『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』ケン・ローチの原点というべき長編映画デビュー作が、53年の時を経てスクリーンに!夢と現実のはざまで揺れ動き、生き抜こうとするシングルマザーを静かなまなざしで見つめる感動作『夜空に星のあるように』。
2000年代に入り『麦の穂をゆらす風』(06)、『わたしは、ダニエル・ブレイク』(16)の2作品がパルムドール(最高賞)を受賞、80歳をこえて尚、新作を発表しているケン・ローチは、格差社会、貧困、人種差別といった社会問題を取り上げ、労働者階級やときに第3世界からの移民たちに寄り添った映画を撮り続けている稀有な映画監督である。
『夜空に星のあるように』は、そんなケン・ローチ監督の長編映画デビュー作である。すでにその一貫した視点やプロ、アマ問わないキャスティング、ロケ撮影中心、大胆なシーンの省略、即興性等、監督のその後の映画に見られる特長が顕著に表れている。
この度、解禁された予告編では、キャロル・ホワイト演じるシングルマザーのジョイが、恋人のデイヴと生活を共にする姿が描かれる。
幼い息子にも優しいデイヴとの、貧しくも笑顔あふれるあたたかい生活。しかし、デイヴの職業は泥棒だった。やがて捕まったデイヴは懲役12年を言い渡される。悲しみに暮れて裁判所を後にするジョイ。ロンドンの労働者階級街を、幼い子どもの手を引いて歩く姿と共に、ドノヴァンがこの映画のために提供したテーマ曲「Poor Love」が流れるのが印象的だ。そして、カメラは、今は取り壊され姿を消している集合住宅街やその街に生きる人々の姿をスケッチのようにとらえていく。現在まで一貫してイギリスの労働者を描き続けてきたケン・ローチだが、本作においても、ドキュメンタリーのようなリアルなまなざしで、市井の人々の姿を映し出しているのが予告編からも見て取れるだろう。「女に必要なのは男。そして子供」と語るジョイ。そして、予告編の最後のカットではジョイが「今の人生を幸せだと思わなきゃ」をカメラに向かって語りかけるシーンで終わっている。
夢と現実のはざまで揺れ動き、生き抜こうとするシングルマザーを、静かなまなざしで見つめる感動作が、53年ぶりにスクリーンによみがえる。
『夜空に星のあるように』は2021年12月17日公開
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労働者を描き続けてきたケン・ローチ監督の原点、長編映画デビュー作/映画『夜空に星のあるように』予告編
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