生産者の生き様に惹かれて長崎県から北海道へ移住!雑誌「northern style スロウ」女性編集者
飲食業界全体が苦境に立たされている今、地方の生産者たちも悲鳴をあげています。
彼らの声に向き合ってきたある雑誌の編集部が「北海道物産展」のウェブ版を立ち上げ、この事態を乗り越えようと奮闘しています。
石田まきさん、25歳。雑誌「northern style スロウ」の編集者です。
2004年に創刊した「スロウ」。北海道内の生産者をその生き様まで深く取材した記事は、北海道に旅行に来た観光客の心も惹きつけます。
石田さんもそのひとり。はるばる長崎県から、「スロウ」の編集部に入るために北海道帯広市へ移住してきました。
石田さん:「大学生の時に何回か北海道に遊びに来ていて、宿に”スロウ”が置いてあって、そこで読んだのが一番最初のきっかけ」「取材先の方、生産者さんだったりとか、一回限りの関係性じゃなくて、何か新しいことを始めただったりとか、ずっと追える」
そんな石田さんが今、心を痛めているのが、新型コロナウイルスの影響で作った商品を販売する場を失った生産者たちのこと。その一人を訪ねました。
帯広「あいざわ農園」山ぶどう使った色鮮やかな“ぶどう塩”…しかし今は「売上ほぼゼロ」
帯広の山ぶどう農家「あいざわ農園」。
相澤さん:「子供の頃におばあちゃんがぶどうジュースやワイン葡萄酒つくって飲ませてくれたんだよね。それがずっと忘れられなくて」
自然に近い状態で栽培している山ぶどうからジュースを作っているのですが…驚いたのは、この商品。
鮮やかな山ぶどうの紫色がそのまま表現された、ぶどうの塩。
作るにはかなりの手間がかかるんです。まず、山ぶどうジュースに塩を混ぜ、火にかけながら4時間もの間混ぜ続けます。煮詰めたら、バットに移し、さらに、機械で乾燥させること12時間。
相沢さん:「できあがった塩は自信もって出せますけど、作ってるときはくそったれって(笑)」
果実の酸味と甘みを感じる塩は、白身魚に乗せて鮮やかさを演出したり、スイーツにかけると、より甘さを引き立たせる効果も。
しかし、丹精込めて作っても、今、その商品を手に取ってもらう場がありません。
相沢さん:「うちの製品を販売して頂いてる販売所、デパートとか空港、ほとんどお客さんがこなくて、ゼロに近い。売り上げとしては」
石田さん:「買ってくれる方とコミュニケーションを大事にしたいって思ってる方がすごく多いので、その手段がなくなっているのは私たちとしても見ていて苦しいというか、なんとかしたいという思いが」
その商品がどれだけ魅力的か、取材を通して知り尽くした編集部が、ある行動に出ました。
飲食店の営業自粛で自慢の短角牛の出荷量激減「コロナが終わるまでは何が起こるかわからない」スロウ編集部が立ち上げたWeb版”北海道物産展”で生産者たちを救う
取材で向き合ってきた生産者たちから聞こえた悲鳴。
石田さんたち、スロウ編集部が立ち上げたのは、Web版の「北海道物産展」。生産者に代わり、そのこだわりを文字で丁寧に伝えています。
「スロウ」誌面で特集した、襟裳岬で「(短角)牛」を育てる、高橋ファーム。肉を卸している飲食店は営業自粛で、出荷量が激減しました。
高橋さん:「牛はどんどん成長してしまいう。今までの付き合いで、どういう肉かは理解している人たちはいる。コロナが終わるまで何が起こるかわからない」
自慢の「短角牛」は赤みが多く、脂はあっさりしているのが特徴です。
高橋さん:「噛むほどに味が出る、飲み込むのがもったいないと言ってくれる人もいる。一度食べてみたら違いがよくわかるので楽しんで頂きたい思います」
また、標茶町の「ポロニ養鶏場」でも、大事に育てた鶏の卵が大量に余っているのだそう。
ここの有精卵から作られたシフォンケーキ。力強い卵白がお菓子作りに適していて、特別ふんわりと仕上がるんです。
石田さん:「効率とか合理性から離れたところで…でも、もっと大事にしたい物があるんだっていう方たちが作っているものとか、そういうのを取材したいなっていう思いがあります」
Web版“北海道物産展”で悲鳴上げる生産者救う!北海道に魅せられ移住した雑誌編集者 (20/05/02 12:00)
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