果てしなく続くサバンナに約80種もの野生動物が息づき、人類発祥の地とも言われる東アフリカのケニア。かつてハンティングの対象となった「ビッグ5」と呼ばれる大型野生動物(ゾウ、ライオン、サイ、バッファロー、ヒョウ)が同時に見られる世界有数の国だ。
国立公園や国立保護区、動物保護区は約60カ所を数え、まさに「野生の王国」と言う名がふさわしい。
アンボセリでは、伝統的な儀式や慣習を守り続ける誇り高きマサイ族の村を訪れた。村に到着すると、男性が一人ずつ垂直に飛び跳ねる独特の跳躍ダンスと女性グループの歌で迎えられた。
一族の姓は「イッセリア」。「アラシティ・ビレッジ」と呼ばれるこの村には4家族456人が暮らしていた。マサイ族は一夫多妻制で、91歳になる村の長老は7人の妻を持つ。家屋は、女性が数カ月かけて建てる。材料はアカシアの木や牛の糞で、60軒以上が並んでいた。
マサイマラでは早朝、バルーン・サファリに参加した。夜明け前、暗闇の中をロッジからサファリカーで離陸場所までひた走る。ほおを突き刺す冷たい風。現場では、地平線が赤く染まっていくにつれ、バーナーで熱風を吹き込まれたバルーンがどんどん膨らんでいた。
上空から見たマサイマラの草原は格別だった。大地を縦横無尽に駆け回る野生動物の姿と一本の線になった足跡。朝日を浴びながらの1時間超の「空の散歩」はまさに夢見心地だった。
ケニア野生紀行=アフリカの大草原を見下ろす空中散歩で夢心地
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