コロナ禍での不便な生活が一変するかもしれません。
地域での感染流行をいち早く把握し、範囲を限定した感染拡大防止対策を可能にする研究が北大で行われています。注目したのは誰もが毎日使うあの場所でした。
家庭や施設などから毎日排出されるトイレの水。
北海道大学 北島 正章 助教:「(2020年)12月4日の試料から新型コロナウイルスの変異ウイルスに特徴的な遺伝情報が検出されました」
北海道大学、水質変換工学研究室の北島正章助教は、2020年12月4日国内のある大都市で、トイレから流れ出る下水から変異ウイルスを検出しました。
検出した都市名は非公表ですが、日本で変異ウイルスが初めて確認された、2020年12月25日よりも20日以上も前のことです。
北海道大学 北島 正章 助教:「とある下水処理場で我々が下水を採取している風景。上から床にあるふたを開けてバケツを垂らして採取している」
北島助教の研究チームは2020年4月から全国の数か所の大都市で下水を調べています。
北海道大学 北島 正章 助教:「新型コロナウイルスが"ふん便中"に高濃度に排出される特性を利用して、下水中に排出されたウイルスが下水処理場に集まってくる」
注目したのは、症状のあるなしに関わらず感染者の排せつ物から高濃度のウイルスが検出される点。
さらに、排せつ物が下水として流れ、最後は下水処理場に集まってくるという点です。
北海道大学 北島 正章 助教:「効率よくウイルスの感染流行実態を調査することができる」
この研究、我々のコロナ禍の生活を一変させる可能性があるといいます。実用化された先の将来とは…
北海道大学 北島 正章 助教:「感染から症状が出るまでの間、症状を出す数日前の段階ですでに"ふん便中"へのウイルスの排出が始まっている。高頻度にモニタリングしていると、予兆を検知することができる。そのような情報を早めに提供できるのが大きなメリット」
北大で進められている画期的な研究のきっかけはトイレでした。
排せつ物が混じった下水から、早期に新型コロナウイルスの感染状況が把握でき、感染が拡大する可能性のある地域が、ある程度絞り込めるといいます。うまく活用すると効率的に感染防止対策が行えます。
北海道大学 北島 正章 助教:「基本的には下水から非検出が前提で、出たら対策をとる。一方で出ないときは対策をとる必要は必ずしもない。不必要なPCR検査はする必要がない」
感染地域や拡大の予兆が把握できれば、これまでのように一律の外出自粛要請や時短要請で経済活動を止めることなく、ピンポイントで対策が行えるといいます。
北海道大学 北島 正章 助教:「市民に提供してより市民の役に立つ情報提供を目指したい。2021年の4月以降の実用化を目指しています」
【新型コロナウイルスの下水調査】
●患者は症状の有無にかかわらず"排せつ物"に高濃度のウイルスを含む
→会社・病院、家庭などから集まる下水処理場で下水の調査
【研究が実用化されれば】
●一律の対策
不要不急の外出・往来自粛、午後10時までの時短営業
→下水の感染データを活用し、「地域限定」の対策へ
「下水」から予兆つかみ対策へ活用…"変異ウイルス"も検出 地域限定の対応に期待も (21/03/15 20:20)
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