町長リコール運動で揺れる愛知県東栄町。解職の是非を問う住民投票の実施が確定しました。背景には、過疎地の深刻な医療体制の問題が。
金田裕之さん(58)。人工透析のため午前7時半に自宅を出て、片道約1時間かけて静岡県浜松市の病院に通っています。
「通うのが大変。週に3回。月水金の午前中に(透析に通っている)」(金田裕之さん)
東栄町は人口約3000人。町は、過疎化や医師の確保が困難なことなどを理由に、町営の東栄医療センターでの人工透析を去年3月中止に。救急医療や入院病床もなくなりました。
人工透析を受けていた患者の中には、愛知県内の別の病院に病院の送迎で通うことになった人もいますが、金田さんは、同居する93歳の母親の世話と自分の透析を両立させるには、浜松の病院しか時間の都合が合わなかったのです。
「透析治療を残すことは難しいと思うが、(町の)考えが変わった理由をはっきり聞かされていない。透析患者に対しては」(金田裕之さん)
東栄医療センターは、2017年度以降、毎年2億円以上の赤字で、町は医療体制の縮小を余儀なくされています。
「(今までの医療体制を)本来なら続けていきたいが、今の現状では非常に難しい。なかなか山間地すべてに医師を回してもらえるわけではない」(村上孝治・東栄町長)
町は、規模を小さくした新しい医療センターを建設する方針ですが…
「救急車で運ばれても救急医療がなくなったので、不安がずっとある」
(町民)
住民団体はことし3月、人工透析の再開などを求め署名集めを開始。条例改正案を議会に提出しますが、反対多数で否決されます。
そのさなか、村上孝治町長の後援会が、署名の中身を疑うよう促すチラシを町民に配布したことなどから、町長への不信感が高まり、リコール運動に発展したのです。
東栄町の選管は16日、有効署名数が必要数を上回ったことが確定したことを発表、住民投票が実施されることになりました。
自治体トップの解職の是非を問う住民投票は、記録が残る1970年度以降、愛知県では初めてです。
6月17日から60日以内、8月15日までに実施され、有効投票の過半数が賛成だった場合、失職となります。
村上町長は「近く会見を開きコメントする」と話しています。(17日18:45)
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町長リコール…山間の町で何が?県初の住民投票へ ”医療体制が縮小する”
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