江戸時代の中頃、側用人・老中として権勢をふるった田沼意次。賄賂を横行させた悪人か、世を建て直した凄腕の政治家か、評価は大きく分かれそうですね。ところで江戸で活躍していた意次が、別の場所に「自分の城」を持っていたことはご存じでしょうか。それは相良城。駿河湾に面した静岡県牧之原市にあります。相良城は東西500メートル、南北450メートルの城域に本丸のほか複数の曲輪を配した城。天守(三重櫓)を中心に6基の櫓があがり、豪華な御殿が建てられていたと言われています。郊外にある般若寺には、相良城のものと言われる杉戸が残されています。相良城は意次が失脚した後、徹底的に破壊されてしまいました。石垣は崩され堀は埋められ、解体された建物の部材はすべて持ち去られてしまいます。まるでその存在を消し去ろうとしているかのようですね。そのため、現在はここに城があったことさえわからない状態となっています。相良城はどのような城だったのでしょうか。資料館の二階では、NHK大河ドラマ「べらぼう」の特別展が行われています。渡辺謙さんが演じる田沼意次は物語での重要人物。衣装などが展示されています。「御地頭様御入国萬覚」を参考に、意次が相良を訪れたときのルートをたどります。相良城下の大澤寺の本堂は相良城が破却された数年後に建てられたものと伝わります。本堂の床下にある相良城の建物に使われていた部材。田沼の痕跡を残さぬようすべて持ち去られたはず。ですが、不思議とどこかに隠され、その後こんな目立たない場所にひっそりと使われていたのです。これはいったい何を表すのでしょうか。田沼家の祈願所だった浄心寺には江戸で獄死した平賀源内の墓があるとのこと。意次候がひそかに相良にかくまったという話があります。湊橋から始まる田沼街道ははじめからそう呼ばれていたのではなく、後世になって意次候の功績をたたえる人々によって付けられた名前と言われています。
「べらぼう」田沼意次お国入り「相良城の痕跡は見つかるのか?」
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