北海道を愛し、北海道の活性化を目指すボス達と北海道の未来と経営を楽しく真剣に語り合う「BOSS TALK」(ボストーク)。今回のゲストは株式会社「komham(コムハム)」代表取締役 西山すのさんです。独自開発の微生物で生ごみ処理システムを提供している注目のスタートアップ経営者に展望を聞きました。
株式会社「komham」は2020年に札幌市で創業。komhamと名付けた微生物を処理スペースに、粉砕したゴミを混ぜることで、環境に優しくスピーディーに有機性廃棄物を水と二酸化炭素に分解し、堆肥化させるバイオマス処理システムを提供しています。現在は、渋谷区をはじめとした自治体との実証実験を重ね、生ゴミ処理のインフラアップデートを目指しています。
――komhamとは?
生ごみや有機物を高速で分解する、複数の微生物の配合技術です。
――近年増えている”コンポスト”との違いは?
技術は同じ。家庭用のコンポストは時間をかけてと堆肥にしますが、弊社では、焼却処理の代替となるインフラを目指しています。
処理スピードは1~3日。通常だと生ゴミの半量程度の堆肥が残ってしまうところを、コムハムは2%まで抑えることができます。そのほとんどは、二酸化炭素と水蒸気に分解されます。
2:43 |革新技術で社会問題解決「ディープテック」… 父の事業がそうだった
――出身は? 起業に至るまでの経緯は?
1987年生まれ。北海道・苫小牧市出身。札幌市の高校へ進んだ後、立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)に進学しました。学生のうち半数が留学生。当たり前のルールや文化がまかり通らないところで生活をしていたので、予期せぬことへの免疫力は大学時代に育まれたと思っています。
「こういう人たちと働いてみたい」と感じた広告代理店に就職。スタートアップの立ち上げなど、様々な経験を積みました。事業のハンドルを握って運転してみたいという思いが起業のきっかけに。
元々、PRやブランディングを行っていたため、社会にインパクトを与えられる「ディープテック」に注目しました。
ディープテックとは、科学的な発見や革新的な技術で社会にインパクトを与えることができる技術のこと。15年前から父がやっていた堆肥処理の事業が「ディープテックだな」と感じました。社会にインパクトを与えられるし、環境にもいい。そこで父に「継ぎたい」という話をしたのがきっかけです。
「もし会社を継ぐのであれば、別会社として、スタートアップとして経営をしたい」という私の意向を父親に伝え、株式会社komhamを立ち上げました。
父親の企業と親族間のなれ合いなく、"技術を継承する"という形で引き継ぐことに。ゴリゴリの契約書も締結しました。
おそらく、父は一緒に仕事をしたかったのではないかと思います。父から溺愛され育った自覚が私自身にあるので、父は私の言うことにNOと絶対に言わない、という関係性。事業を進めるうえで、私自身がその部分に甘えてしまうと、事業が成長していかないだろうと考えたので、別会社として起業しました。
7:49 |外から見ると"ごみ屋敷" 創業当初のラボは札幌の1LDKのベランダ
――商品化するまでの道のり…苦悩や困難は?
大変でした。第一に、”研究者”に会ったことがなかったので、研究者探しから始めました。運よく研究者に出会えたが、次は研究をするための場所がない。初めは、札幌市内の1LDKマンションのベランダに電気毛布で微生物を温めて、人間は極寒の中で作業をしていました。
"ベランダラボ"。外から見るとゴミ屋敷のようで、通報されるのではないかというヒヤヒヤとともに最初の1年間は過ごしていました。
9:17 |実証実験経て夏から販売…"子ども"送り出す気持ち
――どのようなビジネスを行っているのか?
2023年夏から販売開始予定のソーラーパネルの電力で自動駆動する「スマートコンポスト」を作っています。AC電源を必要としないソーラー発電なので、環境負荷を限りなく少なくゴミ処理が可能に。
どれくらい環境負荷を抑えられたか定量で見ていただきたい。生ごみがどれくらい入ったか、温室効果ガスがどれくらい抑えられたかを観測できる箱です。
――実際に導入した企業や自治体は?
まだ販売開始前なので、実証実験ですが、自治体や企業に導入しています。
東京の渋谷区では、町の中にスマートコンポストを配置し、どのような問題が起きるかを実際に試しました。また、札幌市内では2022年10月に開催されたイベント内でスマートコンポストを設置。イベント内で排出される生ゴミを処理する実証実験を行いました。
商品化はうれしいです、もちろん。独立する子どもを送り出すような気持ちに近いですかね。創業から3年経つが、komhamのことばかり考え、komhamが1番の生活です。相当お金もかけてきたkomhamが、ちゃんと働いてくれるんだろうか。働いてくれるだろうという確信を持ちつつも、「がんばって、いってらっしゃい」みたいな気持ちですね。
――どのような反応があると「やっていてよかった」と感じる?
分かりやすい反応はなくていいと思っています。環境に関する取り組みは、参入のハードルが高いものがほとんど。みんな気づかないうちに、日常生活の中に技術が使われ、いつの間にか環境負荷を抑えられるインフラが作れればいいなと思っています。気づかれず、ヌルッとやりたいです。
16:45 |スタートアップ社長の共通点「誰にも頼まれていないけれど、持っている使命感」
――今後の展望は?
父親から引き継いだ会社ということもあり、環境関連の弊社の技術も含め取り組みは、1世代で途切れるものではないと思っています。
トライし尽して、失敗もたくさんして、次の世代がより良いものを作れるような結果を残していきたいです。誰にも頼まれていないけれど、ある使命感はスタートアップの社長に共通しています。
起業していろいろな人がサポートをしてくれて、アドバイスもいただいた中で、”中途半端に終わらせたくない”。時間もお金もリスクもとっているので、その分成果として出したいという思いが基です。
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📺毎週火曜 深夜0:25~ 北海道の8chで放送! 2023年4月、シーズン2を始動しました。
https://www.uhb.jp/program/bosstalk/
1LDKベランダ育ちの微生物が地球を救う? "生ごみ処理"でスタートアップ…「komham」西山すのさん #BOSSTALK
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