22日に公示された参議院選挙。戦後の国政選挙で初めて女性候補者の割合が3割を超えました。女性活躍が進んでいるとも言えますが、仕事によってはまだまだ女性に対する風当たりが強い職業もあります。過疎が進む街で女性だけのチームを立ち上げた女性漁師を取材しました。
三重県尾鷲市、夜明け前の港で船に乗り込むのは、田中りみさん。5年目の女性漁師です。
港から船でおよそ40分。見えてきたのは、長さ200メートルを超える巨大な網。田中さんは主に、熊野灘沖に定置網を仕掛ける漁を行っています。
(田中さん)
「でかいでかい。鯛ですね」
熊野市の小さな漁村で育った田中さん。幼い頃から漁師になることを夢見ていましたが、漁師の父親から反対され続けていました。
(田中さん)
「元々父もおじいちゃんも漁師で、私もなりたかったんですけど『女の子はダメ』って」
地元の高校を卒業後、職を転々とし、5年前、現在の水産会社に「漁師になりたい」と打ち明け、念願の漁師に。決して楽ではない力仕事もこなしてきましたが、「女性は船に乗るべきではない」という偏見は根強いといいます。
(田中さん)
「勉強のために乗せてほしいといっても、いまだに女性はダメと言われることがある」
そんな偏見をなくそうと、 田中さんはある行動に出ました。三重県では珍しい、女性だけの漁師チームを立ち上げたのです。導入したのは、一般的な定置網の5分の1の大きさの「超小型定置網」。女性や子どもでも 漁ができるよう工夫しました。
小型の網には、市場では値段のつかない小さな魚が獲れることもあり、田中さんたちは、こういった魚も加工して、商品にしています。
三重県では県外に就職する若者が増え、漁師の数は右肩下がりに減っています。サンマ漁が有名だった田中さんの地元でも、かつて20隻あったというサンマ漁船は、わずか3隻に。
国は漁業人口を増やすために、未経験の若者への研修会を開いたり、経済的な支援制度を作ったりしていますが、田中さんは、さらに手厚い 支援が必要だと話します。
(田中さん)
「漁師が減っている、衰退している。これまでと同じやり方ではだめだと思う」*
そんな田中さんに、選挙に望むことを尋ねると。
(田中さん)
「女の子の職業選択に漁師という仕事を作りたい。私たちだけでは活動にも限界はあるので、女の子でも活躍できる制度があるといいなと思います」*
「女の子の職業選択に漁師という仕事を」定置網漁の女性漁師が選挙に望むこと(2022/6/23)
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