従来の小学校と中学校の境目を無くして9年間の義務教育を1つの学校で過ごす「義務教育学校」が道内でも増えています。
子どもたちの学び場の新しいカタチを取材しました。
丹治 和仁 さん(33):「子育てをするなら自然が多い環境がいいと思って。北海道中色々見て回って最終的に当別町に決めた」
当別町に暮らす丹治和仁さんは妻のあかねさん、長女の愛葵ちゃん(4)長男の賢政くん(2)の家族4人で自然の多い環境を求めて江別市から2022年5月に移住してきました。
丹治 和仁 さん:「天然の床を使っているので匂いがすごく木の匂いがして。足触りもお風呂上りとかすごく気持ち良い」
丹治さんが暮らすのは、町営住宅COCOTTO。
教員向けの住宅を子育て世帯向けにリノベーション。
68平米・3LDKの室内は道産木材をふんだんに使うことでぬくもりを感じさせる空間に変わりました。
丹治さん:「クローゼットが動くんですよ。ここで壁にすることができる」
さらに部屋の裏には家庭菜園も備えています。
同じ賃貸住宅に住む子供たちも同年代が多くいます。
移住先を決めたきっかけには、子どもたちへの教育もありました。
丹治 和仁 さん:「田舎のほうに行くと古い学校があるイメージが自分たちはネックだった。当別町は去年完成してすごく中もキレイだった。こういった環境で子供たちも明るく育ってくれるのは魅力の一つ」
丹治さんの家の隣に2022年できたばかりの学校「とうべつ学園」。
この学校はこれまでにない学校として現在注目を浴びていました。
井戸 和也 記者:「とうべつ学園の下駄箱に来ていますが、普通の学校であれば6年生で終わるんですが、なんとこちら、7年生、8年生…そして9年生まであります」
1年生から9年生まであるとうべつ学園とは、いったいどういったものなのでしょうか?
当別町立とうべつ学園 吉村 公孝 校長:「従来は小学校を卒業してから中学校と義務教育が行われます。小学校と中学校を合わせた義務教育。9年間をつかさどる義務教育学校になります」
(Q:メリットは?)
当別町立とうべつ学園 吉村 公孝 校長:「小学校から中学校への行く際の段差。一般的には”中一ギャップ”という、学習の仕方が変わるとか、先生とのかかわり方が変わるとか。生活の変化が義務教育学校になることで滑らかになると思う」
中1ギャップとは、小学校から中学校へと環境が変わったことになじめずに不登校やいじめなどの問題が出てくること。
授業ごとに先生が変わることや定期テストのための予習復習、部活動の上下関係や新しい人間関係になじめないなどがあてはまります。
とうべつ学園では、1年生から9年生までを一貫教育することで中1ギャップを解消できるとされています。
実際に今年中学校1年生の年になった7年生に話を聞くと
荒 百香 さん:「(Q中学生になった実感は?)特にないんですけど服装が変わったなと思いました」
東方 航也 さん:「教室も横にずれただけで先生も知った人が多いので実感がない」
中学生になったことに対してギャップを感じることはないといいます。
中1ギャップを感じることがないとうべつ学園の取り組みは校舎の作り方からも現れていました。
当別町立とうべつ学園 吉村 公孝 校長:「開放感のあるつくりになっています」
とうべつ学園では、1階は1年生、2階は2年生から4年生、3階は5年生から9年生と教室が分かれています。
そこには、9年間での教育の違いがあるといいます。
当別町立とうべつ学園 吉村 公孝 校長:「成長の一つの区切りを1~4年生、それから5~7年生、8・9年生と分けている」
これまでの義務教育では小学校の6年間と中学校の3年間で分けられていました。
しかし、とうべつ学園では4年生までを基礎期、5年生から7年生までを充実期8・9年生を発展期と分けて考えています。
実際に6年生の授業風景にとうべつ学園ならではの光景が広がっていました。
6年生に英語を教えているこちらの先生。
実は、普段は中学生を教えている先生なんです。
とうべつ学園では英語や理科、音楽などは5年生から中学校の先生が担当していました。
6年生の担任:「5年生の時から中学校の先生に教えてもらうことで自然と後期課程(中学校)に迎えるのをみていて感じます」
全校生徒およそ500人をまとめる生徒会。
6歳から15歳までがともに一つの行動をとるのはこれまでとは違った難しさを感じているといいます。
とうべつ学園 生徒会長 髙橋 凛 さん(14):「ものすごく大変です。何においても大変で、コロナ禍もなくなったので集会が多くなってきたので1年生から9年生まで体育館に集まる。最初に整列させたり大変です。私の場合は小さい子と一緒に下校したりするけど、そういうときに出てくる話もアンパンマンとかトーマスとかそういうものになるので、家に帰ってそういうのを調べたりします」
9年間をともにするとうべつ学園では低学年に対して先輩ではなく家族として接することを意識しているといいます」
とうべつ学園 生徒会長 髙橋 凛 さん:「みんなからみたらお姉さんなので。自分も2歳下の妹がいるから妹と一緒にいる感覚でもあり。家族みたいな接し方ができるので楽しいです」
こうした義務教育学校は北海道では年々増えており、いまでは20校になっています。
その背景には街の未来を担う期待も含まれていました。
札幌から車でおよそ1時間の当別町で去年から始まった小中一貫教育の義務教育学校。
設置された背景には人口減少という問題がありました。
当別町 後藤 正洋 町長:「30代40代の女性がもっと減っていって、人口1万人を切ると予想がさていて。町として存続できなくなる」
少子高齢化が進む当別町では2045年には、ピーク時の2万人の半分以下にまで人口が減少することが予想されています。
当別町では義務教育学校があることが若い世代へのアピール材料になると考えていて、とうべつ学園が出来てから周辺の住宅街では新築の家が徐々に増え子どもの出生数も年々上がってきています。
当別町 後藤 正洋 町長:「今年あるいは来年、今の勢いが続けば人口増に転じることも現実味を帯びてきた」
9年間を共に暮らすことで町への思いも育むことができる。
新たな学びの場がもたらす未来が注目されています。
【すくすく子育て】少子化進むニッポンで"人口増"へ 若い家族が増加 1~9年生まで小中一貫義務教育学校で"ぬくもり"あるマチ 北海道当別町
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