新聞配達員が襲われ死亡した北海道・福島町で、16日もヒグマが出没しました。ヒグマは生息するエリアによってDNA型が違い、この地域のヒグマは気性が荒い特徴を持っているということです。
■水路に足跡 少なくとも2頭か
12日に襲われて死亡した、佐藤研樹さん(52)の葬儀が営まれました。新聞配達中にヒグマに襲われた佐藤さん。司法解剖の結果、死因は出血性ショックだったことが分かりました。
福島町では16日朝、新たなクマの目撃情報がありました。場所は佐藤さんが遺体となって見つかったのと同じ草むらです。近くの水路にはヒグマの足跡らしきものがくっきりと。福島町では少なくとも2頭のクマが出没しているとみられています。
今月10日に撮影された映像。光を当てられても逃げる様子はありません。同じ日、住宅近くの草むらではクマが駆け抜ける姿も捉えられていました。さらに、別の住宅の裏に設置したカメラにはクマの姿がはっきりと。撮影時刻は10日午後9時。撮影者によりますと、クマは体長1.5メートルほどだったといいます。
自宅にクマが侵入した人
「震えましたね。本当にえーと思って。たまたま1時間前にこの物置にいた」
(Q.時間が違ったら)
「遭遇していました」
福島町では先月以降、少なくとも11件ヒグマが目撃されていて、市街地に集中しています。
福島町 鳴海清春町長
「いまだ捕獲に至っていない状況。捕獲に向けて箱罠を6基設置。ハンターが捕獲に向けて力を入れる形になる」
■OSO18より「危険性は上」
北海道では、体長2メートルを超える『OSO18』と呼ばれたヒグマが牛60頭以上を襲い、おととし駆除されました。当時、対策リーダーを務めた藤本氏は。
南知床・ヒグマ情報センター 藤本靖前理事長
「OSO18は人を恐れていたクマ。人が行くとすぐ逃げる。今回のクマは人に対して逃げない。かなりの上の危険性を持ったクマだと」
藤本氏によると、北海道に生息しているヒグマは場所によって習性が異なるといいます。OSO18がいた道央は「大型で人を避ける」習性、福島町がある道南は「小型で気性が荒い」など、DNA型で大きく3つに分類できるといいます。
南知床・ヒグマ情報センター 藤本靖前理事長
「道南は以前から人身事故の多い地域。人に対して攻撃心が強いクマが多いのではないかと」
■登下校は車 訪問診療は命がけ
生活にも影響が出ています。全校生徒の半数以上が自転車通学をしている中学校では、普段乗っていない生徒もスクールバスで送迎する緊急対応を取っています。また、放課後の部活動を全て取りやめ、屋外での授業も休止しています。
町の診療所は外来患者が3割ほど減少、こちらもクマの影響とみられます。訪問診療で訪れたのは、過去に脳梗塞を患って動けなくなった80代の男性の自宅です。院長自身も身の危険を感じるといいますが…。
福島町やまゆりクリニック 光銭健三院長
「クマ騒動の間は、夜中に電話で呼ばれて問診するのはちょっと怖いなと思っていますけど。それでも行かなきゃいけない」
ヒグマに襲われて亡くなった佐藤さんも毎年、健康診断を受けに来る患者だったといいます。
福島町やまゆりクリニック 光銭健三院長
「真面目そうな方。こんな普通に住宅地で襲われるなんてことは、あまり考えていなかったと思いますよね。お母様もきっとかなりショックを受けていらっしゃるのかなと」
■狙われるごみ置き場
このスーパーにもクマが出没。夜間2度にわたって、ごみ置き場が荒らされる被害が起きています。佐藤さんの遺体が見つかった場所から80メートルほど離れた所にあるごみステーション。クマはフタを開けて中のごみを漁ったとみられます。ふたにはクマのものとみられる爪跡も残っていました。
町は、前日からのごみ出しをやめるよう住民に呼び掛け。また、コンビニ店でもごみ箱を使用中止にしたり、夜間の営業を取りやめたりするなどの対応が取られています。
■なぜ人里に?警戒いつまで…
そもそも日本には、2種類のクマが生息しています。北海道にはヒグマ、本州・四国にはツキノワグマが生息しています。
まずは、ヒグマについてです。
南知床・ヒグマ情報センター 藤本靖前理事長
「北海道で生息しているヒグマは大きく3つに分類され、道南地域のクマは小型だが気性が荒く、警戒が必要。平年に比べて今年は特に、北海道全域で気温が高く、草が伸びるのが早い。クマはエサを求めて川伝いを歩くが、山中から街にかけて草が生い茂っているため、クマが人に見つからない状態で、いつの間にか人里に出ている。それに気付かなかった人がクマと接触してしまう」
(Q.ヒグマへの警戒は、いつまで続ければいいですか)
南知床・ヒグマ情報センター 藤本靖前理事長
「発情期が終わる8月には落ち着いてくるだろうが、それまでは気が立っているので注意が必要」
続いてツキノワグマです。先月からクマの出没が相次いでいる岩手県北上市では4日、81歳の女性が自宅の居間で襲われて亡くなっています。このほかにも全国各地で被害が相次いでいます。
南知床・ヒグマ情報センター 藤本靖前理事長
「9~10月にかけて、ツキノワグマの“エサの取り合い”が始まる。そこを超えるとクマが冬眠に入るため、被害が落ち着くだろう。ただ、それまでは警戒感を高めておく必要がある」
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp
OSO18より「危険性は上」少なくとも2頭か…ヒグマ出没相次ぐワケは?警戒いつまで【報道ステーション】(2025年7月16日)
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