北海道札幌市の納骨堂が実質的に経営破綻し、施設が閉鎖される見通しとなっています。混乱が続く現場を緊急取材しました。
父と夫の遺骨を預けていた 松田 彰子さん:「生きいてる時も結構大変だったけど、まさか死んで1年半経ってこんなになるなんてね」
札幌市に住む松田彰子さん。2021年3月に夫を亡くし札幌市内の納骨堂に遺骨を納めていました。
父と夫の遺骨を預けていた 松田 彰子さん:「私の父の納骨壇があるので(夫が)『俺ここが良いな』といつも言っていた。綺麗ですし、ご供物とかもきちんと片付けてくれる」
札幌市東区の宗教法人「白鳳寺」が運営する納骨堂「御霊堂元町(みたまどうもとまち)」。
松田さんは7年前に父親の遺骨を預け、2021年4月に夫の遺骨と合わせて、使用権や永代供養料など320万円を支払っていました。しかしいま、遺骨は自宅にあります。
松田 彰子さん:「『お金は返せないけど、骨を持って行ってください』と書類のスタートでした」
9月12日、納骨堂から土地や建物の名義が札幌の不動産会社に移り、遺骨を引き取ってもらいたいと突然伝えられたのです。
松田 彰子さん:「永代供養もしていないですし、年会費をお支払いしても18年ぐらいは意味がないので、その額分は返していただきたい」
納骨堂「御霊堂元町」は、地下鉄元町駅から徒歩6分と都市型の納骨堂として10年前に開業しました。
宗旨・宗派を問わず後継者がいなくてもお寺が代わりに供養を続ける「永代供養」をうたいこれまで773基の納骨壇を販売していました。しかし、突如閉鎖されることが決まったのです。
遺骨を引き取りに来た人:「こんなことになるとは思っていなくて残念」
遺骨を引き取りに来た人:「いずれ私もここに入るつもりだった。えっどうなるの?えっ?」
なぜこんな事態になってしまったのか。運営する「白鳳寺」の代表に話を聞くことができました。
Q.永代供養をしている人にいくらか返せるのではないか?
「白鳳寺」代表:「破産しているしていないに関わらず財源がない」
「白鳳寺」によりますと、「御霊堂元町」は専門学校の建物を改装して作られた納骨堂でした。
しかし開業当初から赤字続きで、販売予定の1500基の納骨壇のうち10年間で773基の販売にとどまっていたといいます。
その結果、借入金が返済できなくなり債権者の札幌市内の葬儀社が2021年11月、納骨堂の土地と建物を差し押さえ強制競売へ。2022年7月に札幌の不動産会社が落札し退去が決まったといいます。
そして10月24日、強制執行で不動産会社に引き渡される予定でした。現在、納骨堂の経営継続を不動産会社にお願いしているということです。
「白鳳寺」代表:「破産という形で逃げるつもりはありません。檀家に対して本当に路頭に迷わせる形になる。今もそうかもしれませんが、さらに決定づけられる」
白鳳寺は、事業継続のためにも遺骨を一度引き取ってもらいたいとしています。しかし、財務状況や今後の展望がわからない利用者は説明を求めていて先週、緊急の説明会が開かれました。
「白鳳寺」代表:「最低限できるのが、今まで通りの状態でお参りしていただくためには宗教法人「白鳳寺」を継続していかないといけない。(不動産会社の)関係の役員を新しく入れる」
利用者:「おかしいでしょ。(強制執行が)11月21日なのに矛盾していますよね?」
「白鳳寺」代表:「矛盾しているところもあるかと思います」
利用者:「あるかと思いますなんてふざけたこと言わないで」
利用者:「1か月で決まるんですか?引き継いでくれる人が?」
「白鳳寺」代表:「それをお願いしているところです」
利用者:「(報道で)継続すると(白鳳寺の)負債も肩代わりするから(不動産会社が)断念したと聞いた。その内容としゃべっていることが?」
「白鳳寺」代表:「真逆だと思います」
利用者:「どっちが正しいの?」
参加者は「白鳳寺」の財務状況を示す書類も求めていましたが…
「白鳳寺」代表:「回答がまだできていません」
利用者:「9月15日までにと言っていたのに1週間で仕上げられなかった?」
「白鳳寺」代表:「深くお詫びいたします」
利用者:「お詫びはいいです。(書類を)出してください」
さらに、お経を行っていた副住職を務める代表の息子がすでに退職したことについては…
利用者:「退職しているんですか?逃がした?」
「白鳳寺」代表:「逃がしているわけではありません。ご迷惑をかけているみなさんの前で言えることではないですが、倒れてしまいました」
利用者:「倒れた証拠は?」
代表:「証拠はありません」
途中からは立ち入り調査に来た札幌市の担当者も参加する事態に…
利用者:「(競売の)間に販売している。販売に対して指導されたんですか?」
札幌市:「しています。口頭でも文書でもしている。利用者が不利益を被らないように対応してほしいと」
札幌市は、白鳳寺に8月17日に口頭で納骨壇の販売の停止を求め、9月も文書で通知していました。しかし、白鳳寺は競売後も販売を続けていたのです。
利用者:「4月18日に契約したので競売が開始後。納骨したのは8月21日なのでまだ2か月しか預けていない。(指導後に)納骨をして、お経もあげてもらってお布施も渡しているのでその時に何か言ってくれたら…。言われても許せないけど誠意も感じられないし納得がいかない」
説明会で伝えられたのは、札幌地裁が納骨堂の引き渡しの強制執行を11月21日まで延期することと、改めて説明会を開くことでした。
前代未聞の納骨堂の閉鎖に混乱する利用者。亡くなった人々の終の棲家はどうなってしまうのでしょうか?
「ふざけたこと言うな」説明会は大混乱に…前代未聞!納骨堂経営破綻 "矛盾だらけ"の説明に利用者激怒 (22/10/24 19:00)
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