スイスの駅には、日本のような改札がない。列車のチケットは持っていなくても駅の構内に入ることができる。観光地では始発、終着の駅舎がない路線も存在する。
約160年の歴史があるスイス鉄道の総延長距離は約5200キロ。国鉄が約3000キロで、私鉄が約2200キロ、私鉄各社が共同で路線を運行しているケースもある。国土は日本の九州とほぼ同じ面積だが、くまなく路線が整備されており、路線密度では世界一となっている。
スイス国鉄の客車は2種類、1等と2等がある。1等車は2列と通路をはさんで1列の計3列。2等車は、両窓際に2列あり計4列のシートとなっている。ほかに、自転車専用の車両やキッズルームを備えたファミリーカー、食堂車などがある。
列車に乗り込み発車時間を待っていると、音もなく車窓の景色が動き始める。出発のアナウンスや発車ベルはない。定刻になると、予告もなく静かに動き出すのだ。しばらくすると車掌が乗車券の確認にやってくる。乗車券がない場合、その場で購入は可能だが、少し割高になる。ローカル線などでは、車内検札のない列車もある。目玉のマークが車両についており、調査官がたまに抜き打ち検査を行う。乗車券が無い場合、その場で80スイスフラン(約7000円)の罰金を払うことになる。
列車の扉は、利用者が開けるシステムになっている。駅に停車する直前でまだ動いているとき、なんとボタン開閉式の自動扉でも開けることができる。うっかり押してしまったら転げ落ちてしまうので、十分な注意が必要だ。列車がしっかりと停止したことを確認して、指の先が曲がってしまうほど、強い力でボタンを押してしまう。開かなかったら、という気持ちがつい、力を込めてしまう。軽く押しても開くのだが。少しだけだが、扉の開け閉めをする車掌さんの気持ちを味わえる。
駅のプラットホームは日本と比べて位置が低い。地面とほぼ同じ高さの場合もある。こんなに大きかったのか、と改めて列車の大きさに驚いてしまう。あまり真近で見ることのない車輪の付いた台車が視野に入る。意外にシンプルな作りだ。列車を眺めているだけでも直ぐに時間が過ぎてしまう。
ほかの公共交通も充実している。バスは総延長距離が13000キロ、湖船・ボートは1200キロ、スイス観光の主役、登山鉄道やケーブルカー、ロープウェイなどの山岳交通は1100キロにも及ぶ。
アルプスの雪解け水を蓄える湖に快走する蒸気船から、都市間を高速で移動する重厚な特急列車まで、多種多様な公共交通が存在するスイス、鉄道マニアはもとより乗り物ファンにはたまらない国だろう。
鉄道大国スイス、乗り物大集合
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