「白タク」と呼ばれる無許可のタクシー営業が問題になっている成田空港。さらに今、法律で禁止されている客引き行為が急増しているといいます。その中には、営業許可を持つ緑ナンバーを付けた車両の運転手も客引きをするなど、問題が複雑化しています。
■外国人観光客に次々声掛け
成田空港第1ターミナルで、外国人観光客に声を掛けるポニーテールの女性。外国人観光客に携帯を見せ、何かを話しています。
さらに、空港ロビーの入り口付近で何かを気にしながら、ウロウロする男性。女性にスマホを見せ、話し掛けていましたが、ロビーの中に入っていきました。これは、成田空港で横行している“違法客引き行為”の瞬間です。
ウロウロしていた男性は、その後も続けざまに声掛け。しかし、バックパックを背負った外国人の男性は拒否するかのように手を振り、過ぎ去ります。
白いシャツに黒いスラックスを着た男性。見た目はアジア系で、欧米人に英語で積極的に声を掛けていきます。
10分ほど経ったその時、スマホを見せ合いながら外国人観光客と会話。出会ってから1分ほど話すと、交渉が成立したのか、スーツケースを引きロビーの外へと歩き始めました。取材班は、男性が男女2人組の外国人を車へと連れて行ったところで直撃しました。
ディレクター
「タクシーリザーブ?(予約している?)
外国人観光客
「ノー(予約はしてないよ)」
ディレクター
「客引きされていましたよね?」
男性
「間違えまして」
ディレクター
「色んな方にお話しされてましたよね?」
男性
「…」
ディレクター
「ここって客引き禁止って話聞いたことない?」
男性
「間違い」
ディレクター
「何をどう間違えた?」
男性
「自分の迎えの客だと思ったんですけど。迎えの客」
男性は動揺しているのか、手で顔を覆い質問に対し、カタコトの日本語で答えます。
ディレクター
「予約されていた?」
男性
「予約している、予約している」
ディレクター
「ここで客引きが禁止だと言うのはご存じ?」
男性
「はい。分かる」
ディレクター
「違法とご存じで客引きされてた?」
男性
「いや、客引きじゃない」
男性は、自分は予約客に話し掛けただけで客引きしたわけではないと主張。声を掛けられた観光客に再度確認します。
“客引き”された観光客
「タクシーが必要か聞かれてイエスと答えたよ」
ディレクター
「予約されてないですよね」
男性
「この客じゃないかな」
ディレクター
「間違えちゃった?」
男性
「そう」
「人違いだった」と、一転して発言を撤回。男性が「乗せるはずだった」と主張する予約客について話を聞きました。
ディレクター
「(予約客は)何時ぐらいに到着する予定?」
男性
「午後2時、午後2時到着」
ディレクター
「今、午後4時ですけど」
男性
「待つしかないじゃん」
およそ2時間、予約客を待っていたといいます。しかし…。
ディレクター
「(予約客の)名前は確認したんですか?」
男性
「今確認したい。4つの荷物で自分の客と思いました」
待ち合わせ時間から2時間も過ぎていたにもかかわらず、名前を確認せず、4つの荷物を持っていたことだけで予約客だと言い張りました。
男性
「きょうは客引きしてないけど。(客引きは)認めない」
ディレクター
「お兄さん、ちょっとどこに行かれるんですか?まだお話聞きたいんですけれども」
男性は、客引きの事実を「認めない」と言い残し車に乗り、走り去っていきました。
■値段大幅つり上げ 1万3000円→3万2000円
“違法客引き”の中には、日本人とみられる姿もありました。
到着ロビーで外国人観光客に声を掛けたネクタイ姿の男性。一瞬話し掛け、そのまま立ち去ってしまいました。
その数日後にも現れた男性は、外国人グループに声掛け。親しげに話すと、時折ジェスチャーを交え何かを伝えています。
“客引き”された観光客
「(Q.男性になんて話し掛けられた?)どこに行きたいのって聞かれた。自分はタクシー運転手だって言ってた」
「(Q.値段はどうでしたか?)高いよ!高い!」
「(Q.高いから乗らなかった?)そうよ」
連日、空港ロビーに姿を現した男性は、客引きとみられる行為を行っていました。客引きの事実を確認するため、直撃しました。
