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世界が息をのんだ美しさ―ベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた壮大で幻想的な叙事詩『長江愛の詩』。
これは誰の記憶なのか――河を遡り、時が巻き戻る。現実と虚構、現在と過去が交錯する深遠なラブ・ストーリー。
2ヵ月前に死去した父親の後を継ぎ、古めかしい小さな貨物船、広徳号の船長となったガオ・チュン(チン・ハオ)。心のよりどころを失った孤独な文学青年である彼は、夜空に花火が上がる上海の船着き場で双眼鏡越しにひとりの女性を目撃する。さほど若くはないその女性は生活に疲れた様子だったが、ガオはなぜか胸のときめきを覚えた。翌日、ガオは機関室で錆びついた缶を発見し、一冊の手書きの詩集を手にする。「長江図」と題されたその詩集には、ガオの父親が20年前の1989年に創作した幾つもの詩が記されていた。
本作の最大の見どころは、ガオの旅を通して映し出される驚くべき絶景の数々である。下流の商業都市である上海や南京、中流の三峡ダムを経て、雄大な山々がそびえる上流へと移り変わる旅の幻想的な景色は、比類なき映画的スペクタクルを観る者に体感させる。ホウ・シャオシェン、ウォン・カーウァイといった巨匠とのコラボレーションを積み重ね、『春の雪』(05)では行定勲、『空気人形』(09)では是枝裕和、『ノルウェイの森』(10)ではトラン・アン・ユンと組んだ撮影監督リー・ピンビンの独特の感性が、遺憾なく発揮された大作となった。
2018年2月17日公開
古びた詩集「長江図」を辿ると必ず出会う女がいる/映画『長江 愛の詩』予告編
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