ことし2月、岐阜県の観光名所「白川郷」で唯一の温泉宿が火事で焼け、創業者が亡くなりました。亡き祖父の思いを継いだ家族が温泉宿の再建に向け、歩み始めました。
CBCテレビ
岐阜県白川村の白川郷、合掌造り集落が世界遺産に登録されています。その集落の入り口にあるのが、村唯一の温泉宿「白川郷の湯」です。
(白川郷の湯 渡辺慎弥・副支配人)
「中の方に、ご案内させていただきます」
副支配人の渡辺慎弥さんに施設を案内してもらうと…。
(白川郷の湯 渡辺慎弥・副支配人)
「いろいろ片付けが進んでいるが、この上に曲がった鉄骨などが残っていた」
焼け焦げた壁に、むき出しの鉄骨。実は、この温泉宿、ことし2月10日に火事があったのです。全焼は免れたものの、2年前に改修したばかりの施設の2階部分が焼け落ちました。現在、休業中です。
(白川郷の湯 渡辺慎弥・副支配人)
「本当に、ここで起こっているのかなと。頭が真っ白で」
さらにこの火事で、渡辺さんの祖父で創業者の静雄さん(86)が亡くなりました。
(近所の人)
「本当に惜しい人を亡くした。白川郷を引っ張っていく筆頭になる方だった」
そして、この温泉宿の敷地内には“ある追悼碑”が立っています。火事の被害はありませんでしたが、実は2004年に東海北陸自動車道で起きたセンターラインをはみ出したトラックと乗用車の衝突事故で静雄さんの娘一家5人が亡くなりました。その追悼碑だったのです。
(2004年の葬儀)
「悲しくて切なくて、とても辛いです。もっとやりたいことあったよね」
その後、静雄さんは事故撲滅を願い、東海北陸道の片側2車線化を国に訴え続け、2019年までに事故現場を含む一部区間の片側2車線化が実現。孫の慎弥さんは、静雄さんは事故後も家族や地域のことを思い、奮闘し続けていたと振り返ります。
(白川郷の湯 渡辺慎弥・副支配人)
「(事故は)開業してすぐの出来事だったので、祖父も悔しかったでしょうし。『こういう事故は二度と起こってほしくはない』という強い思いで実行していた」
また、この温泉宿を通して村を更に盛り上げたいという熱い思いも直前まであったと言います。
(白川郷の湯 渡辺慎弥・副支配人)
「まだまだ志半ばで他界してしまったので。意志も継ぎつつ新しい考えも取り入れながら頑張っていきたい」
「白川郷の湯」は、ことし秋ごろの営業再開を目指しています。
火事で焼失「白川郷の湯」再建へ 家族5人を事故で亡くした“祖父の思い”受け継いで… 世界遺産「白川郷」唯一の温泉宿(2022/6/6)
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