「札幌スポーツのチカラ×まちのミライ」。北海道内の民放5局が日替わりで、札幌のスポーツの可能性を探ります。
1回目のテーマは「札幌ドームの未来」。プロ野球の北海道日本ハムファイターズが去った後、どのように活用していけばいいのでしょうか?
札幌ドームが開業したのは2001年。2002年のサッカー日韓ワールドカップの開催を見越して建設されました。
その後、2004年にはファイターズが本拠地を移転。2度の日本一に輝くなど、北海道民に夢を与えてくれました。しかし…。
札幌市民:「寂しい。ちょっと足が遠のいてしまう」
札幌市民:「やはり痛手だと思う」
札幌市民:「ファイターズが移転した後、どういう事業を誘致するのか。かなり難しいのではないか」
19年間、本拠地として使用していたファイターズが北広島市へ。札幌ドームは収入の3割を担っていた大きな柱を失うこととなりました。
先行きが心配される中、その可能性への期待も。
札幌ドーム 山川 広行 社長:「札幌ドームでは、ワールドクラスのスポーツをやってきている」
追手門学院大学 社会学部 上林 功 准教授:「雪国であれだけの大空間というのは、他にない唯一無二の価値」
札幌ドームをどのように活用して、私達の財産としていくのか。その未来像を探ります。
約30万平方メートルという広大な敷地の札幌ドーム。野球、サッカーだけでなく、ウィンタースポーツやコンサートなどが行われ最大5万人が収用できます。
札幌市民は札幌ドームに対しどのような印象を持っているのでしょうか。
札幌市民:「大きくて、野球やサッカーなどができるスタジアム」
札幌市民:「イベントがあるから札幌ドームに行くという感じ」
札幌市民:「札幌ドームには時間をつぶす場所がないというのは、昔から感じていた」
スポーツの試合など、大きなイベントのある時しか行かないという声が多く聞かれました。
しかし、普段使いできるような取り組みも行われています。
八木 隆太郎 キャスター:「札幌ドームの東側、遊歩道やサッカーの練習場がある場所です。子どもたちがチューブ滑りなどを楽しんでいます」
1月6日にオープンした「ゆきひろば」です。サッカー場など冬に使わないスペースを6年前から開放し、歩くスキーやチューブ滑りなどを楽しむことができます。
利用者:「外で遊べる場所がないか調べていたら、ここがあった」
利用者:「このように冬に遊べる所があると、すごく助かる」
この他にも、ドーム内のコンコース最上部には1周716メートルのランニングコースが開放されているほか、スポーツジムも利用できます。
また、あの大谷選手も利用したブルペンを貸し出すなど、天候に左右されない強みを生かした取り組みが行われているんです。
スタジアムの運営に詳しい追手門学院大学の上林功准教授は、札幌ドームの可能性について。
追手門学院大学 社会学部 上林 功 准教授:「雪国であれだけの大空間は、他にない唯一無二の価値。普段からみんなが使えるような場所や、地域にとって使いやすい場所になる必要がある」
地域住民が日常的に利用できる施設。そのヒントとなる、モデルケースがありました。
八木 隆太郎 キャスター:「京都のサンガスタジアムです。サッカーの試合がない日なんですが、市民が普段から使える施設があるということです」
京都府亀岡市の「サンガスタジアム by KYOCERA」。3年前に開業したサッカーJ1京都サンガF.C.の本拠地です。京都府が建設主体となり、運営は民間会社が行っています。
サッカーの試合がない日はどのように利用されているのでしょうか。
八木 隆太郎 キャスター:「壁がせり立ってます。サッカースタジアムにクライミング施設、にぎわってますね」
ビバ&サンガ 松井 孝介 スタジアム長:「サッカー場のスタンド席の下の構造を利用して、高い壁を入れられる施設になっている」
バックスタンドの下に設けられた、スポーツクライミングの施設です。週末を中心に、多い日には100人ほどが利用しています。
国際競技基準を満たしていて、東京オリンピックの選考会もここで行われました。
八木 隆太郎 キャスター:「オリンピック、将来出てみたいっていう人は?」
子どもたち:「はい、はい!」
八木 隆太郎 キャスター:「何年後くらいに、出られそう?」
施設を利用する子ども:「大学生くらいかな」
施設を利用する子ども:「18歳くらい」
世界を目指せる環境を整えることで、サッカー以外のスポーツ利用者の裾野を広げています。クライミング以外にもeスポーツやドローンサッカー、VRを利用したフィットネスのような最先端の設備が整っています。
スポーツ施設だけではありません。体を動かしたあと休憩できる足湯や、フードコートがそろっています。
また、保育園も併設され、スタジアムで結婚式を挙げることもできます。地域住民の使い方は?
亀岡市民:「1週間に1回くらい。スタジアムでいろいろやっているのを聞くと、参加できるものであれば見に来ている」
亀岡市民:「サッカーなどの開催がない日でもスタジアムに来て、フードコートで飲み物を買ったり、ランチをしたりして利用。サンガスタジアムは全国の人にアピールできる場所」
3年前の開業でコロナ禍が直撃した「サンガスタジアム by KYOCERA」。観客席は札幌ドームの半分の2万1600席とコンパクトなスタジアムですが、普段使いができることで利用者を伸ばしています。
その取り組みが評価され、国が推進する地域活性化の核となるスポーツ施設のモデルにも選定されています。
ビバ&サンガ 松井 孝介 スタジアム長:「保育園から高齢者になっても使える一貫性がコンセプト。地域住民にどれだけ利用してもらえるのか。地域住民が利用したことがあり、自慢できる施設なのかが重要」
札幌ドームが地域から愛され、誇りとなるためには何が必要なのでしょうか。専門家は…。
追手門学院大学 社会学部 上林 功 准教授:「そのとき限りのコンサートなどのイベント利用だけを想定するのではなく、地域に価値を広げていくことを考えると、地域住民が参加して一緒に議論できる場所が必要」
札幌市もスポーツの試合やイベントの利用を増やす一方で、さらに人々が集う場所を作ろうと議論を進めています。
札幌市 スポーツ局 深井 貴広 課長:「札幌ドームの敷地の一部を活用して、2024年度の雪解け以降にスケートボードができる場所の設置を考えている。イベントがある日でもスケボーもやりつつサッカーを見るなど、札幌ドームのにぎわいづくりの一助になれば」
2月には約3000人が参加しリレーや玉入れ、大縄跳びなどが行われる「ほっかいどう大運動会2023」が開催されるなど、市民が集る催しが始まります。
開業から22年の札幌ドーム。スポーツの力で街の未来を変える。大きな可能性と役割が期待されています。
ファイターズが本拠地移転 どうなる「札幌ドーム」…大きな収入源失う カギとなるのは地域住民の”普段使い” (23/01/17 21:00)
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