水俣病を描いた映画『MINAMATA』。企画・主演のジョニー・デップさんが演じるのは、世界的な写真家のユージン・スミスさんです。映画では、妻のアイリーンさんとともに水俣の人々を撮影する様子が描かれています。映画の公開に先駆け、水俣市でプレミア上映会が行われ、患者の方々も参加しました。
水俣病は、化学工業メーカーのチッソが工業廃水としてメチル水銀を川や海に流したことが原因です。1950年代以降、次々と患者が確認されました。50年前、水俣を訪れたユージン夫妻。3年間の滞在で患者たちに寄り添い、写真集を出版しました。ユージンさんの遺作となった写真集『MINAMATA』。水俣病の悲劇を世界に伝えました。
ユージンさんと交流があった長井勇さん(64)。母親の胎内で水銀に侵され、生まれながらに水俣病の症状がある胎児性水俣病の患者です。ユージンさんと出会った当時、長井さんは15歳でした。好奇心旺盛だった長井さんは、ユージン夫妻が撮る写真に興味を示し、自分でもカメラを持ち、撮影するようになりました。ユージンさんは、長井さんについて、写真集に、こう記しています。
ユージン・スミスさん:「見よう、見まねで、自分でやってみるまで満足しなかった長井。私たちに電話をかけ、互いに言葉がわからないのを知りながら、私と話すと言って聞かなかった」
7年前に一人暮らしを始めた長井さん。このときはまだ自分で車椅子を動かすことができていました。しかし、年を重ねるにつれて、水俣病の症状がますます進行していると感じています。自分で車椅子を動かすことも、カメラを持つことも、できなくなりました。それでも、昔のように自由に動けるようになりたいと願っています。長井さんに、今後の目標を尋ねました。
長井勇さん:「10年前の自分に、一回、帰りたい」
長井さんが去年から通っている福祉施設。水俣病について伝える活動を続けています。若い世代に水俣病のことを知ってもらうために、中学校で行われた上映会にも、長井さんが参加しました。
生徒:「水俣について言葉だけ知っていた人たちがたくさんいる。私たちがこれからできることは、何かあると思うか」
長井勇さん:「いろんなこと、もっと勉強してください」
長井さんは、こう話します。
長井勇さん:「水俣病のことは、一生、僕らが生きている間、伝えたい。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
「公害はなくならないと・・・」“水俣病”伝える映画(2021年9月20日)
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