受注ストップの人気モデル300系ランドクルーザー(以下、ランクル)のユーザーカーに乗ってきました。新型ランクルの正式発売日は2021年8月2日。ハンコ押して事前発注掛けたのは2021年6月2日。そして納車は2022年8月のお盆前。これから発売される人気モデルを狙うなら、いかに事前受注開始のタイミングを逃さないことが重要か、おわかりいただける実例かと思います。
撮影車両は新車転がしの名人として当企画ではおなじみのMAD平塚氏のGRスポーツ(ガソリン車)。新型ランクルはガソリン車5グレード、ディーゼル車2グレードというラインナップです。なぜGRのガソリン車にしたのか?
「ディーゼルは標準車の最上級グレードZXとGRスポーツの2モデルすが、どちらを買おうが乗車定員が5名登録なんです。その点、ガソリン車はエントリーモデルのGXを除き基本的に3列シートを備えた7名乗車なんです。標準車とGRスポーツで選択を悩みましたが、より本格的な走行性能を重視してGRを選びました」という。なるほど。
「だけど人気ある内装色はブラックではなくベージュ系なんですよ特に海外で。現状の残価率は若干ですが標準車がよく、この先はわかりませんが、実際の下取り査定は希少性を含めGRスポーツが有利と踏んでいます。いずれにせよ、世界的人気車なのでリセールバリューは抜群です」。
【ランドクルーザー GR SPORT】※撮影車両
全長×全幅×全高:4,965×1,990×1,925mm
ホイールベース:2,850mm
サスペンション(前後):ダブルウィッシュボーン / トレーリングリンク
最低地上高:225mm
最小回転半径:5.9m
プラットフォーム:GA-F
早速、乗ってみましょう。シフトレーバーをスッとDレンジに入れクリーピングで動き出しアクセルを踏みます。この時、電動式のパーキングブレーキは自動で解除され静々と車体がスタートするのですが、最初のひと転がり(およそ一車身分)から味わい濃厚。滑るようにクルマが進みます。この感触を例えるなら、高級ハンドメイドキャリバーのリューズを巻き上げる感覚に近く、まったく濁りを感じません。ひたすら滑らか。
ロケ地に選んだ三浦半島南部の海岸線の道は視覚的に狭く、また、対向車線のクルマとの擦れ違いも気になるのですが、ランクルの全幅1990mm(ミラー含まず)をあまり意識することなく走らせることができます。GRスポーツの装着タイヤは18インチであり、標準車が装着する20インチとはタイヤのエアボリュームが異なりますが、ステアリングフィールはよくできたラグジュアリーセダンのように、しっとりかつ乗員が不快にならない程度にクルマの動きを変えてくれます。ユッサユッサした200系とは別モノの雰囲気。
エンジンフィールはさすがガソリン車というか、レクサスLSのガソリン車と同じ3.5LのV6ツインターボエンジンV35A-FTS型を搭載しますので、チューニングは異なっても高精度を感じさせるフィールに変わりはありません。トランスミッションは10速ATですが、シームレスに変速していくので、もう何速を使っていようがどーでもいい感じ。エンジン、トランスミッション、サスペンションと統括制御するその一体感に、ただただ感心します。GRスポーツ恐るべし!
現在受注停止中とはいえ、再開時にロケットスタートが決められるよう、現在の仕様でバイヤーズガイド的に悩んでみます。貴方の選択はガソリンorディーゼル? 標準車orGRスポーツ? まずは現時点のパワースペックと価格から確認しましょう。
【ガソリン車】
エンジン:3.5L V6ツインターボ
最高出力:305kW(415ps)/ 5200rpm
最大トルク:650Nm / 2000-3600rpm
WLTP総合(km/L):7.9 / 8.0
オイル交換容量:7.3L
タイヤサイズ:265/65R18
乗車定員:7名(GXのみ5名)
価格:GX 510万円 / AX 550万円 / VX 630万円 / ZX 730万円 / GR SPORT 770万円
【ディーゼル車】
エンジン:3.3L V6ツインターボ
最高出力:227kW(309ps)/ 4000rpm
最大トルク:700Nm / 1600-2600rpm
WLTP総合(km/L):9.7
オイル交換容量:6.6L
タイヤサイズ:265/55R20
乗車定員:5名
価格:ZX 760万円 / GR SPORT 800万円
生死を分けるクロスカントリー系の走破性を備えた骨太のSUVといえば、軍用車起源のメルセデス・ベンツGクラス、元祖ラグジュアリーSUVのレンジローバー、ラングラーとグランドチェロキーの2枚看板で迫るJeepぐらいしか思いつきません。このマーケットに属するのがトヨタ・ランドクルーザーであり、驚くべきは世界最高峰のSUVに510万円から乗れること。いまやジープ・ラングラーさえこの値段じゃ買えません。
