銭湯の数が減少するなか、新たな形の銭湯がオープンしている。イマドキの銭湯を取材した。
■生まれ変わる銭湯 キーワードは「心を洗う」
東京・練馬区にある「練馬湯遊邸 松の湯」は、今年4月1日にリニューアルオープンした。
館内を案内してもらうと…。
練馬湯遊邸 松の湯
主人 佐伯雅斗さん(57)
「(Q.古代ローマのような雰囲気ですね)『エーゲ海』風というか、全体的な店づくりをさせていただきました」
浴場に入ってみると、壁にはステンドグラスがはめ込まれ、癒やしの空間を演出。メインの浴槽は「ボディーエステ」をはじめ、「でんきバス」「リラックスバス」など7種類が楽しめる。
佐伯さんは、休憩スペースは大切なポイントだといい、天窓の付いた半露天スペースにヒノキのデッキを設置した。
「今の人は、お風呂に入っている時間より、あがってのんびりする“ととのう時間”を大事にする人が多くなったので」
松の湯は、前オーナーが不慮の病気で亡くなった際、親族は銭湯を続けたいと思っていた。しかし、経験がなかったため佐伯さんに相談し、その思いに佐伯さんが応えたのだ。
実は佐伯さんは、東京・立川市の「立川湯屋敷 梅の湯」の3代目。また東京都浴場組合の副理事長を務めている。今後の銭湯のあり方について聞いた。
「銭湯というのが、お客様が体を洗う場所ではなくなっていて。エンターテインメント性とか、自分の休日の過ごし方とか、そういうジャンルになってきたので、ターゲットを『体を洗う人』から『心を洗う人』にシフトしていく必要があるんだろうな」
■担い手不足に新たな一手
後継者不足から廃業する銭湯も増えているが、新たな“担い手”を育成する取り組みをしている。
佐伯さん
「(Q.(銭湯が)減ってきている現状をどうみている?)東京都だけで言いますと、このままでは本当に火が消えてしまうと心配をしています」
東京都によると、都内の銭湯の数は去年末時点で430軒。この10年で、239軒減少している。
そこで、東京都浴場組合は2021年から「銭湯の担い手講座」をスタートさせた。
実は近年「銭湯を経営してみたい」と希望する人が増えているというのだ。講師は佐伯さんが務めている。
講座を受けて、実際に銭湯経営を引き継いだ人がいる。
埼玉県朝霞市にある唯一の銭湯「あづま湯」。店長の佐藤善太さん(39)は異例の経歴の持ち主だ。
「国、いろいろな省庁の仕事をお手伝いしたり、自治体の仕事をお手伝いしたり、公共機関向けのコンサルティング、調査、事業を担うことが多かったです」
佐藤さんは東京大学大学院で社会学を学び、修了後にシンクタンクに就職した。コンサルタントとして、およそ14年勤務した。
中小企業や起業家の支援をするなかで「自分も独立し、好きなことをしたい」という思いが募っていったという。銭湯を選んだ理由は…。
「たまたま家の風呂が壊れて、夫婦ともいろいろな銭湯を巡ったり、サウナを巡ったりというのが趣味になっていった。5~6年前です」
そして「銭湯の担い手講座」に参加し、組合から「あづま湯」を紹介され、去年8月に経営を引き継いだ。
佐藤さんはコンサルタントで培った経験を生かし、平均客数の前年同月比の集計をはじめ、現状の分析をブログに公開。すると、それを読んだ人があづま湯に興味を持ち、集客につながっているという。
「僕以外の人が、ここの店長になって、銭湯をやりたい人の受け皿に『あづま湯』がなりつつ、銭湯という産業を支えていくような存在になれれば一番いいかなと思っています」
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年7月4日放送分より)
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp
新たな形の銭湯オープン キーワードは「心を洗う」 担い手を育成する取り組みも【ワイド!スクランブル】(2025年7月4日)
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