2020年東京五輪のメーン会場となる新国立競技場の建設費が、2520億円まで膨れ上がった問題が注目を集める中、競技場のデザインを選考した審査委員会で委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏が16日、東京都内で記者会見し、「2014年の段階で概算工事費が1625億円と発表された。それが2520億円になり、もっと下がらないかと私も聞きたい。一人の国民として何とかならないかと思う。これは調整しないといけない」なとと述べ、建設費を下げるべく、関係者が努力を続けることを求めた。建設費膨張の問題がクローズアップされて以降、安藤氏が公の場でコメントしたのは、これが初めて。
安藤氏は「デザインを選んだ責任はもちろんある」としながらも、審査委員会の実質的な役割は、デザイン案の選考であり、基本設計の前の段階で終わっていると強調。当初予定された1300億円から大きく膨らんだことについて、物価上昇などに伴う上昇分は理解できるものの、それ以外の大幅なコストアップにつながった項目の詳細については承知していないと説明した。
国民からの反発を受け、政府が建設計画の見直しに着手した点について、「2520億円というのは、調整しなくてはいけない。それが国民の気持ちだ」と理解を示す一方、審査で案を選んだ建築家ザハ・ハディド氏について、「ザハさんを選んだ以上、国際協約から言ってその人を外すことはできない。そうすれば日本が国際的な信用を失う」との見解を示し、ザハ氏とも協議しながらコスト削減に向けて努力するべきだとの考えを強調した。
また、建設事業者に向け、「ゼネコンのプライドだと思う。もうからなくても、日本の誇りのためにと思ってもらえば、うまく行く。総力を挙げ、日本の国のためだと思ってもらわないと」と要望した。
一方、五輪の前年の19年のラグビー・ワールドカップに間に合わせようとすることが、スケジュールの上で建設計画の見直しを難しくしているとの指摘があることについては、「選考の段階では、まず五輪のことを考えたが、前年のラグビーのことも知っていた。もしできるのであれば、両方できた方がいい」と語った。
ザハ氏の案を選んだことについては「非常にダイナミックで、流線型で斬新。何よりもシンボリックだった」と説明。「五輪招致で東京に勝ってほしいという気持ちが(アピール力のある)あの案を選んだことにもつながった」としながらも、「(審査は)アイデアのコンペであり、(実際に建設にかかる費用など)徹底的なコストの議論にはなっていなかった」と明かした。
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「コスト削減へ調整求める」=国立競技場デザイン審査委員長の安藤氏
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