでるとさ、優しくなることの意味を忘れそうになるんですよ。余裕がないからさ「余裕があると優しくできるけど、余裕がないと優しく出来ません」ってなっちゃうじゃない。それじゃつまらない、みんなが不安に思ってる時代だからこそ、人の優しさが大事になってくるとか、思いやりだったとか、人の状況を想像したりするってこが大事になってくる。
自分ばっかりだったり、誰かを攻め立てずには居られなかったりってことしかない。「それだけの人間でいいのか?」「それだけの社会でいいのか?」って思っちゃう。歯の浮くような偽善をしろとは言わないですけど、人に文句ばっか言っててそれで1日終わってもつまらない。そういうのを我々1年半、2年も続けてるわけでしょう。
■時代性と無縁ではない コロナ禍制作した映画
映画はその時代性と全く無縁じゃないというか、実際この映画作ってる時も緊急事態宣言まっただ中の時に絵コンテ書いていた。抑圧された気持ちと、そこから解放されたいって気持ちが映画に詰まってるので、映画を見てる方にも感じて頂けてると思う。人の気持ち・優しさを感じられるような内容でもあるので、是非この秋にねこの映画を通して感じて欲しいなと思います。
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【細田守】「人間側の問題」ネット社会の“誹謗中傷”を語る…コロナ禍の最新映画に込めた思い
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