集団感染が発生している札幌市の介護老人保健施設「茨戸アカシアハイツ」では、病院に搬送されずに死亡する入所者が相次いでいます。
入所していた母親を亡くした男性が無念の胸の内を語りました。
入所中の母親を亡くした男性:「あんなにいっぺんにバンバン、バンバン出るのおかしいもの。心の中では随分出てくるなと、何も処置してないんじゃないかと」
入所していた母親を亡くした男性です。介護老人保健施設「茨戸アカシアハイツ」では入所者66人、職員21人の計87人が新型コロナウィルスに感染。感染しても入所者の多くは入院することができず、施設に留まっていました。
病院に運ばれることなくここで亡くなった人は11人に上ります。
福田 真奈 ディレクター:「入院先が決まったんでしょうか、いま担架で搬送されていく人がいます」
最初に入所者の感染が確認されてから2週間以上たった先週から、ようやく入院が進み始めました。
母親を亡くした男性は、その死に疑問を抱いています。母親の感染が判明したのは先月29日のことでした。
入所中の母親を亡くした男性:「『食欲もあるし、熱も最初で37.5度くらい出たけど、次の日には下がった』という話だった。PCR検査で陽性になった最初の1日~2日は連絡が来たけど、それから10日くらいは連絡がこなかった」
月に1、2回は母親のもとを訪ねていた男性。2月からは感染防止のため家族の面会も止められ、しばらく会っていませんでした。
気をもむ中かかってきた10日後の電話。それは「容態が急変した」との知らせでした。
入所中の母親を亡くした男性:「会話はできなかった。もう食欲がなくなって栄養剤しかどうのこうのって時に、係の人が携帯持って、自分の携帯だと思うんです。『ちょっと声かけてあげてください』って僕に言ってきて、受話器を持っていって、声を母に『がんばれよ、大丈夫だから』って声掛けをして。
その状態は僕らには見えないので、係の人が『はい、はいって返事してますよ』っていうような形だったんですよね。それから2日くらいして、亡くなる前の日にまた電話がかかってきて、『下半身がものすごく冷たい。今度は携帯のテレビ電話にして見てやってください』と言われて、携帯に映った顔見て声掛けをした。その次の日の夜明けに亡くなった」
薬を投与しているなどの報告はありませんでした。施設の関係者によると 重篤化した場合に必要な人工呼吸器はなかったと言います。
なぜ入院し治療を受けることができなかったのでしょうか?
これは母親の誕生日の写真です。担当の介護士たちとは家族のように付き合ってきました。感染の危険がある中、現場は死の間際まで全力を尽くしてくれた。そう信じたいと思っています。
入所中の母親を亡くした男性:「普段の状態を見てると介護職員は皆いい人、親切だし」
男性の妻:「コロナへの対策が甘かったのかなっていうのは、何となく感じる」
入所中の母親を亡くした男性:「それがアカシアの責任なのか…。テレビ電話の状態見ると、ベッドに横たわって酸素吸入しているだけの状態なんだろうと思う。不信感はある。どういう状態で置いてたんだろう、ちゃんと治療はしていたんだろうか。その結果(の死)なのだろうか…」
なぜ、入院して治療を受けられなかったのか?どうして施設で息を引き取らざるを得なかったのか?男性は納得できる説明を求めています。
「ちゃんと治療はしていたのか」入院できず死んだ母へ"遺族が語る無念"…隔絶されたクラスター老健 (20/05/18 19:53)
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