2学期、まだ暑い日が続いています。そんな中、いま子どもたちを悩ませているのがランドセルの中身の「重さ」なんです。
子ども用のスポーツ用品メーカーの調査結果によりますと、小学生の90%以上がランドセルの中身が「重い」と答え、このうち3人に1人は肩や腰などに痛みが出たと回答しています。
子どもの体に影響はないのでしょうか?
「よいしょ!」
みんテレの番組スタッフの長男、札幌市内の小学4年生、佐藤雅春くん(10)です。腰から背中までをすっぽりと覆うランドセル。背負ったり下ろしたりするたびに気合を入れる言葉が口から出ます。その重さは…?
「5.15キロ!か…」
ランドセルの中には文房具や教科書だけでなく、コロナ禍で配布が進んだノートパソコンも…。
小学4年生 佐藤 雅春くん(10):「確か3年生から持って帰るようになった。金曜日に家に持って帰り、家で勉強するやつです。(Q:重くなった?)はい、重たくなりました」
さらに雅春くんには、毎日学校に持って行くのが嫌だなと感じている物があるんです。
小学4年生 佐藤 雅春くん(10):「学校に持って行く水筒。コロナになってあまり水道を使わないようにしようと言われて」
夏は水分補給が大切。ということで大きな水筒を用意してもらったそうです。その重さは1.5キロ。ランドセルと合わせると6.65キロにもなります。
その重さの大部分を占めるのが教科書やノートですが、札幌市中央図書館で2002年と2011年、そして2019年に採択された6年生「1年分」の教科書を比べてみました。
林 幹夫 ディレクター:「(平積みにして)高さを見てみますと、かなり違いが分かります」
重さを測ってみると、2002年のものは約2.2キロ。2011年と2019年は4.1キロでした。教科書が重くなっているのがわかります。
林 幹夫 ディレクター:「厚さも違いますが、大きさも大きくなっています」
見やすさなどを考慮して、国語や算数では高学年になるにつれサイズが大きくなり、厚みも増したのです。
重くなった教科書に加え、コロナ禍の影響で、ノートパソコンに水筒まで。
ひざへの負担は、走り高跳びの踏み切りと同じという分析もある中、子どもたちの体は大丈夫なのでしょうか?
重くなる一方のランドセルの中身。
家庭であまり使わない教材を学校においていく、「置き勉」という言葉も世間を賑わせていますが、札幌市教育委員会はどう受け止めているのでしょうか?
札幌市教育委員会 伊達 峰史さん:「必ずしもその日使用する必要がはない学習用具については、学校に置いて行ってもいいですよと。基本的には学校判断になっています」
教材を学校に置いて行くかどうかを決めるのは、各学校の判断だといいます。
札幌市教育委員会 伊達 峰史さん:「子どもたちが手元に置いておくべき必要な学習用具は何なのかを、自ら主体的に判断できるようになることも大事と思います」
特に高学年では、日々の教材選びから自主性を育みたいという目的もあります。
一方、重くなる荷物に体への負担はないのでしょうか?
北海道教育大学 小林 育斗 准教授:「通常歩行とランドセル歩行の膝の角度と体幹の前傾角度について調べてみました」
北海道教育大学岩見沢校で、子どもの身体の動きなどを研究する小林育斗さんです。小林さんは小学2年生の男の子をモデルに、重いランドセルが体に与える影響を調べました。
この男の子の場合、約25キロの体重に対し、運んでいたランドセルは5キロ以上もありました。
北海道教育大学 小林 育斗 准教授:「体重の比率でいいますと21.9%。アメリカの研究機関では20%を超えることが無いよう指針を出していますので、これは明らかに重すぎる内容を、彼は毎日運んでいるという事になります」
こちらはランドセルを背負っている時と背負っていない時の姿勢の違いです。
北海道教育大学 小林 育斗 准教授:「通常歩行の場合ですと、ほぼ前傾姿勢ではない。こちらはランドセルを背負ったときの立位。背中側に重い物がありバランスをとるために体幹を前傾しなければなりません。約14.3度前に身体を傾ける前傾姿勢です」
動画で比べてみると、重い荷物を運んでいる時には身体が前後に揺れ、バランスを取りながら懸命に歩いているのが見てとれます。
北海道教育大学 小林 育斗 准教授:「重要なのはバランスを取るため前傾姿勢になり視線が下に向くこと。ですから前に自動車や危険物が来た時に発見が遅れてリスク回避が遅れるのは考えられると思う」
さらにランドセルを背負った場合には大きく膝が曲がります。その角度、実は…。
北海道教育大学 小林 育斗 准教授:「陸上の走り高跳び。地面を蹴って上に飛び出すときに使う角度が140度位なので、子どもたちも最も力を使う角度で、毎日ランドセルを運んでいる」
小学生の身体にかかる負担。健康と安全のためにも、親や社会が荷物に気を配ることが求められています。
"重過ぎるランドセル" 毎日5キロも背に通学 体重比重"20%超"の日常に専門家は警鐘 札幌発 (22/09/17 19:30)
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