「同性パートナーとの扶養関係を認めてほしい」。札幌地裁で9月6日、元北海道職員が北海道などを訴えた裁判が始まりました。誰もが生きやすい社会の実現のために何が必要なのでしょうか。
佐々木 カヲルさん:「がくぜんとしたというか…。こんな差別的なことを当然とするところで働けないなと思いました」
9月6日、札幌地裁で始まった注目の裁判。原告は「同性パートナーとの扶養関係を認めてほしい」などと訴えています。
一方、LGBTなど性的少数者が自分らしく働ける企業も出てきています。
多様性を認め合う社会の実現にいま必要なものとは…
6日に始まった裁判の初弁論。原告は札幌市の佐々木カヲルさん(52)です。同居する同性パートナーとの扶養関係を認めず手当を支給しなかったのは憲法が保障する「法の下の平等に反する」として、北海道などに約483万円の損害賠償を求めています。
佐々木さんは戸籍上は女性ですが、自らを「女ではなく、男ともいえない」と考えています。
原告 佐々木 カヲルさん:「(指輪みせながら)MRI検査した時と指輪を洗浄してサイズ変更した時以外は(指輪を)ずっとしてます」
3年前の春にパートナーと交際を始めた佐々木さん。
その年の6月には札幌市の「パートナーシップ宣誓制度」に登録し7月には同居も始めました。事実婚と変わりなく生活していましたが、北海道などは「同性同士」を理由に扶養手当などの支給を認めませんでした。
原告 佐々木 カヲルさん:「本当にやりがいのある仕事だなと思っていたけど、自分自身のアイデンティティーを崩されることの方が大きくて、夢とか言っている場合じゃなくて自分が壊れちゃうっていう状況になりました」
佐々木さんは2年前、「差別がある職場では働けない」と考え退職しました。9月6日の初弁論で佐々木さんは「個人として尊重され、人が生まれながらに持っているはずの権利を与えて欲しい」と訴えましたが、北海道は請求の棄却を求めました。
一方、誰もが働きやすい環境づくりを進める企業も増え始めています。
もりたさん:「男でも女でもないから何?洋服好きなんでしょ?ていう感じで集まっている人たちはみんな洋服が大好きっていう共通の認識をもっているので、自分らしくいられる」
札幌市の狸小路の「WEGO札幌店」でアルバイトとして働く大学生のもりたさん(19)。戸籍上は男性ですが「自分は男でもないし女でもない」と感じています。
店ではもりたさんの採用以降、アンケート用紙から性別欄を削除するなど多様性や個性をより重要視するようになりました。
また、LGBTなど性的少数者への理解を訴えるパレード『さっぽろレインボープライド』とのコラボTシャツをもりたさんにデザインしてもらうなど、活躍できる場を広げています。
WEGO 事業本部 小松 広幸さん:「スタッフ1人1人が輝ける場所でありたいし、スタッフ1人1人の居場所でありたい」
もりたさん:「自分のやりたいことを自分らしく働けることが一番大事だと思うお給料よりも。この企業で働けてうれしいなって思うことばかり。本当に働きやすさはあります」
誰もが自分らしく働ける社会に。地域の地道な取り組みが続いています。
原告の佐々木さんは裁判後の会見で、「あたり前の権利がマイノリティには与えられていない。多様性について一緒に考える機会になってほしい」と訴えました。
次回裁判は、11月24日に開かれる予定です。
誰もが"自分らしく働ける"社会実現は…元・北海道職員「同性パートナーの扶養認定」訴える 変わる職場も (21/09/06 20:55)
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