高市総理大臣の事務所が、衆院選で当選した自民党議員側に「当選祝い」として一律で数万円相当のカタログギフトを配っていたことが分かりました。衆院選で圧勝した高市総理の政権運営に影響しかねない事態となっています。
■自民党の当選者に3万円相当のカタログギフト 包装紙には「高市早苗」の名前
高市総理が代表を務める奈良県第二選挙区支部が衆院選で当選した自民党議員に対しカタログギフトを送っていたことが分かりました。報道を受け高市総理はXに「政治活動に役立つものを各議員の判断で選んでいただこうと思いカタログギフトを差し上げることとしました」と投稿しました。
カタログギフトの額は一律で3万円相当。資金の出所については「もちろん今回の支出には政党交付金は一切使用することはありません」とXで説明しました。
関係者によると、包装紙には「御祝 高市早苗」と記されていたといいます。
政治資金規正法では、個人が公職の候補者の政治活動に関して金銭や有価証券による寄付を行うことを禁止しています。支部を含む政党からの物品による寄付は認められています。
■去年石破総理時代に「商品券」が問題化したばかり 整合性は?
一方で、自民党では去年、当時の石破総理が初当選した衆院議員に10万円分の商品券を配り批判を浴びた経緯があります。
国会で野党は、高市総理を追及しました。
立憲・田名部匡代参院幹事長
「昨年、当時の石破総理は10万円の商品券を15名に渡し、物価高で苦しむ世論からの批判を受け謝罪され、商品券は返還されました。自民党衆議院議員全員、総額いくらになりますか?報道されている3万円なら1000万円近くになりませんか?」
25日の参院本会議で質問された高市総理は、「問題ない」と強調しました。
高市総理大臣
「党所属の衆議院議員全員に対して今回の大変厳しい選挙を経て当選したことへのねぎらいの気持ちも込め、奈良県第2選挙区支部として品物を寄付したものでございます。品物は本体価格プラスシステム料、プラス送料に消費税をかけまして1人分約3万円で、合計315人分になります。政党支部から議員個人への寄付として、法令上も問題はないものと認識いたしております。」
高市総理はこのように述べ、約945万円を支出したと明らかにしました。
■自民議員は「問題ない」「わざわざやる必要ない」など様々な受け止め
わずか1年ほど前にも厳しい批判が相次いだ中、カタログギフトを受け取った議員らはどう見ているのでしょうか。
自民党 関西の衆院議員
「党の支部から出しているお金。私は問題ないと思いますよ」
政府高官
「党から個人への寄付ってよくあること。じゃあ他党は例えば党のお金で食事とかしてないんですかね?」
「問題ない」という声がある一方で、「カタログギフトと分かっていれば石破総理の件もあったのでその場でお返しした」などと語る自民党議員もいました。
自民党 関西の衆院議員
「石破さんのときのこともあるのでわざわざやる必要もない」
「もらって喜ぶ人はいない。こういう衆議院の慣習も見直すべきではないか」
■かつて維新は厳しく批判 今回は・・・?
連立のパートナーである維新は、これまで政治とカネの問題について厳しく追及していて、石破前総理の商品券問題が発覚した際は、吉村代表が批判していました。
維新・吉村代表 去年3月
「(石破総理は)違法ではないと言うが僕は違法だと思う。今“政治とカネ”を正していこうということで国会でも決めてきてる中で今やるかなというのが率直な思い。残念」
しかし、今回の高市総理側の対応を問われると「法令の範囲内」だとして理解を示しました。
(吉村代表 25日)
「政党支部から議員個人への寄付ということなので法令の範囲内のものだろうと思う」
(Q.石破前総理の行為については「違法」と言及したが今回との違いは?)
「政党支部から議員個人への寄付は認められていて、その範囲内なので違法ではないと思う。違法の疑いがあるかないかは、ここが一番大きく差がある」
街の人の受け止めは…
70代女性
「そんないらんことしない方がいいのでは。なんぼ公金じゃなくてもね」
60代男性
「僕は高市総理を応援しているから全然いいと思う。信用している」
50代男性
「裏金議員の話もあるのでタイミングはよくない。高市さんらしくないという気はする」
■「問題は原資」と専門家指摘 クリーンな政治に期待していた人からすると疑問では
一連の問題について、政治学者で現代政治の分析が専門の法政大学大学院白鳥浩教授に尋ねました。
(Q.当選議員へのカタログギフトは、法令違反にはあたらないのでしょうか?)
白鳥教授
「高市総理の説明によると違法性はないということですが、のし紙には『高市早苗』と書かれていて、本当に政党支部からだったのかどうかは判断が分かれると思います。私は個人から個人に対する寄付という可能性が排除できず、こういうことはやるべきではなかったと思います。そもそもカタログギフトが有価証券に当たるか当たらないかというのも議論があるところです」
(Q.高市総理の説明通り政党支部から送ったものだとすると、945万円の原資はどういったお金だと考えられるでしょうか?)
「問題はそこです。政党支部から出したということですが、その政党支部は、自民党本部からお金が回ってきます。そして自民党の収入の7割くらいは国民の税金、つまり政党助成金です。つまり税金を一部使って自分たちの国会議員にカタログギフトとして3万円ずつ配ったと取ることはできるでしょう」
(Q.Xで高市総理は政党交付金は使っていないと明記しました。仮に使っていないとすると、どういうことが考えられますか)
「企業などからの寄付ということになります。ただ、額が1000万円近く高いため、お金の出所についてはきちんと説明する必要があると思います」
(Q.高市総理のクリーンな政治に期待していた人からすると、疑問が残る形になったのではないでしょうか)
「高市総理が多くの支持を集め期待されたのは、今までの永田町の風習を新しく変えていってくれるという期待があったのだろうと思います。それがやっぱり旧態依然としている自民党の様子を見せつけられてしまうと、残念なんだろうなと思います。法律に合っているかどうかよりもむしろ、国民感覚に近いかどうかが問われているのだろうと考えます」
(2026年2月25日 newsおかえり放送)
高市総理「カタログギフト問題」 原資約945万円は結局税金なのでは?本人は「政党交付金ではない」と発信 「法律に合っているかどうかではなく国民感覚に近いかどうかが重要」専門家指摘
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