記録的不漁が続く旬のサンマ…。そして函館で見つかった大量の死んだイワシ。北海道の海でいま何が起きているのでしょうか?
北海道南部の函館で9月1日に見つかった異様な光景…
海一面を埋め尽くしているのは、死んだ「イワシ」です。
函館市の担当者:「数えたら…何万匹ってイワシですから…」
Q.何が原因?
回収する作業員:「水温か…酸欠。イナダが(外洋に)たくさんいて、港内に群れが逃げてきている。水温が高くて酸欠で死んでいる」
一夜明け、波風でイワシの死骸は海岸に集まり、それを狙って大量のカモメやカラスが群がる様子も。
佐藤 健 カメラマン:「魚が海に浮かんでいる量はきのうと変わりませんが、腐敗しているのか腐った臭いが立ち込めています」
2日もイワシの死骸の回収作業に追われていました。
函館市の担当者:「きょうは気温があがって(イワシが)くさい」
腐敗を防ぐため、担当部署の職員総動員で作業は急ピッチで行われ、専門家も現場の確認に訪れました。
北海道大学 桜井 泰憲 名誉教授:「(エラが)真っ白だ。エラが白いと酸欠。普通は(エラが)赤い。函館でこんなことが起こるの初めて。偶然マイワシの大きな群れが来ていて、水温も非常に高くて、なおかつ湾の中にまとまって入る状況。非常に珍しい現象」
市によりますとこれまでに約10トンを回収しましたが、船の隙間など取り切れなかった分は、3日も作業が続くということです。
一方、北海道東部の根室でも旬のサンマに異変が…
この日は、56トンと過去最悪の不漁だった2019年の同じ時期と比べても漁獲はわずか1割…
漁師:「全然いないよ。40年以上船に乗っているが、初めて」
記録的不漁の背景にある“海の異変”とは…
イワシの謎の大量死に、サンマの記録的不漁…。北海道の海を襲う異変の原因は一体何なのか?
これは気象庁が9月1日に発表した海水温の最新のデータ。
ピンクのゾーンが30℃、赤からオレンジが27℃から24℃。
そして北海道太平洋側の大半が21℃を示す黄色のゾーンにかかっているのがわかります。
菅井 貴子 気象予報士:「北海道近海の海面水温。平年に比べて高いか低いかを表す図。全道的に赤くなっていて平年より高い」
特に函館では3℃近く、道東沖でも4℃から5℃も高い海域があり、魚への影響も大きいといいます。
菅井 貴子 気象予報士:「海水温1℃高いと魚にとっては10℃に匹敵するので、(水温は)30~50℃高くなる。お魚にとってはお湯の中のような環境かもしれない」
実は海水温が高い傾向は、年中続いています。
これは2019年10月から8月30日までの道東沖の海面の状況を示したグラフ。
赤く囲ってあるのが暖かい水の塊、通称「暖水塊」です。
冬を越し夏を迎えても道東沖に居座り続けているのがわかります。この異変に専門家は…
水産資源研究所 寒流第1グループ 黒田 寛 グループ長:「これが暖かい水『暖水塊』の根っこ。サンマは冷たい水に沿って漁場ができているので、暖水塊を迂回するようにサンマが南下する。例年よりも漁期が遅れるのではないか」
実は2020年、サンマが好む栄養分豊富な冷たい水「親潮」自体は、ここ数年で最も日本の沿岸に近い場所にあります。
このため道東沖の暖水塊がなくなれば、より親潮が沿岸に近づきサンマの漁獲も増えるはずなのですが…
「ある魚の存在」が不漁に追い打ちをかけているとみられています。
水産資源研究所 寒流第1グループ 黒田 寛 グループ長:「本来サンマがいる水温帯にサンマがいない。さらに低水温側にいる。本来サンマがいる場所にマイワシがいるみたいで…。サンマとマイワシの分布はオーバーラップしない。引っ越しているというか、逃げているというか、(イワシを)嫌がって場所を変えている」
函館ではイナダから逃げてきたとみられるイワシが大量死…。
道東沖ではそのイワシから逃げるように、サンマがより沖合に生息域を変えているとみられています。
北海道を襲う海の異変が収束する日は来るのでしょうか。
サンマ記録的不漁&イワシ大量死は密接に関係か…「まるでお湯」異常に高い"海水温"が異変の背景に (20/09/02 19:55)
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