自民党が圧勝した衆院選を受けた特別国会が18日、召集されました。本会議では、自民と維新の議員の投票により、高市早苗氏が第105代総理大臣に指名されました。
高市総理は予算の年度内成立に意欲をみせていますが、そうなれば審議時間が窮屈になることは避けられません。今国会の注目ポイントを政治ジャーナリストの青山和弘さんが解説します。
■野党の議席減を理由に特別国会での審議短縮を目論む自民幹部
特別国会の注目ポイントは、予算案が年度内に通過するかどうかです。
高市総理大臣は「3月末までに成立させたい」として、野党にも呼びかける方針です。ただ、年度末まで残り1カ月半を切っていて、充分な審議時間の確保が課題です。
通常、本予算は1月上旬に政府予算案が提出され、国会審議を経て3月末に成立します。
ただ、今回は高市総理が1月23日に衆議院を解散。2月8日に衆院選が行われ、18日に特別国会が召集されました。
27日から来年度予算案の審議が始まりますが、約1ヵ月の政治空白が生じたため、予算成立も4月にずれこむとの見方が濃厚でした。
しかし、高市総理は3月末までの成立を目指しています。実際に年度内成立は可能なのでしょうか。
青山さん
「今回の解散は、予算の年度内成立はできないことを前提にしたものでした。ただ、自民党だけで3分の2を超える議席を得たことを受け、自民党幹部から本来なら2カ月とる審議時間を短くできるという声が出始めています。野党の人数が減ったので審議時間を短縮させることを目論んでいるのです。これに対する野党側の出方が焦点になっています」
青山さん
「(Q.参議院は自民党の少数与党の状態が続いています。参議院の審議のスピードアップも可能なのですか)普通に考えると厳しいです。ただ、衆議院で短くしたんだから参議院も協力してくださいと呼びかけることが考えられます。『国民生活のため』というのがキラーワードになるのではないでしょうか」
■122兆円の予算案は過去最大 年度内に成立しなければ政策の実行は遅れる
2026年度予算案は、一般会計が122兆3092億円で過去最大です。高市総理は、この予算の年度内成立に意欲をみせています。
予算が年度内に成立しない場合は、暫定予算を組みます。暫定予算は、国家公務員の給料や年金など必要最低限の経費に限って使える”つなぎ予算”です。つなぎ予算は戦後33回編成されていて、新しい政策に使うことはできません。
高市政権は新しい政策として軽油減税、年収の壁引き上げ、高校の無償化拡大、給食費無償化などを掲げていますが、実現できるかどうかは未知数です。
青山さん
「解散をしたのは高市総理です。野党としては政策が遅れることを前提とした解散だったとして、審議時間をとり熟議を尽くすよう訴えるとみられます」
■自民党には高市総理のブレーキ役も求められている 国民による監視も重要
高市総理は「国論を二分するような大胆な政策」に踏み込むと意気込んでいます。
防衛費のさらなる増額、憲法への自衛隊明記、防衛装備品の輸出拡大、スパイ防止法の制定、外国人の土地取引厳格化などです。
青山さんはこれらの政策を念頭に「支持率が下がると、自民党内の非主流派がうごめき出す可能性がある」と指摘します。
青山さん
「高市総理としては支持率が下がらないうちに政策を実現したいところです。『国論を二分するような政策』の実現にこだわりすぎると、強引だとして支持率が下がることも考えられます。消費税についてもそうです。自民党内に非主流派は残っていて、そうした議員をコントロールできるかどうかが長期政権に向けたポイントとなります」
青山さん
「(Q.支持率が下がる要因はなにが考えられるでしょうか?)まずは経済状況です。円安、物価高が進む、金利が上がるなどの問題が影響するでしょう。後は中国との関係をどうコントロールするか、政権をめぐるスキャンダルも支持率下落の原因となります」
青山さん
「(Q.支持率が下がらないうちに政策の実現を目指すことになる?)高市総理としては、早期になるべく政策を実現させることで、支持率を維持するのが理想的な形です」
青山さん
「(Q.党内にブレーキ役がいない政権になるのでは?)自民党には、高市総理が行き過ぎたときにどうブレーキをかけるかということも求められています。野党が小さくなった今、マスコミ、国民の監視というのも非常に大事になってきます」
「国民生活のため」がキラーワードに?予算の年度内成立は可能なのか 野党の議席減を理由に審議短縮を目論む自民幹部【識者解説】
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