2022年1月、名古屋市南区にオープンしたばかりのカフェ。
名前は「街と珈琲」。
香ばしい香りが漂うその店内は、一見普通のオシャレなカフェ。
しかし、奥に進むと…少し変わった大きな棚が!
お菓子に野菜、そしてアクセサリーなど様々なものが置かれていて、多くのお客さんが手を伸ばします。
これはいったい?
(「街と珈琲」服部浩太郎さん)「街箱といって小さな商店街になっている。たくさんの夢が詰まった箱」
棚の正体は「小さな商店街・街箱」。箱一つを月額4400円で貸し出し、利用者は、好きなものを何でも置いて販売することができます。オープンして1か月半で、43個ある箱は全て埋まった状態に!
店を訪れたお客さんは、好きな商品を選んで、その場で料金を支払いコーヒーを飲みながらゆったり時を過ごします。
(訪れた人)
「かわいいなと思って買った。違うジャンルなどいろいろ見られて楽しい」
「おいしそうだなと。見たことないようなものも紹介されていてすごく楽しい」
カフェのマスター・服部浩太郎さん43歳。
(服部浩太郎さん)「時々言われるが『コーヒー豆を見る目が愛おしすぎる』と。豆かわいい」
大学生の頃、イタリアで飲んだコーヒーに惚れ込み、カフェ業界へ。南区の店で18年間働いたのち、この「街とコーヒー」をオープンさせました。
「街箱」を作ったワケは…
(服部浩太郎さん)「僕自身が幼い時の記憶に商店街がにぎやかだった記憶があって、もう一度にぎやかな街を取り戻したいと思って」
服部さんは南区・呼続の生まれ。家のそばには商店街があり、幼いころからよく通っていました。人とのつながりが生まれる商店街が大好きだったという服部さん。
しかし、大型ショッピングセンターの誕生などで多くの店が閉店し、今はシャッター街に。街のにぎわいを取り戻そうと、利用者と客をつなぐ小さな商店街「街箱」を作ったのです。
(服部浩太郎さん)「まずはこの街箱を使っている人が本当の店舗をもつ。店を持つことは大変だけどこんなに楽しいことなんだと実感してほしい」
いったいどんな人が街箱を利用するのか。
コチラの箱にあるのは「パンの模型」。置いたのは尾関章子さん47歳です。
街箱の利用料を払うことで、月に1度自分で作ったパンを、カフェの店頭で販売させてもらっています。
(客)「イチジククルミください」
この日はお客さんが殺到。2時間も経たないうちに100個あったパンは売り切れに。
(尾関章子さん)「うれしい。皆さんが来てくれてありがたい」
10年前までパン教室の講師をしていた尾関さん。今は、自宅でパンを作り、金曜と土曜の週2日、そのまま自宅で販売しています。5歳の娘を育てながらの仕込み作業。この日は午前2時に起きたといいます。
(尾関章子さん)「そんなに早く起きる仕事をするつもりはなかったんですけど。なっちゃった。」
(記者)「苦痛じゃないですか?」
(尾関章子さん)「楽しいし、自分の時間も持てるのでいい」
夫は会社勤めをしていて、20種類およそ100個のパンを一人で。
(尾関章子さん)「きょう髪の毛どうする?
(娘さん)「昨日の髪形」
(尾関章子さん)「はーい。ちょっと待っててね」
朝は時間との戦いです。
そんな尾関さんの夢は、ここ呼続にイートインができるパン屋さんを開くこと。街を盛り上げたいというカフェのマスター服部さんの思いに共感し、「街箱」を利用しました。
(尾関章子さん)「お茶を飲みながらパンを食べて美味しいコーヒー飲みながらちょっとゆっくりできる空間が作れたらいいなって思っている。呼続の街でやりたい」
小さな商店街「街箱」。置いてあるのは、食べ物だけではありません。
子供用のアクセサリーに…こちらは子どもの図工作品。
「より多くの人に見てほしい」と母親が置いていったそう。
そしてこの日、親子3人で置きにきたのが…
(市川翼さん)「大豆の種を置きました」
大豆や野菜の種。市川翼さん38歳。いったいなぜ種なんでしょうか。
(市川翼さん)「コミュニケーションが不足しているなと思う。外にも出られないので閉塞感がある」
産婦人科や福祉施設の看護師として働く市川さん。新型コロナの影響で「人と人のつながり」が薄れていることを肌で感じてきました。
6年ほど前、娘に「サツマイモほりがしたい」と言われて始めた家庭菜園。
いつかここ呼続に地域の人たちが気軽に集まれる「菜園」を作るのが市川さんの夢です。
(市川翼さん)「みんなで集える『コミュニティ菜園』を作ってコミュニティナースという立場として、街のお節介役みたいな感じ。子供から大人、おじいちゃんおばあちゃんまで楽しめる場所でみんなを元気にしていきたい」
カフェの「街箱」に置いた種は、意外にも人気を集めていました。
(訪れた人)「ぜひ植えてみようかなと思った。息子がいるので一緒に楽しみたい」
「これなんだろうと思って。見たことない種だなと」
市川さんはマスターの服部さんに許可をもらい、カフェの外にちょっとした庭を作ってみることに。すると、店内のお客さんたちも集まってきました。
(訪れた人)「(土に)触れる体験ってなかなかできない。ここから始まる“つながり”は素敵」
たった一つの種が人と人をつなぎます。
地元の人たちの夢が詰まった「小さな商店街・街箱」
(服部浩太郎さん)「この地域の人とも街箱を通じてつながっている。こんなに早くうまくいくとは思っていなくて」
(記者)「できそうですか? 商店街」
(服部浩太郎さん)「作ります」
「呼続商店街」の芽が出る日は そう遠くないかもしれません。
#チャント #カフェの中に商店街 #街箱
2022年3月9日放送 CBCテレビ「チャント!」より
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カフェの中に小さな“商店街”!? 夢が詰まった「街箱」から生まれる素敵なつながり
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