カンヌ国際映画祭で大きな話題となった旋律の実録系アクション映画『暁に祈れ』の、剥き出しの狂気の中にどこか詩的さを垣間見ることができるオープニング映像が解禁となった。
原作は、汚職や殺人が蔓延する地獄と呼ばれるタイに実在する刑務所に服役しながら、ムエタイでのし上がったイギリス人ボクサー・ビリー・ムーアの自伝ベストセラー小説。演じるのはジョー・コール。人気クライムドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』や、ネオナチの巣窟に迷い込んでしまったパンク・バンドの死闘を描く『グリーンルーム』など、幅広い役どころで活躍を続けているをこなしている俳優だ。
映像では、主人公ビリーが刑務所に収監される前のタイの闇ボクサーとして試合に臨む様子を捉えているが、薬漬けの生活を送るビリーの瞳孔は不自然に開き、試合を止めようとするセコンドや審判に襲いかかるなど自制の利かない凶暴性を垣間見ることができる。また、周囲の騒音が全く耳に入らず自分の呼吸しか聞こえていない「彼自身」が感じているであろう世界が度々挿入され、拳や体がぶつかり合う生々しい音も印象的。さらに、異常なまでにビリーを至近距離で捉えるなど、観る者がビリーと一体になっていると感じられる演出が随所に盛り込まれ、監督が本作で特に意識したという「没入感」を強く感じられる映像となっている。
この試合シーンも含め映画にたびたび登場する刑務所での格闘シーンは、ジャン=ステファーヌ・ソヴェール監督の強いこだわりにより、撮影においてジョー・コールはじめ出演者はカットをかけられることなく実際に戦ったといい、編集により細かく切られている。監督はそのようなハードな演出を行った理由について「撮影で格闘シーンをカットしなかったら本当に格闘しなければならない。私は嘘モノにはしたくありませんでした」と語る。こうした監督の高い要求に応えるために、ジョー・コールは、さながらボクサーと同じように肉体改造を行い、ほぼ毎日が格闘シーンだったという30日間のタフな撮影に臨んだ。そんな彼に対して監督は、「ジョーには本当に感銘を受けました。彼は私を信頼し、自分を本当にプッシュしてくれました。私がプロの俳優を起用する時は、自分が持っているものを全面的に演技に出してくれることを期待しますが、それは、試合に臨むボクサーも同じかもしれないですね。」と最大級の賛辞を送っている。
原題:A Prayer Before Dawn
監督:ジャン=ステファーヌ・ソヴェール
原作:ビリー・ムーア
出演:ジョー・コール、ヴィタヤ・パンスリンガム、ソムラック・カムシン、ポンチャノック・マーブグラン
『暁に祈れ』は12月8日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開となる。
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剥き出しの狂気とバイオレンスにのめり込め!/映画『暁に祈れ』オープニング映像
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