大手コンビニで5日から販売が始まった備蓄米は、どの店舗も短時間で完売となりました。一方、政府は5日、コメの安定供給に向けた石破総理主導の会合を行い、増産の方針や農家への支援策について話し合いました。
■備蓄米 コンビニで販売開始
コンビニで備蓄米を買った人
「ラッキーですよ。すごく良かった。コメがなかった。買わなきゃいけなかったので。一昨日雨だったし、昨日残業だったし」
「特に会社勤めの人は日中スーパーにも行けないので」
(Q.出勤前に来た)
「そうです。今から出勤です」
(Q.持ったまま会社に行く)
「そうです。1キロだからそんなに重たくもないので」
コンビニ展開が始まったことで、2021年産の古古古米は今後、本格的に全国へと出回ることになります。
小泉進次郎農水大臣
「これから何ができるかは、もう聖域なく考えていく。その姿勢は変わりません」
■総理「価格高騰の要因検証を」
短期的にも長期的にもコメについて回る課題は、安定供給をどう確保していくかです。政府が新たに立ち上げた、コメ専門の閣僚会議の初会合。石破総理大臣は、値上がりの原因分析や、政府が取ってきた対応の検証、そして長い目で見たコメの増産の検討を指示しました。
石破茂総理大臣
「消費者に持続的に安心いただける価格でコメを提供するとともに、生産性向上を通じた持続的な農業生産によりコメの安定的な供給を実現することが必要」
■大区画化“農地集積”の現場
安定供給を目指すうえでキーワードとなるのが“農地の集積”です。その取り組みが全国トップクラスで進んでいる地域があります。コシヒカリなどの生産地として知られる福井県小浜市です。
コメ農家 仲井宗男さん
「私の場合は2.5ヘクタール。田んぼが25カ所あった。(農地集積によって)25カ所が6カ所くらいにおさまった。農地集積をすることで(作業が)4分の1とは言わないが2分の1くらいの時間でおさまった」
農地を集積し、田んぼの区画を取り払ったことで、作業が楽になったといいます。
なぜ区画を取り払えたのか。国や自治体が進める、いわゆる“農地バンク”に田んぼを預けたことで、集積協力金が仲井さんの集落に支払われ、そのお金で整備できました。
かつて、この地域では複数の農家が持つ田んぼがあちこちに点在していました。担い手ごとに田んぼを近くにまとめて、コメ作りを効率化することが小浜市が進める農地集積の狙いです。
農家と向き合うのは、小浜市職員の奥村さん。農地集積は簡単ではないと言います。
小浜市農林水産課 奥村直己課長補佐
「土地への愛着があって、今まで先祖が耕作していた土地を耕したいという方もいますし」
向かったのは東京ドーム30個分の農地を誇る農業法人。4つの集落が1つになってできましたが、すんなり話が進んだわけではありません。
農業法人『若狭の恵』前野恭慶代表
「自分が自分の土地を守って次に引き継いでいく思いがあるが、続けようと思っても農機が高すぎて農業を続けられない現実もある」
そこで市はアンケートを実施。集積が進んでいない地区では、農機の買い替えに10年間で1億8000万円かかる一方、集積すればこのコストが約10分の1になることが分かりました。これを説明することで風向きが変わり始めたといいます。ただ…。
農業法人『若狭の恵』前野恭慶代表
「(コメは)今高くなったというよりは、我々農家からすると普通の値段に戻ってくれたかなという感覚です。(収益は)ギリギリですね。切り詰めて企業努力をして何とか今まで採算が合うようにしてきたけど、借金もしているし、うまく順風満帆に経営が成り立ってきたかというとそうではない」
■JA全中「必要な対応進めていく」
政府内で高まる農政大転換の機運。
小泉進次郎農水大臣
「国内の需要をさらに開拓していくことに加えて、海外のマーケットをどのように開いていくか。しっかりと立案できるように取り組んでいくことも1つのテーマ」
こうした政府の動きに、業界団体JAのトップはなりゆきを慎重に見極める構えです。
JA全中 山野徹会長
「需要の裏付けのないまま増産を進めることは、需給バランスが崩れ、水田経営に悪影響を及ぼすことも懸念される。政府の検討状況や生産現場の声を踏まえながら、政策提案の策定や政府への働きかけなど必要な対応を進めていく」
■小泉大臣が追い風?総理の“本気度”は
5日に行われた石破総理をトップとする新たな関係閣僚会議。そのなかで、石破総理は、価格高騰の要因や政府の対応を検証したうえで、短期と中長期の対応策を検討するよう指示しました。
中長期の対応が何を指すのでしょうか。会議終了後、小泉農水大臣は「意欲を持ってコメ作りをしたい方が、価格の乱高下に脅かされることがないセーフティーネットづくりが大切なテーマ」と述べていて、コメの増産を図る一方で、収入減少を補填する制度を構築するというのが大きな焦点になるとみられています。
政治部の千々岩森生官邸キャップに話を聞きます。
(Q.石破総理の指示で今回の会議が開かれたということですが、このタイミングで設置した石破総理の狙いはなんですか)
千々岩森生官邸キャップ
「石破総理は2週間前に小泉大臣を起用した時点で、この会議を着想しています。農政改革を立ち上げるんだと周辺に語っていました。石破政権は8カ月ですが、振り返ると3月に10万円の商品券問題で支持率がガタ落ちします。江藤前農水大臣の騒動で政権がどん底になりかけたところで小泉人事。そして随意契約。この2つで持ち直した格好になっています。取材すると、今回の会議の源流にあるのは2009年。麻生政権で立ち上げた『農政改革関係閣僚会合』。当時、農水大臣だった石破総理は減反政策の見直しにチャレンジしましたが、農水族の激しい抵抗に遭い、民主党への政権交代も相まって頓挫しました。石破総理の本音は、あの時に目指したものを再起動させたいのだと思います」
(Q.前回は抵抗があって頓挫したが、今回はやり抜くつもりですか)
千々岩森生官邸キャップ
「石破総理の本気度が高いのは間違いありません。あとは、やり切れるだけの政治力があるかだと思います。内容的には減反から増産にモデルチェンジできるのか。所得補償の話も出ていますが、小規模農家をどこまで保護するかしないのか。夏の参院選で勝てば推進力を得るが、負ければ石破おろし、農政改革どころではなくなります」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
【報ステ解説】安定供給へ“コメ政策”の大転換?石破総理の“本気度”は【報道ステーション】(2025年6月5日)
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