北海道知床半島沖で26人を乗せた観光船「KAZU1(カズワン、19トン)」が沈没しかてから14日目。事故による世界自然遺産・知床の観光への影響が懸念されています。
コロナ禍の落ち込みからの回復を目指していた矢先の事故。捜索が続く中、関係者は複雑な思いを抱えています。
野生のクマやシカ。雄大な山が連なり水面に原生林を映す湖。水しぶきを上げて流れ落ちる滝。
東京からの観光客たち:「知床五湖を見終わって、シカがたくさんいて楽しかった」
名古屋からの観光客:「感動しました。晴れて知床の湖に反射して山が映ってきれい」
2005年に世界自然遺産に登録された知床。全国各地から多くの観光客が訪れます。
ネイチャーガイドの綾野雄次さんです。カズワンが沈没した4月23日、ガイド中に航行するその船体を目撃しました。
ネイチャーガイド 綾野 雄次さん:「滝を見ているときにそっちから船がきた。その日はめちゃくちゃ寒かったので、外に出ている人はほとんどいなかった。早いなと思った。もう運転している。試運転にしても早いかなと。まさかあの時期に3時間コースだとは思わなかった」
綾野さんは40年以上、知床の自然の素晴らしさを伝えてきました。事故の被害者を思うと胸が痛みます。
ネイチャーガイド 綾野 雄次さん:「遭難された人は自然が好きな人たち。楽しんだ後なのかもしれない。いち早く解決して、ふだん通りの知床に戻ればいいですけど」
沈没事故は知床観光へどのような影響を及ぼすのでしょうか。
ネイチャーガイド 綾野 雄次さん:「今の時点では考えないようにしている。まだ行方不明になっている人の捜索を優先してもらう。知床が危険と思わないで、捜索終わった後は、われわれも安全を考えていますし、お客さんも楽しんでもらえればいいかなと」
しかし、影響は徐々に出始めています。
田中 うた乃 記者:「港の前には、観光船会社が立ち並んでいますが、客は見られません。事務所は閉まったままになっています」
斜里町のウトロ漁港から出航している観光船の運航会社は、安全体制の見直しが必要だとして5月末までの営業自粛を決めました。
例年であれば観光客でにぎわう港は、閑散としています。
船からの釣りを楽しむ遊漁船も、大型連休中は営業を自粛しました。
船長の門間一廣さんは観光客の「海離れ」が進むことを心配しています。
永宝丸 門間 一廣さん:「予約の入りは例年より悪い。観光客も減っていて、厳しい状況が続くのでは。遊漁船も安全に運航しているので、遊びに来てもらえれば」
地元でホテルや観光ツアーを展開している会社では、キャンセルが数件ありました。
知床ツーリスト 石田 富雄 社長:「事故直後で自粛したいということだった」
知床観光の最盛期は夏。捜索や引き上げ作業や長期化すれば、さらに大きな影響が出るのではないかと懸念しています。
知床ツーリスト 石田 富雄 社長:「観光船を一番の目的に来る観光客がかなり多いので、観光船が運休していると、知床に行くのを見合わせる人がいるのでは」
沈没事故で揺らぐ観光地、知床。にぎわいを取り戻すのはいつになるのでしょうか。
(KAZU1の「ワン」は正式にはローマ数字)
野生のクマにシカ "世界自然遺産・知床" 観光に影響が…「観光船を一番の目的に来る客は多い」 (22/05/06 19:30)
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