福岡県の保育園で5歳の男の子が送迎バスに置き去りにされ死亡した事件の裁判で、当時の園長らに11月8日、執行猶予付きの有罪判決が言い渡されました。
北海道内の安全対策はどうなっているのか、現状を探りました。
2021年7月、福岡の保育園で5歳の男の子が約9時間送迎バスに置き去りにされ熱中症で死亡した事件。
業務上過失致死罪に問われた当時の園長と保育士に対する注目の裁判が11月8日午前、福岡地裁で開かれました。
裁判長:「確実に送迎車から降ろすのは当然の基本的義務。真夏に幼児が取り残されれば自力で脱出できない危険性は認識していた」
福岡地裁はこう指摘し2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
一方、全国ではこの事件の後も幼い子どもがバスに置き去りにされるケースが後を絶ちません。
こういった事態を受けて国は2023年4月から全国の幼稚園などの送迎バスを対象に安全装置の設置を義務付けることを決めました。
こちらは北海道・北広島市で幼稚園などの送迎バスを製造しているメーカーです。
ここでは安全装置の開発が進んでいました。
熊坂 友紀子 記者:「エンジンが止まった状態で困ったときにこのボタンを押すと…このようにクラクションがなる仕組みになっています」
装置の名前は「バスレンジャー」。
もし、園児がバスに取り残された場合、大きな音で外に自分がいることを知らせることができるものです。
10月、市内の認定こども園で行われた体験会で実際に子どもたちが試してみると…
5歳の子どもの力でも簡単に押すことができました。
参加した園児:「押しやすかった。楽しかった」
参加した園児:「1回押したら、ずっと押し続けなくていいのが良かった」
開発でこだわったのは小さな子どもでも簡単に押せること、そして興味を持つようなデザインです。
光源舎オートプロダクツ 田中 角栄さん:「子どもは想像以上に力がなかったり本当に色んなことに遠慮したりできないことが多い。押しやすかったりなじみやすいものをデザインとして取り入れています」
さらに、エンジンを切るとバス後方に設置されたボタンを押すまでブザーが鳴り続ける装置も開発しました。
乗務の担当者が取り残された子どもがいないか、バスの後方まで確認するのを促すためです。
北広島わかば幼稚園 室橋 克己 理事長:「絶対(バスの後ろまで)行かなきゃいけないですよね。万が一、人がいた場合は、絶対発見できると思うので効果的なのかな」
どうやって子どもたちの安全を守っていくか。国は今年中に安全装置のガイドラインをまとめるとしています。
北海道 子育て支援課 福地優さん:「ガイドラインのポイントとしては、ヒューマンエラーを防ぐ仕組みであるということ。園に対しての過剰な負担とならないように、既存の車にも後付け可能な仕様になるようにということが示されている」
一方、保育学の専門家は装置だけに頼らない安全対策の重要性を改めて訴えています。
札幌大谷大学 短期大学部 藪 淳一講師:「(安全装置を)つけたことで安心してしまう。かえってヒューマンエラーを助長してしまう。それが危惧されるところ。例えば子どもの出席とか欠席情報をきちんと共有する。そういったところにも油断、ミスというものが生まれてくる可能性があって、バス以外の事故につながりかねない」
二度と痛ましい事件が起きないよう大人たちが改めて考えていく必要がありそうです。
“5歳児バス置き去り死”園長らに有罪判決 どうやって子ども守る? 「最新装置だけに頼らずに…」 (22/11/08 19:40)
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