コロナ禍で苦境に立つ外食産業。影響は飲食店に魚を卸す鮮魚店にも及んでいます。
そんな中、画期的なサービスで売り上げを伸ばしている鮮魚店がありました。
ヒラメにタイ、ウニなど新鮮な海産物をホテルや飲食店に魚を卸す北海道札幌市西区の「鮮魚 鯔背(いなせ)」。
調理しやすいよう下ごしらえしてくれるのが評判で、売り上げも好調でした。
しかし、「鮮魚 鯔背」の小野 真さんは「コロナの影響で(納品が)ゼロです」と厳しい状況を話してくれました。
飲食店の時短営業などで売り上げが激減したのです。
そこで、自宅でも楽しめるように考案したのが特製の「舟盛」です。
ヒラメ、中トロ、タラバにロブスター、ハッカク、メヌキなど17種類の刺身が盛られた「舟盛」。3~4人前で1万800円です。
小野さんは「これも食べてもらいたいと仕込むと、最終的に舟にネタがのらなくなる」と話します。
特製「舟盛」は5000円から。コロナ禍で外食ができない中、本格的な舟盛を家で楽しめるとあって人気です。
舟盛を買った客は「誕生日祝いで何度かお願いしているけど、いつもおいしい」
店では小売りを週4日間、本格的に始めました。
客から要望を聞き、魚のおいしさを伝えながら販売します。
客は「自分でさばくのは手間がかかるので助かっています」
「スマ(サバ科の高級魚)は刺身とたたき。クリガニはそのまま。晩酌のためです」
「コロナで外出ができないので、カニミソで日本酒を飲もうと思う」
「天気がいいので外でバーベキューする時に焼きます」などと喜んでいます。
客の気持ちをつかんで売り上げを伸ばした店は他にもあります。
コバンザメにマグロの頭など珍しい魚や総菜が並ぶ札幌市北区の「シハチ鮮魚店」です。店の奥にはお酒も飲める食堂もあります。
ここの一番人気は「日替り市場丼」(1045円)ですが…
シハチ鮮魚店の小川 明彦さんは「酒を提供していないので客は減っている」と嘆きます。
そこで始めたのが移動販売です。
5月に冷凍設備のある車を購入し、始めたところ「安くて新鮮」と口コミで広まりました。
販売しているのは、刺身のパックやホッケなどの干物、そして、たこわさびなど。夕食のおかずやおつまみを買い求める人でにぎわっています。
客は「ものが良くて安いので、定期的にあるとすごく良いです」
「カキを焼いてタケノコをゆでてウニ丼を作ります。ご褒美です」
「値段も手ごろで晩酌のおかずに焼いて食べる」
「鮮魚店が来てくれるのはうれしい。早く(コロナが)終息してほしい」と話しています。
家の近くで買えることや、屋外で密にならないことが人気の理由です。
シハチ鮮魚店の漆原 圭介さんは「始めは行かせてくださいと言っていたが、今は逆に(来てくださいと)声をもらっているのでいろいろ行きたい」と話し、求められていると実感しています。
町内会やドラックストアなどから販売に来てほしいと声がかかるほどになりました。専用の冷凍車を増やす計画もあります。
「コロナ禍の逆境を追い風に」
新たなニーズをつかむ、鮮魚店の挑戦に注目です。
コロナ禍で魚の消費にも変化が出ています。
2人以上の世帯の生鮮魚介の購入量は、2019年度は約23キロでしたが、2020年度は約23.9キロとなっています。
購入量は年々下がり続けていて、増えたのは18年ぶりです。
背景にはコロナ禍の巣ごもり需要があると見られています。
豪華“舟盛”を自宅で… 晩酌の“お供”を移動販売車で…鮮魚店のチャレンジ「コロナ禍の逆境を追い風に」 (21/07/03 11:00)
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