今回遭難した観光船「KAZU1」は2021年、2回の事故を起こしていました。今回の事故の背景には何があったのでしょうか。
これは、今年2月に撮影された知床の観光船「KAZU1」。
この2か月後に恐ろしい事態を招くことなど、誰が考えたでしょうか。
本来なら知床の雄大な自然の中を走り、野生の動物を間近で見られるはずだった知床の観光船「KAZU1」。
しかし、4月23日、26人が乗船し、海に出たきり消息を絶ちました。
なぜ事故は起きてしまったのでしょうか。
その背景にはあるできごとが。
Q:「以前にも座礁事故などがあった?」
別の観光船の船長「2021年に2度ほど事故があった。もう少し慎重にやってほしかったと思いますね」
ウトロ地区の住民:「2021年も2回も事故があったということで、(地元でも)不安はありましたね、大丈夫なのかなとか」
2021年5月、漂流物に衝突し乗客3人がケガ。6月には浅瀬に乗り上げる事故をおこしていた「KAZU1」。
別の観光船の船長:「水が出ていた。(Q:どの位の亀裂が入っていた?)見たのは10センチ位。(Q:修理はしていなかった?)していなかったですね。どうしてしなかったのか分からない。見たのは3月24日か25日くらいかな。(亀裂は)船主から2メートルくらい後ろ。座礁事故を起こした時点で、直しておかないと。人を乗せる船だから、そんな簡単なものではないな」
「KAZU1」は23日が、2022年初めての出航で、修理が不十分なまま、海に出た可能性があるといいます。
Q:「海の状況は何か聞いていたことはあった?」
ウトロ地区の住民:「朝はそうでもなかったんですけど、だんだん風と波が出てきて、昼からはけっこうなしけになっていました」
別の観光船の船長:「朝、(「KAZU1」の船長に)あいさつされて、行ったらだめだよ、と言った。危ないなと思いましたね。1隻だけだと、何かあっても対処しきれないから。まして漁船もみんな帰ってきてしまっているし。何もかにも悪い方に、悪い方に作用した」
例年、知床を巡る観光遊覧船はゴールデンウイーク頃から運航をスタート。
しかし「KAZU1」の運航会社だけ各社より早くツアーを開始。
一体なぜ、悪天候の中、出航したのでしょうか。
地元住民から聞こえてきたのは、運航会社のある変化です。
ウトロ地区の住民:「2020年、今までいた従業員が全員解雇されて、新しい従業員になったと、聞いた」
Q:「乗組員の方々は知床ではないところで船に乗っていた方が集まったということ?」
ウトロ地区の住民:「地元の人ではないです。クマを見せるために、岸に寄ったりする。慣れていないと、浅瀬や岩場など色々な地形があって、寄れる場所、寄れない場所があるので、ちょっと場所を間違った可能性がある」
以前、「KAZU1」の運航会社の船に乗った人に話を伺うと。
4年前に「知床遊覧船」の船に乗った人:「そんなに岸に近いという訳でもないんですけど、遠くから見ていると、小さくですが、岩の上を歩いているクマが見えた。知床の海底や岩場を知っていて、かなりベテランなんだなという感じでした」
取材で見えてきた運航会社の実態。
果たして今回の事故になにか関係しているのでしょうか。
観光船「KAZU1」について判明したことをまとめました。
2021年に2度の事故を起こした。5月には浮遊物に衝突。6月には浅瀬に乗り上げる座礁事故を起こしています。
ただ今回の事故の3日前、4月20日に船舶検査を受けて、「異常なし」という結果で、運航を始めたということ。
別の会社の乗組員が3月24日前後に見た時に、船首の2メートルくらい後ろに、亀裂があった。
船体に10センチくらいの亀裂があった。その亀裂を修理していなかった。
写真を拡大してみると、船体に継ぎ目のような、亀裂のような傷が上から下に入っている。
別の会社の乗組員が指摘している亀裂との同じものか確認は取れていないが、場所などが合致している。
2016年8月から2020年11月までおよそ5年間に渡って、観光船「KAZU1」の船長を務めた方によると、船の経験がなく、海の知識がない人に会社を買い取られた。
2021年の座礁事故を見て、よくあの被害で済んだなど驚いた。
今回のような事故をいずれ起こすだろうと思っていたと話していた。
「いずれ起こすと思っていた」元船長証言 遭難の"KAZU1"ずさん管理の実態 船体の亀裂放置疑いも… (22/04/25 20:30)
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