65歳以上の高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種は、北海道全体ではまだまだ進んでいません。
しかし後志地方の5つの町と村では1回目が44.7%(7日時点)と、北海道内では突出して接種が進んでいます。
接種率が高い理由には、5町村で工夫を重ねた「余市モデル」と呼ばれる方法がありました。この「余市モデル」、広い北海道で接種率を上げる一つのモデルケースとなりそうです。
接種に来た男性:「(Q:どちらから?)仁木町です」
接種に来た女性:「すぐそこ(余市?)余市です。町内です。もう覚悟決めて」
接種に来た男性:「きょうは積丹町」
接種に来た男性:「古平町からです」
接種に来た男性:「いつも来ている。近い。すぐです」
ここは北海道・余市町の新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場です。なぜ、余市町に周辺地域の高齢者が集まっているのでしょうか。
余市町 斉藤 啓輔 町長:「北後志に関しては『余市モデル』で接種をおこなっているからです」
「余市モデル」とは余市町と古平町、積丹町、仁木町、そして赤井川村の5町村が協力してワクチン接種をすすめる取り組みです。北後志地域に住む人は誰でも、余市町の会場で受けることができます。
余市町 斉藤 啓輔 町長:「各町の住民のかかりつけ医が余市町に集中していることがきっかけ。余市町がとりまとめて一斉に接種するのが合理的と判断しこのようなモデルになっている」
さらに、効率的に進めるため、接種方法にも工夫が…。
余市病院 吉田 秀明 院長:「一回座ったら動く必要はありません。最低限の動きで済むように設計されています」
高齢者は会場に入ると椅子に座って待つだけ。打ち手側の医師と看護師が順番にまわって問診し、ワクチンを打ちます。接種後はその場で待機し、問題がなければ家に帰ることになります。
接種を受ける高齢者の立場で考えたこの方法。取りまとめる余市病院の吉田院長はその理由をこう語ります。
余市病院 吉田 秀明 院長:「今回は高齢者の方が対象。足元が不確かな人もいる。(高齢者が)動くほど転んだり骨折もあり得る。できるだけ動かさない、そういうコンセプト」
運営も工夫しました。会場を4つのエリアに分け、それぞれに医師と看護師を配置。椅子と椅子の間隔も十分にあけました。
余市病院 吉田 秀明 院長:「(看護師が)椅子に座りながら注射している。万が一の緊急事態のときにストレッチャーが走って通れる間隔をあけてあります」
この方法で1日に約1200人に接種しました。
北後志地方では1度目の接種を終えた高齢者は、6月7日時点で約45%に上ります。6月中にすべての高齢者が1度目の接種を終え、9月末には16歳以上の住民すべてが接種を終える見通しです。
余市病院 吉田 秀明 院長:「どれだけ早くどれだけ多くの住民に接種を受けてもらうかここにかかっている。多少無理をしても病院と行政が一体となって、何が何でも打つということです」
65歳以上の高齢者の1回目のワクチン接種率です。
北海道内は15.2%で全国46位と遅れています。(6日時点)
人口が集中している札幌も10.7%(3日時点)と接種が進んでいませんが、後志地方の5つの町と村では44.7%(7日時点)と、「余市モデル」への期待が高まっています。
「余市モデル」は、5町村が1か所で集団接種をし、65歳以上約1万2000人への接種は6月中に終了する見通しです。
「打ち手」が会場を移動して問診、接種、観察を進め効率の良さも特徴です。
地域を横断する形で、人手不足の解消にもつながる「余市モデル」。今後のワクチン接種の一つのモデルケースになりそうです。
もう44%超 5町村まとめて集団接種 "余市モデル"で加速…6月中に65歳以上の1回目終了見通し (21/06/07 20:40)
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