ディレクター
「お客さんのこと声掛けして、捕まえていませんでした?」
男性
「してない。案内しているんだよ。タクシー乗り場に。声掛けてきたのは向こうだよ」
日本人と思われる男性は、客引きを否定。観光客から声を掛けてきたと主張しましたが…。
“客引き”された観光客
「彼はタクシーが必要か聞いてきたんだよ」
さらに観光客は、その値段にも困惑したといいます。
「値段を聞いたら、ロビーでは1万3000円と言っていたが、乗り場に来たら3万2000円だと言われた。すごく値段を上げられたよ」
ロビーからロータリーのわずか50メートルを歩く間に、およそ2万円もつり上げられたため乗車を断ったといいます。
男性に真相を聞こうとしましたが、足早に空港内に姿をくらませてしまいました。
■タクシー運転手悲鳴 専門家は警鐘「車の運転を停止」
こうした違法客引きに頭を悩ませているのが、正規に営業を許可されたタクシー運転手です。
「私たちが本来乗せるべきであろうお客様を、ごっそり持っていってしまっている。売り上げでいうと(月額)30万~50万ぐらい下がってます。当然、それ(違法客引き)に対しては憤慨しております」
違法客引きにより売り上げも激減しているといいます。
「(遠方の客を乗せるに)1~2時間で配車が当たり前だった。今となってはもう普通に早くても4時間。長ければ6~7時間待つということが当たり前になってしまいました。かなり死活問題です」
かつては、行列になっていたタクシー乗り場も人はまばら。さらに、異変は他にもあります。
「最近は白タクというのはもうほぼ見られなくて。代わりに緑ナンバーの車が増えたっていうような印象です。連中にとってはやりたい放題の場所になってしまっていると思う」
近年問題になっていた、営業許可のない「白タク」の営業は警察の取り締まり強化で減少。一方で、営業許可を受けた緑ナンバーの車による客引き行為が増えているといいます。
実際に、先ほど違法客引きしていた運転手の車も緑ナンバーを付けていました。
タクシー運転手
「実際お客さん側からしたら(正規のタクシーか)多分分かってない。(ナンバーが)緑ということもあって、自分たちはちゃんと正規のルールにのっとってやっているのに、そういうのが野放しになって、横行しているのはちょっとどうなのかなと思っています」
こうした客引き行為に関して、専門家は警鐘を鳴らします。
高山俊吉弁護士
「もし緑ナンバーを付けた状態で客引きをすると、行政処分の方はかなり厳格ですね。車の運転を停止とかそういう処分が来るんですよ」
■パトカーが注意も「いたちごっこ」
成田空港では、違法客引きの他にも深刻化している問題があります。
それは「渋滞問題」。第1ターミナルには3つのレーンがあり、一般車が利用するレーンは人の乗り降り以外の駐停車は禁止となっています。
ところが、駐停車禁止と書かれているにもかかわらず、止まっている車を見てみると、誰も乗っていません。
車を降りて空港内で客引きをしているのか、運転手が乗っていない車があちらこちらに点在。中には、駐車禁止の張り紙をされた緑ナンバーの車もあります。
警察は一日に数回見回りを実施。駐停車での取り締まりや千葉の運輸支局に情報提供し、営業停止などの行政処分を行うなど対策しています。
この日も駐停車する車に注意すると、一斉に移動するものの、パトカーが去った数分後には再び車列ができていました。
タクシー運転手
「(警察が)巡回に来ても、全然聞く耳持たない。ずっと第3レーンという所に居座り続けているって感じです」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年7月9日放送分より)
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp
運転手直撃も「間違えた」「案内している」 成田空港で横行、違法客引き 渋滞深刻に【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年7月9日)
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