高市首相は衆議院の予算委員会で、「台湾有事」について、武力行使を伴うものであれば「存立危機事態」になりうるとした先週の自身の答弁は、従来の政府見解に沿っており「撤回するつもりはない」と述べました。
このニュースについて、フジテレビ・高田圭太政治部長とともに詳しくお伝えします。
「存立危機事態」とは、集団的自衛権を行使する前提条件になっているものです。
具体的には、日本と密接な関係にある他の国が、さらに他の国から武力攻撃を受けたという場合、これによって「日本の存立が脅かされ国民の生命・自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明確な危険がある」という事態を指しています。
仮に、中国が台湾に対して武力攻撃をした場合、台湾を支援しているアメリカ軍の部隊やアメリカ軍の基地などを中国が攻撃する可能性があります。
これが存立危機事態にあたるかどうかが、たびたびこれまで10年ぐらいずっと議論されてきたわけです。
これまでの国会の答弁でいうと、岸田首相の時には「一概に述べることは困難」と具体的に触れずに答弁されてきましたが、7日に高市首相は「戦艦を使って武力の行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースであると考えている」と具体的に述べました。
宮司愛海キャスター:
いわば日本が攻撃されていなくても武力行使ができるという具体例に初めて言及したともいえるわけですけれど、橋下さんはこの発言についてどのように受け止められますか?
SPキャスター・橋下徹氏:
考えていけば存立危機事態になるんですよ。だから素直に高市さんは言われたのかなと思うんですが、高市さんは、僕がずっと高市さんの国会議員時代の発言に懸念を抱いていたのは、勇ましい発言がすごく多かったんですよ。
ただ、総理になって全部それを撤回してきて、現実的な政治をされるのかと思ったんですが、ちょっと高市さんの勇ましさみたいなものが出てしまったのかなと。
僕は存立危機事態になるという発言は、メッセージはいいんだけれども、今、日本に対応できるだけの自衛力・防衛力、それがあるのかと。力に合わせた発言をしないと大変な事態になると僕は思いますね。
宮司愛海キャスター:
実態を踏まえて言ったのかどうかというところ。高田さん、なぜここまで踏み込んだ発言になったと思いますか?
フジテレビ・高田圭太政治部長:
台湾有事について、様々な場で、この場合だったら存立危機事態に当てはまるのかどうかというシミュレーションはいっぱいやっているわけで、高市さんもこれまでそうした議論に触れることがあって、総裁選中も言及することがあったわけですが、その中で昨日、そもそも立憲民主党から、「そういった発言があったけれども総理としてはちょっと修正してほしいな」という意味合いで質問したんですが、高市さんとしては議論の中であるべき自分の思いということで。
これまで政府は何かを言っても得ではないと。中国を刺激したり、具体的なケースを言っても定義できるわけではないから難しいよねという考えだったんですが、高市さんはあえて、ちょっと踏み込んだと。ただ、あくまでも「なりうる」という言い方なので、一応まだ「あくまで可能性」ということではありますが、半歩踏み越えた発言にはなったと。
この発言に関して10日の国会でも指摘がありましたが、高市首相としては、「最悪のケースを想定して答弁した。いかなる事態が存立危機事態に該当するかは実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府がすべての情報を総合的に判断するものである」と言葉自体は撤回しないという発言でした。
宮司愛海キャスター:
撤回をしなかったわけだけれども、少し態度としては軟化させたような印象がありますが、橋下さん、今日の発言はどう受け止めますか?
SPキャスター・橋下徹氏:
「政府の見解としない」ということなので、従来と同じだということだと思うんですよ。靖国参拝問題についても、高市さんは「中国や韓国の声なんかは聞かなくていい」と「総理として行くんだ」と言い続けて、今回は行っていないんですね。中国と韓国の声に配慮したわけです。
であれば、こういう問題に関しても、今、日本にそれだけの防衛力とか自衛力が備わっていない中で、中国なんか関係ない、言ってやれ、みたいな態度はやめてほしいと思います。
僕はしっかりと、1990年に中国の鄧小平さんが「韜光養晦(とうこうようかい)」といって「力を備えるまではキャンキャン吠えるな」と、「力を持ってからやるんだったら行動を起こせ」と。僕は日本もそうあるべきだと思っているので、今の中国と存立危機事態ということになれば、中国とまさに武力衝突になることを前提にする話だから、もうちょっと日本の現実、力を蓄えてからの態度に出てもらいたいなと思います。
宮司愛海キャスター:
そういう意味でいうと、高田さん、中国との関係に何か影響が出たりしますか?
フジテレビ・高田圭太政治部長:
中国が今回のことを踏まえて何かしらの所謂“いやがらせ”とか、たまに中国はやってくるので、そういうことをやってくるとも限らないので、しっかりと日本政府としては、「これまでの答弁と『なり得る』ですから変わりませんよ」ということをしっかり説明していくことが大事なんだと思います。
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高市首相発言の「存立危機事態」とは…“あくまで可能性”という言い方も橋下氏「力に合わせた発言をしないと大変な事態に」
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