政府備蓄米の大がかりな放出は、身近なコンビニの店頭にも変化をもたらそうとしています。備蓄米のうち、2021年産のコメが5日から順次、大手コンビニの店頭に並ぶことになり、1キロの小分け販売も行われるということです。従来の銘柄米と、2種類の備蓄米が混在するコメの流通の現場、そこに輸入米も加わり、様相が大きく変わってきています。
■コメ店に“競争入札米”求める客
コンビニ大手『ファミリーマート』は、随意契約で放出された備蓄米を当初の予定から1日前倒し、5日から一部店舗で販売すると発表しました。1袋1キロで価格は388円です。ローソンも5日から、セブン-イレブンは入荷次第、順次販売を始めるとしています。
全国に物流網を持つコンビニでも備蓄米の販売が始まろうとしているなか、名古屋市にあるコメ店に運ばれてきたのは令和5年・2023年産の古米。江藤前農水大臣の時に競争入札で放出された備蓄米です。先月中旬に販売を決めたものが4日に届きました。
お米の服部 服部純さん
(Q.違和感は)
「いい香り。古米臭と俗に言われるような香りはない」
一度炊いて味を確認します。
お米の服部 服部純さん
「おいしいということは率直にお伝えしても大丈夫」
5キロ3480円で販売を始めました。この店でもコメの仕入れ価格は高騰していて、銘柄米は5キロで4000円台後半~5000円を超えるほどになっているといいます。
お米の服部 服部純さん
「異常だと思います。皆さんに安定して供給できることが米屋としての役目」
さっそく買いに来た客もいました。
お米の服部 服部純さん
「よく言われる古古古米は入っていなくて。前の入札したおコメ」
購入客
「古古古米よりはいいなと。この値段(3480円/5キロ)で買わせてもらえるなら」
■備蓄米が底をついたら…
現在、市場には2種類の備蓄米が流通している状況です。随意契約による“安い備蓄米”は、競争入札による“高い備蓄米”に比べ、集荷業者や卸売り業者を介さない分、流通スピードも早くなっています。小泉農水大臣は競争入札による“高い備蓄米”について、返還の意向があれば政府が買い戻しを行うことも1つの選択肢だとの認識を示しています。
今年1月時点で91万トンあった政府の備蓄米は、競争入札で31万トンが放出され、随意契約では30万トンが市場に出る予定です。そうなると残りは30万トンほどに。
小泉進次郎農水大臣
「備蓄米を使い終わった後どうするんだと国会でもあった。“ミニマムアクセス米”も含め、あらゆる選択肢を考えて、コメの価格高騰を何としても落ち着かせる。できることは全部やります」
『ミニマムアクセス米』とは、WTOの協定に基づき、関税なしで海外から最低限輸入する必要があるコメのこと。年間77万トンほどの輸入枠が設けられていて、競争入札で卸業者などに売り渡され、主食用のほか加工用や飼料用などに使われます。いよいよ備蓄米が底をついたときには、このミニマムアクセス米も活用しようというのです。
■コメの流通事情 韓国では
日本の隣、韓国ではコメの価格は10キロあたり3000~4000円と日本の半分程度。山積みとなっているコメ袋は、日本で最近、あまり見ることのない光景です。
コメを買いに来た客
(Q.韓国のコメの価格は)
「高くないです。ちょうど良いと思います。最近は他の食べ物もあるので、コメの消費量は少ないと思います」
なぜ韓国は日本よりもコメが安いのでしょうか。韓国経済に詳しい専門家は…。
亜細亜大学アジア研究所 奥田聡所長
「コメの市場にある量を政府と農協がタッグを組んで綿密に管理している。日本だと備蓄したものはあまり外に出さないが、韓国の場合は国が管理しているコメもかなり出入りがある。高くも安くもならないように(コントロールしている)」
韓国有数のコメの産地として知られているイチョン。この場所で約100年続くコメ農家の3代目、キム・ヨンジュンさん(39)に話を聞きました。
コメ農家 キム・ヨンジュンさん
「先月20日ごろ稲を植えました。10月中旬に収穫する予定です」
韓国では、コメ農家の収入を国からの支援が支えているといいます。
コメ農家 キム・ヨンジュンさん
「農業をすれば、農業支援金の形で一定の支援をしてくれます。売値が安定するよう政府が調整しているので、一定の価格が維持されています」
■関係閣僚会議を開催へ
財務省の貿易統計によると、4月のコメの輸入量は6838トンと、今年に入り急増しています。民間では輸入を増やす動きも出ていますが、政府は国内の生産量を増やしたい考えで、輸入には慎重な姿勢を見せています。小泉大臣は5日に関係閣僚による会合を実施すると明らかにしました。
小泉進次郎農水大臣
「なぜ今このようなコメの高騰が起こっているのかという原因、検証は不可欠だと思っています」
■存在感増す『民間輸入米』
スーパーなどでは、これまで普通に流通してきた5キロ4000~5000円台の一般銘柄米のほか、随意契約で売り渡された備蓄米が2000円程度。さらに、一般競争入札で売り渡された備蓄米が3500円程度で並んでいる状況です。
これに加えて、現在国が輸入しているミニマムアクセス米とは別に、海外からの『民間輸入米』というものが存在感を増しています。
コメの民間輸入量は、これまで1年あたり300~400トンほどで推移してきました。しかし、現在その状況が急変しているといいます。例えば、総合商社『兼松』は需要の拡大を見越し、12月までに約2万トンを輸入することを決めました。この1社だけでも、これまでの全体の約50倍の輸入量となります。
民間輸入では、コメ1キロにつき341円という高い関税を支払う必要がありますが、兼松の担当者は「現在の国産米の相場を考えると、輸入米に関税を払ったとしても採算が取れるので輸入することにした」と話しています。この民間輸入米はどれくらいの価格になるのでしょうか。兼松によると、5キロ3500円ほどの相場感だということで、一般競争入札の備蓄米と同程度ということになります。
政府としては、コメの輸入については慎重な姿勢を示しています。すでに閣議決定されている農業政策の基本計画では、コメの輸出量を2030年までに現在の7倍以上にあたる約35万トンに増やす目標を掲げています。国内の供給が不足した際に、それを国内消費用に回し、需給の安定につなげるとしています。つまり、政府は中長期的には輸出に力を入れるというスタンスです。
一方で、現状の市場動向をみている総合商社の兼松は「今後も外食・中食・スーパーなどの小売業者から輸入米の需要があれば、安定して供給していきたい」と話しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
“備蓄米”5日からコンビニでも 銘柄米に輸入米…変わるコメの流通現場【報道ステーション】(2025年6月4日)
カテゴリ一覧
スポーツ
ニュース
音楽
ラーニング
趣味
グルメ
ガールズ
ゲーム
ギャンブル・宝くじ
エンタメ
アニメ・漫画
どうぶつ