関税合意を実現させた赤沢経済再生担当大臣が24日、帰国しました。
赤沢経済再生担当大臣
「針の穴を通すような、大変、困難な調整だという認識は、最初から持っていましたし、実際にそうでありました。まさに守るべきは守ったうえで、日米両国の国益に合致する形で、今般の合意を得ることができたというふうに思っています」
今回の合意に誇らしげなのは、トランプ大統領も同じです。
アメリカ トランプ大統領
「5500億ドル(約80兆円)の“契約金”をアメリカは手にした。関税は25%だったが、15%まで下げることで合意した。日本が初めて市場を開放したからだ」
ホワイトハウスが『ファクトシート』とする文書を発表しました。
例を挙げると、日本がアメリカ産のコメの輸入を75%増やすこと、トウモロコシや大豆、バイオエタノールなどを1兆2000億円分、ボーイング社の航空機を100機購入することなど。
気になる記載もありました。
アメリカ製の防衛装備品を、毎年、数十億ドル追加購入するというものです。
トランプ関税をめぐって、交渉が繰り返されるなか、日本の立場は、こうでした。
石破総理(4月)
「関税の交渉と安全保障の問題をリンクさせて考えるべきと思ってない。関税の交渉は関税の交渉です」
赤沢経済再生担当大臣
「今般の合意には、防衛費に関する内容は含まれておりません」
日本が防衛装備品を巨額購入するというアメリカ。どういうことなのでしょうか。
赤沢経済再生担当大臣
「(Q.米国側と認識に違いはあるのか)まず、結論から申し上げれば、認識の違いはないと思っています。私がやっている貿易とか通商とか関税の交渉の中には、防衛力の強化とか、そういう話題は入ってこない。すでに決定している防衛力整備計画等に基づき、防衛力を抜本的に強化するなかで、防衛装備品に関する我が国の考え方は、これまで米国側に説明してきている」
防衛力整備計画とは、3年前に閣議決定された国家防衛戦略に基づくもの。5年、10年の単位で防衛力を強化する計画です。その中には、トマホークミサイルや、F-35といった戦闘機など、アメリカ製の兵器の取得が盛り込まれています。
もともと、予定していた兵器購入をてこに、トランプ関税の引き下げを実現したということでしょうか。
赤沢経済再生担当大臣
「防衛装備品の購入が結果として、日米間の貿易不均衡の改善に資する面もあるということを受けて、そのような対応を行いました」
期限が迫るなか、関税25%から15%への引き下げることはできた日本政府。ただ、ベッセント財務長官は、トランプ大統領が、今後の日本の対応に不満であれば、関税は25%に戻るとしていて、先行きは予測不能です。
経団連のフォーラムに集まった経営者たちに、今回の合意をどう受け止めているのか聞きました。
パナソニックHD 楠見雄規社長
「25%から15%まで交渉を進めていただいた皆さま方に感謝申し上げたい。15%でも非常に重たい。それ以外の国からアメリカに運んでいるものは、もっと重たいので、サプライチェーン含め、見直すべきところは見直さざるを得ない」
トヨタ自動車 佐藤恒治社長
「一定の軽減がみられたという意味では、大きな影響を少し軽減することができたという理解はしています。15%は、まだまだ影響が大きいことなので、しっかりと見通しを立てて、引き続きの軽減が実現できるような取り組みを、どのようにできるか、我々も努力しないといけない」
『伝統的酒造り』がユネスコの無形文化遺産に登録され、アメリカでもブームとなっている日本酒。
海外進出の先駆的存在が『獺祭』です。
日本酒の関税は、これまでごくわずかでしたが、それが15%になります。
獺祭 桜井一宏社長
「値段を抑えるためには、メーカー側が泣くか、値段を上げていくかという選択。間に入っている物流を担う卸売業者が持つかという話になっていくと。短期的にはともかく、長期的には、どこかが我慢して無理するというのは、健全ではないと思うので、値段は上がっていくと思う。15%かかっていくというのは、単純に15%値段が上がったら、同じ量が出るわけがないと思うので、影響は出てくると思っている」
関税交渉の合意内容に関する『ファクトシート』。
【農業・食品について】
アメリカ産のコメの輸入量を、ただちに75%増加。年間77万トンのミニマム・アクセス米の枠は維持したままで、アメリカからの輸入割合を増やす。トウモロコシや大豆など、アメリカ産農産品を80億ドル、
日本円で約1兆2000億円相当を購入する。
【製造業・航空宇宙事業について】
ボーイング社製の航空機を100機購入。戦闘機やミサイルなど、アメリカ製の防衛装備品を、毎年、数十億ドル追加購入する。
◆防衛装備品の追加購入ということは、“新たに負担が増える”ということなのでしょうか。
赤沢大臣は「すでに決定している防衛力整備計画等に基づく、防衛装備品の購入の考え方をアメリカ側に説明している」と、あくまでも“計画の範囲内であること”を強調しています。
防衛白書を見ると、防衛装備品などの購入予算額は、計画初年度の2023年度に約1兆5000億円となっていて、そこから毎年、1兆円規模の予算が組まれています。
◆防衛事務次官を務めた経験のある黒江哲郎さんに聞きました。
黒江さんも“数十億ドル”というのは、計画の範囲内という見立てを示していて、そのうえで「アメリカもわかったうえで、『日本はこれだけ譲歩をしたんだ』と他国との交渉を優位に進めるため、強調しているのだろう。国内外に向けたアピールの面が強い」と指摘します。
一方で「防衛装備品をどう調達するのかは、日本政府が判断するもの。アメリカ側が、交渉のテーブルに乗せたことで、日本の防衛力整備計画に、今後、アメリカ政府が『ディールの一環だ』と言って、介入してくる懸念もある」としています。
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp
防衛装備品“毎年数10億ドル追加購入” 日米関税合意の内容は【報道ステーション】(2025年7月24日)
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