神戸市のマンションで片山恵さん(24)が殺害された事件で、警察は27日、谷本将志容疑者(35)が住む社員寮を家宅捜索しました。
谷本容疑者の部屋の広さは四畳半。半分をベッドが占め、家電は冷蔵庫と電子レンジだけ。干したままの洗濯物、丸められた掛け布団。飲みかけのペットボトルやピザの空き箱。部屋には、生活感がそのまま残っていました。雑然とした室内で目を引いたのは、枕元の2つの位牌。
谷本容疑者は、片山さんについては「全く知らない人」と話しています。
同じように面識のない女性を狙った事件は、これまでもありました。
2022年、ストーカー規制法違反などで、執行猶予付きの有罪判決が言い渡されただけではなく、2020年にも、同じ違反などで罰金の略式命令を受けていたことが新たに明らかになりました。
3つのケースに共通していたのは、被害者は、いずれも見ず知らずの女性だったこと。そのあとをつけ、オートロックを突破する、いわゆる“共連れ”という手口。こうした行動は今回も重なっています。
谷本容疑者は、夏休みをとって、事件3日前の17日から神戸を訪れていました。
神戸に着いた当日、谷本容疑者とみられる男は、別の女性のあとをつけ、マンションのオートロックをすり抜け、侵入していたことが捜査関係者への取材で明らかになりました。谷本容疑者が逮捕されたあと、女性からの相談で発覚しました。
その翌日には、片山さんの会社近くの防犯カメラに容疑者とみられる男の姿があり、玄関に目線をやる様子も映っていました。このとき、すでに片山さんを目標に定めていた可能性もあります。
逃走時についても、慌てた様子はみられませんでした。
徒歩で北へ逃げたあと、すぐにタクシーで宿泊先のホテルへ。スーツケースを回収すると、午後8時ごろには、別のタクシーで新神戸駅に向かい、そのまま新幹線に乗り込み、東京へ戻ったとみられています。この2日後の22日、奥多摩町の路上で身柄を確保されました。
事件から1週間。現場には、いまも献花に訪れる人が絶えません。
娘が片山さんと同い年
「まだまだ先が長いのに、他人事じゃない。かわいそう。こんなことになるなら、一人暮らしさせなかったらよかったと。親御さんがこれから先、一生思うのかと思ったら、他人事じゃない。つらい」
片山さんと同年代
「いろいろ怖かったと思うので、落ち着いて安らかに、眠っていただければと手を合わせた。正直、びっくりして他人事ではない。本当に怖い」
谷本容疑者が3年前に同じような犯行に及んでいたことは判明していましたが、5年前にも同じような犯行を繰り返していたことがわかりました。いずれの事件においても、発生場所は神戸市中央区、オートロックをすり抜けて侵入という共通点があります。狙われた女性に関しては、全員が20代で、面識がないということです。
さらに、今回の事件の3日前にも、谷本容疑者とみられる男が、神戸市中央区に住む別の20代女性のあとをつけ、マンションのオートロックをすり抜けて侵入。女性にけがはなかったことが明らかになりました。
◆犯罪心理学者の出口保行氏に聞きました。
出口さんは「同じような犯罪を繰り返す人物は、過去の犯行を再現して、当時の刺激や興奮を得たいと考える。誰でもいいので、気に入った女性を襲うことが目的だったのでは。対象者を探している段階から、楽しんでいた可能性がある」と指摘します。
また、今回の事件は、犯行場所や手口が過去の事件と似ていて、さらに、刃物で刺すと犯行が悪質化していることから、出口さんは「こうした犯罪はエスカレート型。逮捕される可能性があることを、十分、承知したうえで、さらに強い刺激を求めて行動したのではないか」といいます。
繰り返される犯罪を防ぐことはできないのでしょうか。
警察庁は、去年から、ストーカー規制法に基づく“禁止命令等”を受けた加害者全員に対し、治療やカウンセリングを受けるよう、促す取り組みを始めました。しかし、強制力がないため、実際に治療などを受けたのは、加害者全体の約6%にとどまっています
加害者を治療につなげる活動を行っているNPO法人ヒューマニティの小早川明子さんは「ストーカーは強い“欲求”があり、自らの行動を制御できない。再犯の防止には、欲求を抑えるための治療が大事。警察が治療を働きかけても、加害者は心理的に抵抗があり、限界がある。加害者には、刑罰とともに治療も命じられる仕組みが必要」としています。
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp
オートロック“共連れ”繰り返す…3日前も別の女性の後をつけたか 神戸女性刺殺事件【報道ステーション】(2025年8月27日)
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