理由もなく家庭に保管されている不要品の総額は44兆円――。「隠れ資産」とも呼ばれ、巨大なマーケットに成長したリユース市場で、札幌から全国展開する「ニーゴ・リユース」は楽器やオーディオ、カメラに特化しています。運営会社のアンドトランク株式会社の代表取締役 木原将平さんに"商品を絞る戦略"を選んだ経緯や狙いを聞きました。
|運命を変えた"免停" 中古パーツの販売へ
――出身は?
札幌市です。小学校、中学校時代はサッカー部に所属していました。高校時代は、ガソリンスタンドでのアルバイトに明け暮れていました。
――子どものころの夢は?
高校生の頃から、社長に憧れを抱いていました。しかし、漠然とした想いがあるだけで行動していませんでした。
周りにいる人が就職し始めていたので、焦りを感じていましたが、「一緒にやらないか」と声を懸けてくれたので中古車販売会社の社長に声をかけられ、就職しました。
しかし、その社長がある事件で逮捕されてしまったので、1人で働くことに。朝、留置場に面会に行き、アクリル板越しに指示を聞いて働くという生活を半年ほど続けました。
社長が実刑になり、働く場所がなくなってしまいました。そこからは友達の紹介で、車の買い取り専門店に入社しました。
――どのような仕事を?
再就職した直後に、運転免許が停止処分となってしまいました。車の買い取り専門店に勤めているのに、免許がないとどうしようもない。
社長に告げると「やれることあるからおいで」と言われ、タイヤやホイールなど車の中古パーツを販売する仕事を任されました。
「ここにあるもの全部売っていいよ」と言われたので、車からパーツを外して売っていました。ガソリンスタンドで働いた経験もありタイヤを扱うことには慣れていたので、初月で100万円ぐらい売りましたね。
――念願の車を売る仕事にはたどりつきましたか?
免許停止の処分の期間が過ぎ、車の買い取り販売をしようと思っていた矢先、社長から「将来何かやりたいことあるの?」と言われました。
「社長になりたいです」と伝えたら、「じゃあ社長になればいいじゃん」と。そこから、中古パーツ販売の事業を分社化して関連会社の社長にさせてもらいました。
|総合リユース業で起業 "高額商品"に絞り再スタート
――起業したのはいつですか?
関連会社の社長を9年間務めました。グループ会社は少人数の社員から300人以上の社員を抱える会社に成長していました。
僕の会社も30人以上の社員が働く環境になっていました。自信をつけ、30歳で独立しました。
――事業内容は?
買い取り事業をしていた時は、車庫の中に買い取りによく行きました。車庫の中には、使っていない家具や家電を置いている家が多く、「まだ使えるのにもったいない。ネットで売れるのでは」と思い、総合リユース業として独立しました。
――上手くいきましたか?
うまくいかなかったです。集まる商品はどれも低価格なものばかり。忙しいが、なかなか売り上げがあがらない状態が続きました。
――売り上げをあげるために、どのような策を考えましたか?
総合リユース業はトータルで2年間続けましたが、経営も悪化。その状況を打破するために、3年目で高額で売れるオーディオと楽器専門買い取り店に業態変更しました。
――効果はありましたか?
単価はかなり上がり、商品数も増えました。オーディオや音楽が好きな社員が多く入社しました。知識が豊富なスタッフが集まり、専門性がさらに高まったのが一番良かったことですね。
|「満足買い取り」全社員と理念共有
――オーディオは良いものだと、どのくらいの価格がつきますか?
1件の家で500万円を超えるような買い取りもあります。たとえば、遺品として残っていて価値が分かっていない場合もありますし、50年前のカメラが数十万円単位で買い取りするケースもあります。その商材を話したい人も多いです。
――事業展開は?
北海道で創業し、2店舗目は福島県と、徐々に道外に進出していきました。現在は8拠点、25都道府県で出張査定しています。
――拠点を増やす上でポイントは?
広告を出し集客をしています。東名阪はマーケットが大きいうえに広告費も上がってしまいます。そのため、東名阪をあえて外して北海道から九州まで地方に出店しています。
――力をいれて取り組んでいることは?
サービスをどのように提供するかが一番重要だと思っています。
出張査定で事業を展開しているので実際にどのような手順や接客しているか分からないことも多いです。そのため、組織の形成やミッション・ビジョン・バリューの理念の浸透に力を入れています。
――理念の浸透には具体的にどのようなことをしていますか?
月1回、理念共有をしています。査定をする上で、「満足買い取り」というバリューを掲げています。全社員オンラインでつなげ、共有しています。
1~2年オンライン会議を続けてると、掲げている理念が社内全体の共通言語になっています。時間はかかるけど、意味はあると思っています。
|47都道府県 "事業拡大"目指す
――将来の展望は?
オーディオ・楽器・カメラの「二―ゴ・リユース」としては、25都道府県でサービス提供しています。47都道府県に拡大していきたい。
――市場の見通しは?
リユース品の隠れ資産は、日本国内に44兆円あると言われています。さらに毎年7兆円ずつ増えているようです。まだまだ買い取れる物はあると思います。
――価値あるリユース品を見つけるためには、スタッフの育成が必要ですね。
嗜好品は知識が豊富なスタッフに査定してもらいたいというお客様の思いが強いので、そこは大切にしていきたいです。
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"家庭に眠る隠れ資産44兆円"リユース市場 オーディオやカメラに特化「ニーゴ・リユース」木原将平さん #BOSSTALK
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