ランクル選びに戻ります。まず、パワーユニットはお好きな方をという感じ。ただし、ディーゼルは乗車定員が5名になります。ランクル開発陣によれば「歴代ディーゼル搭載車は5名乗車」ということで7名乗車はアタマになかった模様(多分)。しかし、時代は変わったのでMCの際は7名乗車仕様も作ってください(構造上なんら不都合はないそうです)。
新開発のラダーフレームは軽量かつ高剛性(20%向上)。ボディは高張力鋼板を多用し、また、エンジンフードやドア、ルーフをアルミ製とすることで200kgの軽量化に成功。さらにダカールラリーのノウハウを投入しサスペンションの取り付け部など改善。これらの点はエントリーグレードから最上級グレードまでなんら変わるところはありません。
ダカールラリーのノウハウをもっとも具現化したモデルがGRスポーツです。外観はご覧の違いですが、電子制御のスタビライザーとAVS(連続可変式ダンパー)、バネ定数を統括制御するE-KDSSの搭載が標準車と異なります。また、前後のデフロックは電磁式ですが、標準車ではオプションで後輪側だけ装備可能でした。
ランクルの使用範囲をラグジュアリーな街乗りSUVと捉えれば、ボディカラー同様に内装色の設定が気になります。多少の違いはあれブラックのインテリアは両モデルに設定されますが、ニュートラルベージュの内装は標準車しか選択できません。GRスポーツのバリエーションは専用のブラック&ダークレッドの2トーンカラーが用意されているという具合。
次に価格と装備を軸に選んでみます。ディーゼル車は標準車とGRスポーツの2グレードしかありませんので、この先は事実上、ガソリン車のラインナップから最適解を見つけることになります。
アドヴェンチャー資質をもつランクルですが、世界的ラグジュアリーSUVであるならば個人的にはステアリングヒーターが必要不可欠。そうなると最低でもVXを選ばなければなりません。また、快適温熱シート∔シートベンチレーションはVXが前席のみ。ZXとGRスポーツでは後席(2列目)も装備されます。徐々に予算が増えてきました。
ひとつ気になったのは、GX(上の画像)とAXにはシートヒーターが未装備なことで、メーカーオプションの設定さえありません。つまり、装備の充実度でいえばVXが分岐点であり、さらに最上級のZXとGRスポーツならLEDシーケンシャルターンランプという特権的装備が標準であり、他のグレードでは装備することができません。主要安全装備は全車抜かりなく標準搭載といって過言ではなく、この点はご自身で確認していただければと思います。
ココまでは積み上げ式にマイ・ランドクルーザーを吟味してきましたが、最後に全部乗せスタイルで大盤振る舞いしてみましょう。
高額なのはやはりフルスペック搭載のコネクト系で、T-Connectナビゲーションシステム45万7600円(JBLプレミアムサウンドシステム)+ITS Connect2万7500円+リヤシートエンターテインメントシステム17万4900円+タイヤ空気圧警報システム2万2000円+クールボックス7万1500円でメーカーオプション合計はザックリ70万円強とでました。
ちなみに寒冷地仕様2万5300円とヒッチメンバー7万7000円はお好みで。なお、積み上げた金額は税込み価格であり、グレードにより同じ装備でも価格に差が生じることもあります。
結論です。走破性を望めばその機能を使う使わないを別にしてGRスポーツ一択に。標準車に盛り込める機能系オプションはリアの電動デフロック(ZX 2万2000円/VX・AX・GX 5万5000円 )
なので、標準車がお好みの方はお安いので発注書に盛り込みましょう。チルト&スライド電動ムーンルーフはVXとAXにメーカーオプション(ともに11万円)です。もう欲張りませんという方は、シリーズ最軽量の車両重量2360kgを誇るGXに乗るべきか? 同じガソリン車で比較すればGRスポーツより160kgも軽いのですから乗り味は違うでしょう。
さて、動画内後半のドライブは女性を代表してアイリ嬢にステアリングを委ねます。比較的大きなSUVを日常遣いするシーンは港区界隈では見慣れた風景です。また、老若男女幅広く同乗走行を開発時に取り入れるのはダイムラーも実施中。決してタヌキたちがおヘソや太モモを見たいからではありません。いや~ランクル最高でした。いまは再受注開始のアナウンスを待つばかりであります。
Special thanks:Toshiki Hiratsuka
Video:Yoshihide Shoshima
Video Edit:Harumi Airi
Text:Seiichi Norishige
トヨタ・ランドクルーザー
https://toyota.jp/landcruiser/
「これ好き!」がきっと見つかる!
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