28日から始まった安倍元首相の銃撃事件で殺人などの罪に問われている山上徹也被告(45)の裁判の行方を、平松秀敏解説副委員長と見ていきます。
平松さんによりますとこの裁判、山上被告が安倍元首相を殺害したことは認めているということで有罪は間違いないということですが、その上で争点となるのが量刑だといいます。
平松秀敏解説副委員長:
どれぐらいの判決になるのか量刑になるのかが争点にもかかわらず、実は裁判が全部で18回、19回予定されている。かなり驚きの回数なんです。この点でもかなり前代未聞な裁判だと思います。
28日から始まった裁判は、予備日を含めて全部で19回予定されています。
判決が2026年1月21日となっています。
そして29日が公判2日目だったわけですが、山上被告は28日はかけていなかった眼鏡をかけて29日は出廷しました。
検察側の証拠の説明が行われ、それから安倍元首相が銃撃された際にすぐ近くにいたという佐藤啓参院議員が出廷したということです。
青井実キャスター:
検察側の証人で出廷したわけですが、これについてはどう見ますか?
平松秀敏解説副委員長:
選挙運動中の街頭演説中に首相を経験した政治家が殺害される、しかも聴衆の面前でというのはかなり重大な事案ですから、その事案の重大性を明らかにする。しかも残虐性、あとは危険性を立証する上ではふさわしい証人だろうと思いますね。
今回の裁判での双方の主張を見ていきます。
28日の初公判で明らかになっていた部分もありますが、検察側はまず動機については、山上被告は旧統一教会に恨みがあり、教団に関係がある安倍氏を襲撃すれば教団に注目や批判が集まると考えたと指摘しています。
その上で、多数の聴衆が存在する中で、元首相が白昼堂々殺害されたという戦後史上例を見ない極めて重大な事件だと話しています。
そして、前例を見ない極めて重大な結果と社会的反響をもたらしたと指摘しました。
一方で、弁護側は次のように指摘しています。
まず山上被告の生い立ちについて、生まれ育った環境は母親が旧統一教会の信者だったことによる宗教虐待にあたると指摘をしました。
その上で犯行動機については、山上被告の性格や行動の傾向は宗教虐待の影響を受けている。
そのため、犯行動機や経緯は刑の重さを判断する際に十分に考慮されるべきだというのが弁護側の主張です。
青井実キャスター:
ここまで見ると検察側は情状酌量を否定しているわけですが、その理由はどう見ますか?
平松秀敏解説副委員長:
至ってシンプルで、要は宗教虐待などの不遇の方はたくさんいる。たくさんいるけれども犯罪を起こしている人はほとんどいないじゃないかと。だから不遇な生い立ちというのは犯罪を起こす理由や背景にはならないと。山上被告に至ってはその勝手な思い込みと恨みから犯行を起こしたもので、その生い立ちは許してあげるような材料にはなりませんよということです。
青井実キャスター:
弁護側は犯行動機や経緯は刑の重さを判断する際、十分に考慮されるべきだということで情状酌量が認められるという主張です。
平松秀敏解説副委員長:
性格や行動傾向は宗教虐待の影響にある。要は、今回の事件の背景には宗教虐待が深く根差していると。生い立ちというのは単なる生育の事情じゃなくて、情状酌量が認められるケースなんだよという主張です。
青井実キャスター:
一体どれぐらいの量刑が考えられるかについて見ていきたいですが、その辺りは?
平松秀敏解説副委員長:
非常に前例のない事件なんですが、実は平成以降、残念なことなんですけど政治家が命を落とした殺害事件が2件起きている。1件は私、現場を取材したので覚えていますが2002年、石井紘基さんが自宅の前で殺害された事件が起きた。その5年後、2007年には長崎市の伊藤一長市長が銃撃されて殺害される事件が起きています。この2件というのは、いずれも無期懲役の判決でした。おそらく今回の事件でもこの無期懲役の2件を参考にして判決を言い渡すと思うんですが、ただ安倍さんの事件については事案の重要性、社会的影響がはるかに大きいですから、そうなると無期懲役求刑もしくは死刑求刑もあるんじゃないかと私は予測しています。
宮司愛海キャスター:
そうなると弁護側は山上被告の犯行を認めていますが、どういうふうに出てくるものでしょうか?
平松秀敏解説副委員長:
生い立ちだとか宗教虐待について証人・証言を積み上げていって、何とか情状酌量をアピールすることになると思います。
青井実キャスター:
パックンはどう見ますか?
SPキャスター パトリック・ハーラン氏(パックン):
弁護側が情状酌量を求めるんだったら、まず裁判官・裁判員の皆さんに何で育ちが犯行につながったのかを説明しなきゃいけない。動機とか本人の心境を理解してもらわないといけないから、皆さんの頭の中にも疑問として思い浮かんでいるつながりの部分、宗教団体を恨んでいても何でこれが攻撃につながるのか、その説明、立証はどうするのか気になりますね。
青井実キャスター:
今後、この裁判はどう進みますか?
平松秀敏解説副委員長:
今パックンが言ったように、いかに弁護側がつながりだとか宗教虐待の影響を法廷で明らかにできるのかが、裁判の一番のポイントになってくると思います。
FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/
【解説】安倍氏襲撃の山上被告殺人罪認め「量刑」が争点に…弁護側が主張する宗教虐待、情状酌量は認められるのか?
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