大分県津久見市の沖合で、砂利運搬船とヨットが衝突する事故が起きました。
13日午前8時過ぎ、運搬船の船長から「ヨットと衝突した。ヨットには複数名、乗船していたようだが詳細は不明」と海上保安署に通報がありました。
午前10時、現場から数キロ離れた海で、ヨットに乗っていた医師の山本真さん(70)が心肺停止の状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されました。
13日夜、山本さんの妻が取材に応じました。
亡くなった山本さんの妻
「ちょっと夢を見ているような、現実とは思えないような。『いやいや、そんなことないんじゃないかな』と。前も1回、行方不明になったことがあったけど、そのときもちゃんと、よそのところに着いていたので、また、そうなんじゃないかなと思いながら、津久見に行って、間違いなく、真だと」
山本さんは、10日、佐伯市で行われたヨットレースに参加。3位に入賞しました。山本さんは、13日朝、自宅がある大分市にヨットを戻すため、佐伯の港を出たそうです。
大分県セーリング連盟 西山隆副会長
「片方は鉄船、約500トンの船。それがFRPの船にぶつかれば、当然バラバラになる。一気に沈んだと思う」
運搬船の船長が「ヨットには複数名、乗船していたようだ」と証言しています。
大分県セーリング連盟 西山隆副会長
「うちの会長が見送りしている。1人しか乗っていなかったのを視認している。(ヨットが)バラバラになっていると、中からライフジャケット等が浮いてくる。相手の船が、人が乗っていると見間違えた可能性はある」
鹿児島市に本社を構える物流会社の砂利採取運搬船は、13日朝、豊後水道に入りました。
衝突事故が起きたのは、大分県津久見市の保戸島沖。物流会社によりますと、津久見港のそばにある山の砂利を載せて、その後、鹿児島港に向かう予定でした。まだ、砂利を積んでいない状態だったそうです。
事故当時の天候は晴れ。運搬船の船長は、こう話しているそうです。
運搬船の船長
「風は穏やかで、見通しは悪くなかった」
ただ、海保によりますと、視程が『不良』だったとの情報もあります。
大分県セーリング連盟 西山隆副会長
「霧が出てガスってしまって、視界が100メートル以下になっていたのが、一番の原因。双方の船が、相手を視認するのが遅れてしまった。海保の話だと」
亡くなった山本さんの妻
「家族が言うのもおこがましいかもしれないですが、患者さんのことを一番に考える、優しい人だったと思います。(Q.どんな言葉をかけた)『苦しかったのかな。もっと早く見つけてあげたかった』と声をかけました。(Q.真さんと最後に話したのは)きのうの夕方、ここで。私が、名古屋に母の初盆で帰っていたものですから、真が好きだった赤福餅を買ってきたよみたいなことを言ったのが、最後になりました」
13日夜、大分海上保安部は、ヨットに乗っていたのが、山本さん1人だったと断定して、捜索を終えたと発表しました。
◆事故は、どのように起こったのでしょうか。考えられる原因について、水難学会・理事の斎藤秀俊さんに聞きました。
斎藤さんは「最も考えられる原因は、視界不良」だといいます。
「視界が100メートル以下だった」という話もありましたが、大分海上保安部によりますと、実際の事故当時の天候は晴れで、波は穏やかだったが、見通しが利く距離は、最大でも200メートルで、視程不良の状態だったということです。
衝突時の速度など、詳しい状況は判明していませんが、斎藤さんは「運搬船とヨットが200メートル離れた位置から、衝突するまでにかかる時間は、一般的な運航スピードだと十数秒程度。双方ともに、この間での回避行動は難しかったと考えられる」といいます。
それぞれ回避がどう難しいのでしょうか。
まず、ヨット側。斎藤さんによりますと、ヨットの操縦者は、エンジンを搭載していても、十数秒の間にエンジンをかけ、稼働し、さらに、アクセルをかけなければならないといいます。視認してから回避するまでに、時間が足りません。
一方、運搬船側ですが、運搬船が障害物を確認するのは、後方にある操舵室。船の全長65メートルの場合だと、船の先端がヨットと衝突するまでの距離は、実質150メートルほどです。より短い時間で、回避しなければなりません。
今後、海保は「運搬船の乗組員らの聴取を進め、当時の状況について事故原因の究明をしていく」ということです。
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp
妻が心境語る「現実と思えない」 視界不良か…運搬船とヨット衝突で男性(70)死亡【報道ステーション】(2025年8月13日)
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