「間借り」。一般的に、家の1室を借りて住むことですが、お店でもこのような業態があるんです。
いま、飲食店の営業時間外に別の飲食店が店舗を間借りして営業するスタイルが注目を浴びています。背景には新型コロナウイルスの影響がありました。
札幌・ススキノの寿司店「おしどり」。16席の小さな店で午後6時に開店します。寿司を握るのは小林裕二さん。新型コロナウイルスの影響で、売り上げは2019年の3割にまで減った時期もありました。
午後10時。店の名前が「おしどり」から「いとドリ」に変わりました。明るい照明の寿司店から落ち着いた雰囲気の居酒屋へ。厨房に立つのも伊藤浩昭さんに変わりました。週末を中心に、寿司店の営業終了後間借りしているのです。
常連客:「すごくおいしい。寿司もおいしいが、味の濃いものを食べたくなる。また違う種類のお酒をたくさん飲めて、帰るころにはいつもベロベロになる」
店の名物は、ワインにも合う「もつ煮込み」。寿司とは随分違ったメニューです。
八木 隆太郎 アナウンサー:「甘みとコクがあって、ご飯にも合いそうですがワインにも合うような。奥深い味でおいしいです」
なぜ、このような間借り営業を始めたのでしょうか?背景には全国で3番目に多い、北海道の新型コロナ関連倒産の影がありました。
ススキノの寿司店「おしどり」に間借りするもつ煮の「いとドリ」。伊藤さんが間借りを始めたのは8月のことです。自分の店を出そうと準備を進めていたのですが…。
いとドリ 伊藤 浩昭さん:「新型コロナウイルスの影響で開業がままならなくなり、見通しが立たない中どうしようかと思っていたら、おしどりの小林さんが『間貸しをするから自分のやりたいことやってみないか』と」
新型コロナウイルス関連の倒産は全国で500件に上ります。そのうち北海道は25件と東京・大阪に次ぐ3番目の多さです。中でも飲食店が最も大きな影響を受けているといいます。このような厳しい環境の中で新規出店はリスクが高かったのです。
いとドリ 伊藤 浩昭さん:「店を持つと初期投資・家賃・光熱費・人件費など経費が掛かるが、間借りは低く抑えられる。間借りで可能性を模索し、負担を少なくして展開を検討できるメリットがある」
借りる側だけではありません。貸す側にも大きなメリットがあるんです。貸主の寿司店「おしどり」の小林さんは…。
おしどり 小林 裕二さん:「他業種や違う価格帯の店と組むことによって、今まで寿司屋に来ていた客と違う客が来るようになった。今度、『おしどり』に行ってみようと、相乗効果で売り上げが伸びている」
「おしどり」に間借りしている店は他にもあります。「ヨルドリ」というイタリア料理の店です。寿司店で出る魚の切れ端などを洋風にアレンジしています。間借り営業が、食材の無駄をなくすことにも繋がっているのです。
このような飲食店の間借り営業は、首都圏を中心に増えているといいます。物件紹介サイトを運営する西浦明子さんは…。
「magari」を運営する 西浦 明子さん:「コロナ禍で家賃の負担が重くのしかかることが明らかに。リスクの少ない間借り形態で始めようという人が増えている。夏場にかき氷専門店を2~3か月限定で出店する人も。長期で店を借りるよりも、客の反応を見ながら間借りで、ニーズがある時だけ出店することも可能」
アフターコロナを見据え、店舗を有効活用する間借りスタイルが広がっていきそうです。
寿司店→もつ煮屋→イタリアンへ…増える"間借り"飲食店 経費抑えフードロス減も #コロナとどう暮らす (20/09/13 12:30)
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