春本番、全国各地で桜の開花が進み、近畿でも23日に京都で桜の開花宣言がありました。そうなると楽しみなのがお花見ですが、気を付けなくてはならないのが「3月の食中毒」です。
まだ暑くもないのに、なぜ食中毒に気をつけないといけないのか。管理栄養士の渥美まゆ美さんと“深掘り”します。
■実は3月に多い「食中毒」 原因となるウイルスと細菌の特徴は
先週、大阪熊取町の8つの小中学校で児童や教職員633人が食中毒のような症状を訴えました。保健所が下痢などの症状が出ている60人から検体を回収し検査したところ、55人からノロウイルスの陽性反応が出ているということです。
町内の小中学校は校内で給食を作る「自校方式」をとっていて、食材は共通の業者から仕入れています。保健所は、それぞれの学校に配送された食材の状態に問題がなかったかなど詳しい原因を調べています。
実は食中毒の発生件数は、春に増加する傾向にあります。過去の発生件数を見ると、2025年は2~3月が多いことがわかります。
細菌と温度の関係を見ていきましょう。
加熱をすると多くの細菌は死滅し、冷蔵庫だと10℃以下、冷凍庫だとマイナス15℃以下で細菌の増殖が鈍ります。
一方、10~60℃は有害な微生物が増殖しやすい「危険温度帯」と言われています。
管理栄養士の渥美まゆ美さんによると「75℃以上1分間加熱で菌は死滅しやすいが、20~40℃で細菌は特に増殖が活発化する」ということです。
渥美さん
「ピークは30~40℃ぐらいですが、10℃を超えたあたりから増殖しやすいような環境になっていきます」
食中毒が起こる主な原因は「ウイルス」と「細菌」にあります。ノロウイルスなどは低温・乾燥を好むので、冬から春にかけて増加し、カンピロバクターや大腸菌などの細菌は20℃以上で活発化するので春から夏にかけて増加します。
と「3月はウイルス性の終息と細菌性の活発化が重なる時期なので、食中毒が多く発生しやすい」といいます。
食中毒を引き起こす主なウイルスや細菌の特徴をみていきます。
ノロウイルスは、牡蠣などウイルスを含む二枚貝や、ウイルスが付着した手で触れた食材を介して感染する可能性があります。症状としては、おう吐・下痢、腹痛など。
大腸菌は、加熱不足の肉や生野菜を介して感染する可能性があります。症状は腹痛・下痢・発熱・おう吐などです。
カンピロバクターは加熱不足の肉を介して感染する可能性があります。症状は下痢・発熱・おう吐・腹痛・筋肉痛などが挙げられます。
■春の行楽シーズン お弁当づくりで注意したいポイントは
さらに、渥美さんによると「3・4月はお弁当を作っている朝が寒くて、食中毒に対する意識が薄れがちで、お弁当を食べる日中は気温が上がって20℃前後になるので菌が繁殖しやすい」ということです。
そこで、お弁当作りで気を付けたいポイントを詳しく聞きました。
①ミニトマトの「へた」はとる?とらない?
「とる」が正解です。渥美さんによると「へた」には雑菌がたまりやすいので注意が必要ということです。
②調味料はかける?かけない?
「かけない」が正解です。渥美さんによると、水分を減らすことが重要なので、別で持って行くようにしてほしいということです。同様に生の葉物野菜も水分が多いためNGです。また、おかずの汁をださないためには、カップを使い、さらにその下にカツオ節を敷いて、リスクの大きい水分を少なくすることがおすすめだということです。
③保冷剤はお弁当箱の上?下?
「上」が正解です。渥美さんによると、冷たい空気は下に行くのでより効果があるということです。
④冷蔵庫の作り置きはどのように持っていくのが正解?
渥美さんによると、必ず再加熱してほしいということです。冷凍していても再加熱は必須ということです。
渥美さん
「冷蔵庫の中では、どうしても菌は眠っている状態といいますか増殖が防げているだけなので、持っていく前に最低限の加熱をして、できる限り菌を減らすことが一番の対策です。冷凍食品で『自然解凍OK』と書いているものは、そのまま入れていただくと食べごろになりますが、書いていないものは必ず加熱をして持っていく、使い分けが大事になってきます」
食中毒を防ぐ便利グッズもご紹介します。
・お弁当用クールファン(3828円)
…詰め終わったお弁当に風を送って、あら熱をとってくれる時短アイテム。
・アルミプレート(1540円)
…アルミの高い熱伝導で、お弁当を詰めながらあら熱がとれる。
・GEL-COOLスクエアランチ(2640円)
…蓋に保冷ジェルが入っていて、凍らせることで保冷材になるランチボックス。
今の時期、食中毒にならないため、渥美さんは「食中毒菌・ウイルスの大好物は温度・水分なので、とにかくこれらを排除することが重要」と呼びかけています。
(「newsおかえり」2026年3月25日放送分より)
実は3月に多い「食中毒」 大阪の小中学校では600人超が体調不良に 春の行楽シーズンに気をつけたいお弁当づくりの落とし穴とは 管理栄養士が解説【きょうの深掘り】
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