起業家の支援に力を注ぐ、不動産企画・開発ベンチャーの株式会社フルコミッション。2011年に創業して以降、札幌やメキシコでゲストハウスを運営するとともに、古いオフィスビルを改装し、新興企業が集まる拠点も提供しています。代表取締役の山崎明信さんにスタートアップ育成のポイントを聞きました。
|起業の理由…就職活動で目の当たりにした"地域格差"
――出身は? 学生時代をどう過ごしましたか?
生まれは新潟県。転勤族だったので、山梨県、三重県、長野県と転々としていました。高校3年生の時に、帯広市の高校に転校しました。
転校生だったので、男ウケするために面白い人でいようという気持ちで過ごしてました。札幌市の大学を卒業し、東京で就職。3年間不動産のディベロッパーとして働き、その後独立しました。
――ディベロッパーではどのような仕事を?
総合ディベロッパーだったので、分譲マンションを企画して建てて売ったり、ビルをコンバージョン(用途変更)してシェアオフィスにしたり、シェアハウスを住宅にしたり、いろいろなことを経験しました。
――「起業したい」という思いをずっと抱えていたんですか?
当時、両親が埼玉に住んでいたので、そこを拠点に就職活動をしていました。私の周りにいた札幌と東京の仲間、それぞれの就職活動を両方を見ることができたんですよ。
東京の学生は、大学1年生からインターンを経験している。働くとはどういうことか、どういうことに興味関心があるのか、1~2年かけて考えていました。情報も選択肢も広いですし。
一方で、札幌市の大学生は12月ごろに就職活動をスタートして、4月に面接が始まる。3~4か月しかない。3~4か月対2年。悔しかったですね。地域格差を少しでも埋めれたらと学生時代に思いました。起業したいという思いが芽生えた原点でしたね。
|生活費を抑えるため仲間と"シェアハウス" 価値観&ビジネス広がる
――起業するきっかけは?
東京で起業しました。一人暮らしをしながら、オフィスを借りて仕事をしていましたが、東京は家賃がすごく高くて。起業したばかりで、全然売り上げもなかったのでかなりきつかったです。
生活費を抑えるために、一軒家を仲間5人とシェアハウスを始めたんです。それがすごく良い経験でした。それぞれが起業家で、コミュニティーがあり、それぞれの人との繋がりを持っていました。
そこから仕事をもらえたりもしたので、「シェアハウスってすごいな」と思いました。この価値観を広げるために、シェアハウス事業を始めました。
東京都内では少しずつシェアハウスが増えていましたが、札幌市にはなかったので、札幌市でシェアハウス事業をスタートさせました。
――どういう広がり方だったんですか?
多店舗展開しました。ただ、シェアハウスは住宅なので、短期滞在や宿泊はできなかったんです。短期滞在したいという人も増えてきたので、宿泊施設としてゲストハウスを広げました。
――札幌市の次に海外ですか?
ゲストハウスはトータルで4店舗。ホテルをやったり、海外にも拠点を増やしました。
ゲストハウスを経営し始めた時、外国籍の社員もいました。彼らが自分の国に帰国するタイミングで、彼らの国でゲストハウスを運営するきっかけになりました。
――どこの国で始めたんですか?
初めはアフリカのタンザニア。次にベトナム。メキシコに行きました。
――展開が早すぎませんか?
僕もびっくりしてます。人との繋がりの中で、チャレンジしてみようとやり始めたような感じですね。
新型コロナ感染拡大のタイミングでかなり打撃を受けたので、現在はメキシコだけ残っています。
|中古ビル1棟を用途変更→ベンチャー向けスペースに
――札幌から海外…学んだものはありますか?
日本にいると、「働ける環境を作ってくれてありがとう」と言われる機会はあまりなかった。でも海外のスタッフから「これで離婚できます」と言われたことがありまいした。
結婚生活を続けていたけれど、自分で稼げるようになり、自力で子どもを教育できるぐらい稼げるようになったから離婚しましたと言われました。
仕事がない人に仕事をつくる機会ことは、めちゃくちゃ有意義なこと。海外に出て思いましたね。働きたい人に働ける環境を作ることができるのは、やりがいの1つですね。
――事業の中で力を入れていることは?
宿泊事業に力を入れています。新型コロナの影響を受けて、かなり売り上げが減少しました。撤退する所は撤退して、その時にいろいろな事業に挑戦しました。
外部からも社内に入り10個ぐらい事業を展開し、その中の一つに不動産企画事業がうまくいきました。
私が不動産を経験してきたこともあり、一戸建てやマンションを取得し、リノベーション、リフォームして売っています。
最近では、シェアオフィスもしています。中古のビル一棟をコンバージョンして、起業家やベンチャー企業向けに利用してもらうようなスペースを作りました。
――コンバージョンって言うんですか?
馴染みない言葉かもしれないんですけれど、建物は建てたときに用途を決めているのですが、その用途を途中で変える、用途変更を英語でコンバージョンと言います。
――コンバージョンしたくなる物件が、札幌市にはたくさんありますか?
ありますね。時代の流れや移り変わりとともに使われなくなってきた空きビルや、空き住宅は一定数あります。それを今のニーズに合わせたものに作り替えていくことは、いつの時代もあることだと思います。
|「起業家を増やす」"インターン"も増える
原点回帰ではないですが、世界での展開は一旦ストップ。北海道と東京の差を埋めるために、起業家をたくさん増やすことが重要なんじゃないかと思っています。
起業家が増えるとインターンが増える。そうすると、札幌市の学生が東京の学生に負けないぐらい活躍のフィールドが広がると考えています。
25歳以下の起業家が格安で進めるシェアハウスもやっていて、プロジェクトを通して企業カルチャーに貢献できたらいいなと考えています。
――将来描いているビジョン、今後の事業展開は?
海外展開で痛い目を見て終わっているので、足元を固めるためにも、北海道で起業家支援の1番を目指したいと思っています。しっかり事業を成長させ、起業家が活躍できるような環境に投資したいです。
――就職・起業という点で若者に向けてメッセージをお願いします。
いろんな考え方がありますが、僕は一度外に出て見てみても良いのではないでしょうか。北海道で生まれ育って大学も北海道という人は、一度、東京や海外にどんどん出て、いろいろなものを吸収することが大事なのではないかと思います。
札幌市は東京に比べるとプレイヤーが少ない。上場企業とお仕事させていただく機会もあります。東京の会社では、少人数の会社でそういうお仕事ってできないと思うんですよ。
地方では意外と大きな仕事を任せてもらえるチャンスが転がっていると思います。
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不動産×企画のベンチャー 起業家支援…ビル1棟改修 新興企業の拠点に「フルコミッション」山崎明信さん #BOSSTALK
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