「こんなに可能性のある食材が身近にあるとは思わなかった」と料理のプロは話しています。
これまで利用されてこなかった北海道南部・松前町の「アオノリ」が特別メニューで札幌のホテルに登場しました。
ふっくらと炊き上がった具だくさんの釜めし。出汁が香る、優しい味わいの茶碗蒸し。トッピングされているのは道南・松前町の天然「アオノリ」です。
特別メニューを手掛けたのは、センチュリーロイヤルホテルの料理長。松前町出身です。
センチュリーロイヤルホテル 熊谷 鉄之 調理長:「素晴らしい食材。香りも色も良い。郷里が松前。ごく身近にこのような可能性のある食材があるとは思わなかった」
11月1日から特別メニューの提供が始まり、あわせて試食会も行われました。松前町の天然のアオノリはこれまで販売用としては使われてきませんでした。
この企画は海の問題解決のため、さまざまな団体が協力しあう「海と日本プロジェクト」の一環として行われました。
ブルーコモンズジャパン 品川 真一郎さん:「こんなに香りが強いものだとは思わなかった。ふたを開けた瞬間の(香おりが)立ち上る感じがすごく良かった」
ブルーコモンズジャパン 阪口 あき子さん:「目にも美しく、おいしく料理してもらって感激した。(アオノリを)使っていないのはもったいないなと思った」
試食会には「海藻活用研究会」のメンバーの姿も…。
海藻活用研究会 布村 重樹 事務局長:「道産アオノリ。今まで活用されていなかった食材を知ってもらおうと活動してきた。ここまで来たかと感動している」
天然のアオノリは、焼きそばやたこ焼きなどにかける「青のり」とは別の海藻です。
「海藻活用研究会」は5年前から天然アオノリを研究していて、北海道の海藻をもっと使ってもらおうというこのプロジェクトを支えています。
函館市内の施設を訪ねると…。
海藻活用研究会 布村 重樹 事務局長:「これ(天然アオノリ)は松前の岩ノリと同じ製造方法で、手摘みで作っている」
春先、松前町の漁師が収穫した天然アオノリが保管されていました。色あせないように、冷凍庫はマイナス30度に設定されています。
海藻活用研究会 布村 重樹 事務局長:「函館市内のホテルから問い合わせをいただくようになった。だんだん活用も広がってきていると思う」
研究を始めたきっかけは地球温暖化の影響でした。
海藻活用研究会 布村 重樹 事務局長:「松前は高級岩ノリの産地として有名だが、(岩ノリは)年々減少してきている」
黒っぽい色の岩ノリ。低い海水温を好みます。20年ほど前には11月から翌年の4月まで漁ができましたが、ここ数年は1月にならないと漁が始められないといいます。一方で…。
海藻活用研究会 布村 重樹 事務局長:「だんだんアオノリの生える時期が長くなっている」
海水温が高いところを好むアオノリは、数年前まで道内では4月から5月に生え始めていましたが、2022年は3月には収穫できるまでに成長していたといいます。
海藻活用研究会 布村 重樹 事務局長:「1番お金になる岩ノリがあったので、(アオノリは)あまり注目されてこなかった。(アオノリが)生えてきているのであれば、それを活用するのも手じゃないかと」
岩ノリは10グラムあたり1000円ほどで取引されることもありますが、アオノリは現在、数百円ほどです。
海藻活用研究会 布村 重樹 事務局長:「そのまま使うだけでなく、磯の香りのする『ようかん』などにチャレンジしていただいている方もいる。いろんな形で活用が広まっていくと新たな付加価値が作られるのではと期待している」
海の幸を有効に活用する。北海道にはまだまだ可能性のある食材がありそうです。
「すごくいい香り」"天然アオノリ"を使った特別メニュー 新たな可能性感じる食材 (22/11/05 11:30)
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