東日本大震災が発生して程なく、被災地で救助・救援活動を続ける自衛隊、海上保安庁、日本赤十字社、東京消防庁などから現地の惨状を克明に記録した映像が続々と時事通信社に届けられた。時事ドットコム編集部ではいち早く素材を編集し、動画コーナーにアップしてきた。
今回、震災発生から1年を迎えるにあたり、動画で複数放映した東北地方の太平洋沿岸部にある宮城県石巻市、気仙沼市、仙台市、岩手県陸前高田市を訪れ、復旧・復興の状況を編集部のカメラに収めてきた。
まず向かったのは、地震により地盤沈下が発生し、高潮の時期には、街の至るところで冠水被害の出た石巻市。訪れた時、冠水場所は見当たらなかったが、海岸寄りのマンホールからは、途切れることなく水が湧き出ていた。市内は復旧作業の真っ只中で、海に程近い住宅地では、大破した家屋をパワーショベルが取り壊し、がれきをダンプカーが運搬。海沿い道路の中央分離帯には、水産加工業者の製品が描かれた巨大タンクが横たわり、タンクが流される前に設置されていた店舗には、山積みになった缶詰が、そのままの状態で残されていた。
次に仙台市宮城野区の湾岸地域、市中心部から車で10数分程の場所にある下水道処理施設を訪れた。津波が押し寄せた時、鉄橋の架けられた用水路が濁流となり、海岸方面の建物に波が激しく打ちつける模様を同施設の職員が撮影。震災発生から約3週間後、津波の恐ろしさを物語るこの映像が編集部に提供された。夕暮れ間近、付近に到着。用水路と鉄橋が望める場所に立ち、当時の様子を思い浮かべながら撮影した。水面には橋が映り、荒れ狂った黒い海水があふれ出ていたことなど想像もできないほど、穏やかに水が流れていた。
2015年に発行される復興事業記念貨幣のデザインに選ばれた「奇跡の一本松」がある陸前高田市は、見渡す限りの平地となっていた。一部コンクリート製の建物が残り、がれき、土砂を積み上げた山が幾つか見える程度。ここに、本当に街があったのかと思ってしまうほど、酸鼻な光景に変貌していた。慌ただしく作業する重機のごう音が、復興ののろしを上げるがごとく、各所で勇ましく鳴り響いていた。
大津波が船舶を押し流し、街を飲み込んだ気仙沼市では、大小の船が陸に打ち上げられたままとなっていた。大きな漁船の近くには、観光バスが停車し、カメラを構える人の姿も。街中では依然、損壊した家屋が残り、重機が慌しく動いていた。一方、復興への着実な足取りも見られ、市街地にはラーメン屋、居酒屋、八百屋などが入る復興屋台村が幾つか営業し、港近くの鮮魚店では、数多く並べられた海産物を前に、売り文句が威勢良く張りあげられていた。
東日本大震災から1年、復旧作業が続く被災地
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