北海道オホーツク管内の大空町に2021年誕生した大空高校。生徒の主体性を育む教育が注目を浴びています。
それを進めるのは一風変わった校長先生。一体どんな取り組みなんでしょうか?
八木 隆太郎 キャスター:「すごい車が来ました。クラシックカーで学校ですか?」
大空高校 大辻 雄介 校長:「人と違ったものが好きなんでしょうね。」
“はかま”がトレードマークの大空高校の校長、大辻雄介さんです。元々は塾の講師で教員免許は持っていません。
大空高校の生徒:「近所のおっちゃんっていうイメージ。学校は楽しいです」
大空高校の生徒:「すごく自由だし、先生も生徒のやることをいろいろ支援してくれます」
町の人も。
大空町民:「高校ができてすごく良かったですね。だから期待はしていますね」
生徒も町民も期待を寄せる大空高校。その教育方針とは?
北海道オホーツク地方の玄関口、女満別空港がある大空町。芝桜で有名なこの町も少子高齢化が進んでいます。
2012年には人口約8000人でしたが、過疎化が進み約6800人まで減少。
2021年、町内にあった女満別高校と東藻琴高校を統合し大空高校が誕生しました。その初代校長が大辻雄介さんです。
大空高校 大辻 雄介 校長:「大空高校は“飛行機人”をテーマに掲げている。自分のエンジンで主体的に道を切り開いていく人物を育むことが、これからの教育に必要」
大空高校に設けられた学科は総合学科。普通科と専門学科の科目の中から、自分の興味や進路に合ったものを選択できます。
3年時にはカリキュラムの約8割が選択科目になるんです。
大空高校の生徒:「こうしないといけないと制限されることが少ないので、自分でどうやって行動すべきなのか考えなければいけないが楽しい」
大空高校の生徒:「校長室に遊びに行ったり接しやすい」
大空高校の生徒:「すごく自由な人だなという印象で、何でも『いいよ、やっちゃえ』って」
主体性を育む教育。一体どんな授業が行われているのでしょうか。
八木 隆太郎 キャスター:「1年生の化学の授業が始まりました。机を向き合わせてグループで勉強している子もいれば、前を向いて先生の話を聞いている生徒もいます」
大空高校 大辻 雄介 校長:「教師の説明を聞いてから問題に取り組みたい生徒、友達と相談しながら教え合って取り組みたい生徒、一人でインターネットの情報を調べながら解答したい生徒など、それぞれが分かれて効果が上がっている」
一律の授業の受け方を強制するのではなく、自分に合ったやり方を主体的に選ぶのです。この方法を取り入れたのにはわけがあります。
もともと予備校の講師をしていた大辻さんは2014年、少子化で閉校の危機にあった島根県や高知県などの高校を魅力化するプロジェクトに参加。タブレット端末を使ったオンライン授業を進めるなど、過疎地の高校の支援を行ってきました。
大空高校 大辻 雄介 校長:「地方の小規模校だからこそ変わりやすい。都市部の大規模校の方が、今までのルールにとらわれることが多い」
2年生の「総合的な探究」という授業。この日は、後期のテーマを決めます。前期に行ったものをさらに深めるのも良し、新しいテーマを設定してもかまいません。
大空高校 2年生:「今まで行ってきた、『小児がん支援』を続けてやろうと思っています」
テーマを深化させる生徒がいる一方で。
大空高校 2年生:「前期はジュース作ってた」
大空高校 2年生:「SNS映えするものを作ろうとしたけど、案外難しかった」
大空高校 2年生:「販売したかったけど間に合わなかった。途中で飽きた」
大辻さんは、途中での挫折も大切なことだといいます。
大空高校 大辻 雄介 校長:「人間って失敗から学ぶことの方が多いじゃないですか。自分が飽きてしまったっということは、本当の興味や関心がそこにはなかったということですから」
主体性を育む教育で生徒にも変化が現れてきました。
東大の図書館のデザイナーを招き、自分たちが使いやすい図書室にリノベーション。
校内に売店がなかったため、地元のパン店と交渉し週1回の販売を実現させた実績も。
こうした取り組みに町民は。
大空町民:「活気が出てきたかなっていうのは正直感じますね。今までにない高校生だなという感じ」
大空町民:「高校ができてすごく良かったですね。だから期待はしていますね」
学校が、そして生徒たちが変わったことについて学校経営の専門家は。
北海道大学大学院 教育学研究院 篠原 岳司 准教授:「校長の経営手腕の、学校をどう作っていくかっていうことが巧みである。トップダウンにならないようにしっかりと相談し、教職員と合意形成を図っていることが素晴らしい」
大辻さんが理想とする学校のあり方は。
大空高校 大辻 雄介 校長:「今までは条件や環境でできなかったことを、『失敗してもいいから挑戦しなよ』と言ってくれる学校だと思います。生徒が先を見据え、そこまでたどり着くパワーを大空高校で身につけて飛び立ってほしいなと思っています」
大空高校が掲げる“飛行機人”を育てる教育。生徒たちはこれから、どのように大空を舞うのでしょうか。
「何でもやっちゃえ」 “はかま姿”の校長が奮闘…生徒が変わった 町にも活気が 北海道大空高校の挑戦 (22/10/15 18:30)
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