この度、介護、躁うつ病など、返還後の香港社会の問題を色濃く反映した映画『誰がための日々』の予告編が解禁となった。『インファナル・アフェア』のエリック・ツァンとショーン・ユーが出演している。
病室で父ホイ(エリック・ツァン)が息子とン(ショーン・ユー)の病状について話を聞いている。薬を飲んでいれば安定しているので、退院し社会復帰の時期だという説明だった。1年前トンは婚約者ジェニー(シャーメイン・フォン)と家を買い、将来を夢見ていた。しかし母(エレイン・ジン)がひどい火傷を負い、介護が必要となってから、会社を辞め一人で母の介護をしていた。
父は大陸と香港をトラックで往復していて家には寄り付かない。弟はアメリカに留学したまま、現地で就職・結婚し戻ってこない。母は思うようにならない苛立ちをトンにぶつけ、優秀だった弟ばかりを気に掛けている。ある日、介護の極限状態の中、トンはある事故を起こし、最愛の母を亡くす。裁判では無罪、しかし躁鬱病の診断で、措置入院となった。迎えに来た父を、トンは全く家を顧みなかったと恨み、父もまた病気の息子をどうしていいかわからず悩む。
予告編では父子関係が、母親役のエレイン・ジンの登場で更に明確にされ、父子の現状、そして未来が暗示されるような仕上がりになっている。新人発掘を目的とした政府の企画に民間団体が賛同し、設立された基金「首都劇情電影計画」の第1本目の作品である本作は、ウォン・ジョン監督に香港金像奨、台湾金馬奨で最優秀新人監督賞をもたらし、大阪アジアン映画祭ではグランプリをもたらした。撮影日数16日、製作費200万香港ドル(日本円で約3000万円)で撮影され、香港での興行収入は220万USドル(日本円で2億5千万円)という大ヒットを記録している。
内容的にも興行的にも素晴らしい結果を残す、新人をベテランが惜しみなくバックアップして製作される作品が、この基金から少しずつ生まれている。つまり本作は、新香港ニューシネマが起こりつつあるのではないか、と言われている、昨今多く見られる香港で作られる香港のための映画、の中の代表作であり、このムーブメントは本作から始まっているのだ。
原題:一念無明
英題:Mad world
監督:ウォン・ジョン
脚本:フローレンス・チャン
出演:ショーン・ユー、エリック・ツァン、エレイン・ジン、シャーメイン・フォン
『誰がための日々』は2019年2月2日より新宿K’s cinemaほかにて順次公開となる。
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『インファナル・アフェア』エリック・ツァンとショーン・ユーが躁うつ病に苦しめられる親子を熱演/映画『誰がための日々』の予告編
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