北海道の暮らしをつなぎ、未来を考えるシリーズ「北海道つながるドキュメント」。
2回目は、コロナ禍で苦境に陥った子育て世帯。
SNSを通じて「子育ての緊急事態」を訴えたところ、大きなうねりとなりました。
札幌の女性がツイッターに1本の動画を投稿しました。
小夏さん:「私たちと一緒に声をあげてください。子育てしながら働くことをあきらめずに済む社会を一緒に作りましょう」
それに続いて、「子育て緊急事態宣言」のハッシュタグがついた投稿が広がりました。
「困ったときはお互い様。みんなで支えられる子育て環境にしていきましょう」
子育て中の親たちが、コロナ禍での子育てや仕事の悩みを発信しました。
ツイートは1万7000件にのぼりました。
企画したのは、札幌の小夏さん(28)です。
小夏さん:「子育てに対する思いと、子どもが思っていることを発信できればなと」
小学生の長男・蓮弥くん(8)と3歳の長女・芙莉ちゃん、そして夫との4人暮らしです。
生活はコロナ禍で、大きく変わりました。
きっかけは2020年2月に始まった一斉休校です。
蓮弥くんの学校だけでなく、芙莉ちゃんの保育園も休みになりました。
自営業の夫は仕事を休めず、親戚に子どもを預けることもできませんでした。
芙莉ちゃんが当時2歳だったこともあり、小夏さんが仕事を休むことになりました。
小夏さん:「1日から13日までずっと休みですね。(芙莉ちゃんは)ご飯を食べさせないと食べなかったりするので、子どもたちを家に残していくことはないかな」
休校中に仕事を休んだことで、月収は8万円から3万円に減りました。
一斉休校を機に、国は保護者への助成制度を設けました。
子どもの世話のために休む従業員に、特別の有給休暇を与えた企業に、1人あたり1日最大1万5000円を支払うものです。
しかし、小夏さんはこの制度を使うことができませんでした。勤務先が助成金の申請を行わなかったためです。
「休まずに働いていた保護者と不公平感が出る」と言われました。
小夏さん:「いままで気づいていなかったけど、子どものことで休んでいることに対して、不公平だと思っている人がいたんだなと」
職場に居づらくなり、5年続けていたアパレル販売の仕事を辞め、今はマンションの清掃の仕事をしています。
息子の蓮弥くん、小夏さんを心配していました。
蓮弥くん:「僕のせいで仕事やめたのかな」
自分が学校を休んだから、お母さんは好きな仕事を辞めたのかな。本当にごめんなさい。そう伝えました。
小夏さん:「申し訳なく思っています。子どもなりに心配を感じる部分があるんだな」
コロナ禍で女性が多く働く飲食・サービス業が打撃を受け、「女性不況」と呼ばれる状況が続いています。
NPOなどが行う食品配布などには、若い母親が訪れています。
休校中の保護者への助成制度を使うことができず、仕事を辞めた小夏さん。
こうした状況を変えていくきっかけになればと、仲間と街頭に立ちました。
伝えたのは息子の蓮弥くんの言葉です。
小夏さん:「『ママ、好きだった仕事を辞めさせてしまってごめんね。僕のせいで辞めたんだよね。なんか本当にごめんなさい』と言われました。なぜ私は、子どもにこんなことを言わせないとならないのでしょうか。休校や休まないといけないのは、子どもや親の自己責任ではない」
SNSなどを通じて、小夏さんの活動に賛同してくれる保護者が増えていきました。
お母さんが仕事を辞めたのは、自分のせいだと感じていた蓮弥くんの気持ちにも変化がありました。
蓮弥くん:「安心する。自分のせいじゃないんだって」
そんな蓮弥くんに、うれしい報告ができることになりました。
保護者への助成制度の見直しが決まり、小夏さんも助成金を受け取ることができるようになったのです。
小夏さん:「蓮弥が休みになった間さ、ママ使えるものが使えないて騒いでたじゃん」
蓮弥くん:「うん。バタバタしてたよ」
小夏さん:「それがやっと使えるようになりますよっていう話。よかったね」
蓮弥くん:「うん」
小夏さん:「ここまで長かった」
コロナ禍の子育ての大変さをみんなが感じています。
これからも親たちがつながって乗り越えていくことができたら、と願っています。
コロナ禍で子育ても"緊急事態"「一斉休校」の末に待っていた失職を乗り越えて…SNSでつながる親たち (21/05/29 09:00)
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